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2人でリヴァイアサン大祭

宵闇の羽・シュゼット
闇夜に舞う無慈悲なる氷雪・アルシエル

■リヴァイアサン大祭2014『聖なる夜の堕天使たちの戯れ』

 静かに雪は降り続き、星霊リヴァイアサンが舞う夜。
 エルフヘイム各地では様々な奇跡が起こり、街は賑やかな活気で溢れていた。
「この日に何の予定もないとか、ホント可哀想な男」
 シュゼットは、いつものたまり場の扉を開くなり口を開いた。
「こんな日に独り身なんて寂しいだろうから一緒に飲んでやるよ」
 声をかけられた男――アルシエルも憎まれ口を返す。手にした酒瓶を軽く掲げて。
「しょうがないから付き合ってあげる」
 中に入ってアルシエルに近づいたシュゼットの手にも酒瓶があった。
 お互いに憎まれ口を叩いているが、居るような気がしたから。だから2人とも酒を持っているのである。
「ふむ……お前にしちゃ良い酒持ってきたじゃないか」
「これも悪くないわね」
 お互いに、お互いが持っていた酒を味わいつつ、軽い笑みを浮かべた。

「しかし、こんなところで酒飲むしかやることがないなんて、つくづく可哀想なヤツだな」
 互いに憎まれ口を叩きあいながら、持参した酒瓶は量を減らしていく。
「……」
 ふと、シュゼットが何かを思いついたように、口元を歪めた。
「ん?」
 その表情を横目でちらりと確認するアルシエル。
 次の瞬間には、アルシエルの肩にシュゼットの手がかかって、力を加えられたと思った瞬間には押し倒されていた。
「……なんだ?」
 しかし、全く動じていないアルシエル。
「兄弟揃ってヘタレよね、こんなシチュで手も出さないなんて」
 シュゼットは、同情するように見下ろした。
 普通、女に押し倒されたら、男の本能というものが働くのではないかと。
「俺にだって選ぶ権利はあるわな。どうしてもってなら相手してやるが?」
 不敵に口元を歪めながらアルシエルが鼻で笑う。
「どうしても? なんであなたにそんなお願いをする必要があるの?」
「だって寂しいんだろ?」
 お互いに一歩も譲らない攻防。その攻防は暫く続くことになった。ずっと同じ体勢のままで。
 2人とも普段は猫かぶりをしている。それゆえに、遠慮なく言い合える関係というのも楽しいもので。

「じゃあ、今後の人生、相手無しでいられなくなったら負けってことでどうだ?」
「望むところよ!」
 売り言葉に買い言葉――しかし、それはつまり、生涯共に過ごそう、そういう意味なのである。
イラストレーター名:ひなや