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2人でリヴァイアサン大祭

流離陽炎・ケイ
藍棘・フィル

■リヴァイアサン大祭2014『静けさに燈る温かさ』

「今年もこの季節が来たんだなぁ……」
 街の中、ふわりとした明かりを灯す景色と静かに落ちてくる雪に、フィルは思わず声を漏らす。思わず足取りを軽く弾ませそうになるのは、フィルの隣にケイがいるためだった。
 街道は静かで、淡く灯された炎の揺らめく音すら聞こえそうだ――思いながら、ケイは空を見上げていた。ふんわりと落ちてくる純白の雪は真綿のようで綺麗だ、とケイは感じる。
「でも、もっと暖かいと良いのに」
「空は暖かい物を落としてはくれないけど、気持ちをリセットさせてくれるじゃない」
 頬に落ちた雪の冷たさにケイが嘆くと、フィルが慰めるように返した。
「なんでまたこの時期なんだろうな。祭りは好きだからいいけど」
「……その辺りは現金なのね」
 呟いて、フィルはくすくすと笑う。祭りが好きなのはフィルも同じだった。
「どーせ俺には情緒ねぇよ」
「拗ねないの」
 フィルの笑みに憮然とするケイを宥めながら、二人は歩みを進めていく。
「狩猟者って冬の森も得意そうなイメージだったから」
 だから、ケイが寒いのは意外だった――言外に伝えるフィルに、ケイは肩をすくめて答える。
「慣れてても耐えられても、苦手なもんは苦手。寒いのは好きじゃねぇ」
 手にした紙袋を持ち直し、ケイは今にも跳び跳ねて歌いだしそうなフィルを横目で見る。寒くても元気なフィルを見つめる視線に気付いて、フィルは緩く瞳を細めた。
「アイスレイピア使ってたりしたし、まだまだ若いですから?」
「なにおぅ〜?」
 得意げに笑うフィルにケイは笑って距離をつめ、フィルの手を手袋ごと握り締める。
「ひゃっ!?」
 急に手を握られ、思わず腕の中の荷物を取り落としそうになってフィルは頓狂な声を上げた。あたふたしながらもフィルがケイを見上げると、ケイはついと視線を逸らし、
「分けて貰うから、言ってろ」
 ぶっきらぼうに言うのだった。
「――体温って、落ち着くよね」
 手袋越しに感じられるケイの体温に照れながらもフィルは言い、フィルの言葉にケイも頷く。
(「寒いのは苦手だけど、まだこのまま今を楽しんでいたい」)
 思うケイが手を引いて、二人は雪の中を歩いていった。
イラストレーター名:ハルヨリ