ステータス画面

2人でリヴァイアサン大祭

碧之神奈備・カナト
陽だまり農夫の・カッペニア

■リヴァイアサン大祭2014『小さなお願いごと』

 リヴァイアサン大祭の日、カナトとカッペニアは世界樹の上を目指していた。
「ペニー君、ほら、こちらからが登りやすいですぞ」
「うん。ありがとカナトさ」
 大きな大きな世界樹を登るのは、普段から慣れているカナトにとっては大した事が無くても、カッペニアにとってはなかなか手強い。ときどき振り返って、手を差し伸べるカナトに手を借りながら、2人は目的の場所を目指す。
「うわあ……」
「見事なものでしょう? これほど近くでリヴァイアサンが見れる場所は、なかなかありませんからな」
 かなり上まで登って来た2人は、大きな枝の上で足を止める。今日だけエルフヘイムの空を舞うリヴァイアサンが、地上から見るよりもずっと、ずっと近くに見える。
「うん。とってもおきの特等席だね」
 カナトから誘われた時に想像したのよりも、ずっと実物は凄かった。満面の笑みで頷いたカッペニアがそうカナトを振り返ると、カナトは幹に寄りかかるようにして枝に腰掛け、優しげに笑って膝をぽんと一叩き。
(「えーっと……座れ、ってこと、だよね」)
 勿論それはカナトの膝の上に、という意味だろう。ちょっと照れくさくて赤くなるカッペニアだが、素直にその誘いを受けて彼の膝の上に座る。カナトは、そんなカッペニアの反応に目を細めると、差し伸べた指先を絡めるようにしてカッペニアを引き寄せた。
「さ、お茶やお菓子を用意してありますぞ」
 カッペニアの頭を撫で、カナトは荷物を取り出す。冷めないように工夫した飲み物には、まだ十分な温もりが残っている。2人はそれを片手に、眼前の素晴らしい景色に目をやった。
「……すごいね」
 言葉にならないくらいだと、しばらく見惚れていたカッペニアは、やがてそう息を吐き出してカップに口をつける。
「今日は素敵な所へ連れてきてくれてありがとう。僕、カナトさと同じ景色が見られて、とても嬉しかったよ」
「それは良かった。……まあ、この景色は、ペニー君以外に見せる気もないですしな」
 カナトに寄りかかりながら見上げるカッペニアに、カナトは嬉しそうに頷く。カナトだけの特等席を、教えても良いと思った相手は、カッペニアただ1人だけ。
「……おじさん寂しがり屋なんで……ずっと傍に居て下されな」
 微かに広がった沈黙にカナトがそっと呟けば、カッペニアは勿論だと言わんばかりに笑って頷く。
「来年も……この先もずっと一緒に居ようね。愛しているよ、カナトさ」
 少しだけ腰を浮かせ、カッペニアはカナトに口付ける。そんなカッペニアの想いを受け止めて、その心からの喜びを表すように、カナトは絡めた指先へ、ぐっと力を込めた。
イラストレーター名:ロレンス