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2人でリヴァイアサン大祭

導く灯火・ニコル
蝋燭の正しい消し方・ニャルラ

■リヴァイアサン大祭2014『想い出を作ろう』

「ん〜、ダンスなんてやったことないんですよね」
 黒のローブに赤いマフラーで寒くないようにしたニャルラが口を開いた。
 目の前に広がるのは、キラキラ光る氷の銀盤。雲間から除く星空を映して、まるで星空で踊っている感覚になれる場所。
「こうやって踊るのは初めてだけれど、二人一緒ならきっと大丈夫」
 白のコートと青いマフラーで防寒対策をしたニコルが笑いかける。
「二人で踊れば何とかなりますよね〜」
 ニャルラも笑顔で頷いた。
 ニコルに手を引かれて恐る恐る氷の上に足を踏み出すニャルラ。氷だから滑りやすくはあるが、割れて落ちてしまう、という事はなさそうだ。静かにゆっくりと踊りだす2人。
「指輪を渡した時は、ラッドシティの噴水前だったね」
 足取りはそのままに、ニコルが苦笑しながら口を開く。「あの時はすっごく緊張したなぁ」と付け加えて。
「告白を受けたときなんて〜、わけわからなくなって〜泣いちゃいましたよ〜……」
 ニャルラも釣られて苦笑した。3年前を思い出して。
「毎年リヴァイアサン大祭の時は、色々あったね。二人でご馳走を食べに行ったり……」
「はい〜。乾杯の時にお願い事をしよ〜ってなって、ニコルさんも同じお願い事してた〜って、嬉しかったですね〜」
 付き合いだして1年目の記念日。願ったのは両者とも2人の幸せ。
「話しててそのまま眠っちゃったりもしたっけね」
「あの時はすっかり寝ちゃいましたね〜、起きた時は〜用意してたプレゼントが目の前においてあって〜、何事かと思ったけど〜」
 同じベッドの上で、目を輝かせながら今までの事、そしてこれからの事を話していたら、いつの間にか寝てしまった。そして、朝起きたら枕元にプレゼントがあって本当に驚いたのである。そんなサプライズがあった2年目の記念日。
「どれも良い思い出だったね、来年も再来年もずっと良い思い出にしたいね」
 今年3年目の記念日は、こうして初めて2人で踊って。
「ふふふ〜、期待してますよ〜?」
 ニャルラが瞳をキラキラさせて笑うと、
「うん。まかせてよ!」
 ニコルも飛び切りの笑顔で応えた。
 頭上にも足元にもキラキラ輝く星達に囲まれて――。
イラストレーター名:未鈴レイノ