ステータス画面

2人でリヴァイアサン大祭

依雨のミルシアリア・スピネル
樂霊のパフィオペディラム・ニクス

■リヴァイアサン大祭2014『makrone_fasziniert』

 不安げに、スピネルはニクスの顔を見上げる。
 しばらくゆっくり甘えられる時間が取れなかったから、少しは良いだろうか……そう思いながらのことだった。ソファに座るニクスの膝に頭を乗せたスピネルが探るようにニクスを見つめると、ニクスはスピネルを見つめて笑んだ。
「今日はずいぶん甘えん坊というか甘えたがりだな」
 ニクスの口調は優しく、決して嫌がっているようではなかった。頭が重くはないだろうか――思いながら、スピネルは後頭部をニクスにすりつける。
「……大丈夫なら、少し、このままで」
「存分に甘えてくれて良いぞ」
 夜はまだ長い。スピネルがニクスに甘える時間は、まだまだたくさんあった。
 二人きりの部屋の中、スピネルはしばらくそうしていた。しかし、ほどなくして物足りないとでも言いたげな困った、あるいは少し照れたような表情になって、呟く。
「その……えと、もうひとつお願いが」
「お願い?」
 ニクスはスピネルの顔を覗き込もうとしたが、表情を見られるのが恥ずかしいのか、スピネルはニクスの腰に抱きついて顔を隠した。
「……あ、頭……撫でてくれると、嬉しい」
 もごもごとくぐもった声だったが、ニクスにはきちんと届いた。
「あぁ、そんなことか。それならお安い御用だ」
 そっと、ニクスの手がスピネルの頭に伸びる。優しい微笑を浮かべながら、ニクスはスピネルの頭を撫でた。
 普段はスピネルがニクスを撫でることの方が多かったから、こうしてニクスがスピネルを撫でるのは新鮮なことだった。顔を隠したままのスピネルに、ニクスは笑い声を漏らす。
「恥ずかしがり屋なのは今も昔も変わらんな」
「むぅ……これでも、慣れてきたと思うんだけど」
 出会った頃から比べれば、これでも少しは成長している……たぶん、きっと、とスピネルは言う。
「ニクスだから……好きだから、照れるのは仕方ないん、だと……」
「まあ、そこが可愛いと言えばそうなんだけどな」
 甘い言葉を交わしながら、二人の時間はゆっくりと過ぎていく。
 今年もこうして愛する人との時間を持てたことが、スピネルにとっては嬉しいことだった。スピネルはニクスを見上げて、口を開く。
「来年も、楽しく過ごせたら良いね」
「来年もきっと過ごせるさ」
 スピネルの長い髪をかき分けて、ニクスはスピネルの耳に触れる。
「再来年も、次も、きっとな」
 ずっと、こうしていられるようにと願いを込めて。
イラストレーター名:ranpak