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2人でリヴァイアサン大祭

祀火の覡・ラグナ
モコモコマスタリー・メイ

■リヴァイアサン大祭2014『【Dear sibling】寄り添う、ぬくもり』

 ラグナの視線の先には、雪化粧が施された景色。
 それを見つつ……ラグナは熱い湯船に浸かり、手にした熱燗の盃に口をつけた。
 ここは天然の露天風呂。広がる自然が一望できる場所にあり……湧き出た湯が、白い湯気を立ち昇らせていた。この湯に浸かっていると、ラグナは自分の冷えた身体が暖まっていくのがわかる。
「ラグナくん、みてください! 星……きれいですよ!」
 そして、湯船に浸かっているのは、彼の他にもう一人。
 湯浴衣を着たその少女は、銀髪と紫の瞳を持ち、その瞳で星々が煌めく夜空を見上げて見つめていた。彼女の周囲、暖かな湯気に囲まれた中には、四匹の黒猫たち……アリル、コリン、ミーア、ミウンの姿。温泉の熱気で暖を取るのみならず、少女につられて夜空を見上げている猫もいる。
 ラグナもまた、彼女……メイにつられて夜空を見上げた。
 そこには、満天の星空。そして……その星々の中を泳ぐリヴァイアサンの姿。
 神秘的な光景に、ラグナはいつしか微笑みを浮かべていた。

「私だけ……というのも、申し訳ないですが……」
 リヴァイアサンを見つつ、ラグナは改めて盃を酒で満たした。
「リヴァ祭に、乾杯」
「うんっ、リヴァ祭にかんぱーい☆」
 メイもまた自身のコップを掲げ、ラグナの盃に合わせる。中身は緑色のメロンソーダ。
 未成年ゆえ、酒はまだ飲めない。が、メイはそんな事を気にする様子を見せず、その飲み物をストローで吸った。
「……二人とも、神楽巫女だから、温泉っていつも入れるはずなんだけど」
 メロンソーダを飲み干したメイが、言葉をかけてくる。ラグナは酒をじっくりと味わいつつ、彼女の言葉に耳を傾けた。
「こうやって一緒に雪景色見て、まったりできるのは、ちょっと特別な日って感じがするねー」
「大切な人と、一緒の時間を過ごせるならば、いつだって特別な日にできますとも」
 そう答えたラグナも『特別』を感じていた。温泉に浸かっているのとは別の理由での、大切な人、大好きな人が傍にいるゆえの、『特別』、暖かさを伴った『特別』を。
「……天気は、雪がすき。ジュースは、メロンソーダがすき」
 唐突に、自分の『好き』を言い始めるメイ。
「……そして、特別な日は、みんなといっしょにいるのがだいすき! アリルもコリンも、ミーアもミウンも! そして、ラグナくんも!」
 笑顔を向けられたラグナも、微笑みでそれに返す。
「たくさんの『好き』に囲まれるのは……とても幸せな事ですね」
 私も……。
「……私も、ミーア、ミウン、アリル、コリン……そして、メイが大好きですよ」

 メイへと告げたラグナは、心の中で付け加えた。
(「特別な日に、こうして大切な、家族と共に過ごせる事に……」)
 そして、メイもまた心の中でつぶやいていた。
(「だいすきで、大切な家族に……」)

((「「心から、感謝を」」))

 二人の感謝の言葉を祝福するかのように、天空のリヴァイアサンは夜空に煌めき、舞い続けていた。
イラストレーター名:友憂希