■リヴァイアサン大祭2014『キミといっしょに、空を見上げて』
見渡す限り白い絨毯が広がる雪原。静かに降る純白の雪は、更に絨毯の厚みを増やしていく――。
「真っ白だねー!」
レムネスが瞳をキラキラさせながら嬉しそうな声をあげた。
「ん」
横に立つリオリオは、いつも通り半眼で眠そう。でも、その表情はどこか嬉しそうで。
感情が表情に出にくいリオリオだが、レムネスにははっきり分かる。それは共に重ねた時間が、経験が多い――近い存在だから。
「どんどん降ってくる、何度見てもこの日は不思議だね〜」
「ん」
レムネスの口からは、白い息とともに、楽しげな言葉も一緒に踊りだす。頷いて、雪を眺めるリオリオ。
「今年一年、色んな事があったね」
「そう、だね」
どんどん降ってくる雪のように、色んな事が積み重なって。
苦い経験だってあった。でも、苦い経験の上に、それを覆い隠す雪のように、嬉しい事や楽しい事が更に降り積もって。
「届けたいのは、幸せなエンディング、だもんね」
不幸なエンディングが見えて、それを幸せなエンディングにできれば嬉しい。
『幸せなエンディングを』と常に願うリオリオ。レムネスの中にも深く刻まれ、仲間達と協力して行動するのが楽しい。
「……幸せだなって思うんだ」
広い雪原を眺めるレムネスの口からは幸せそうな言葉が漏れる。
今までを振り返って話す時間。それは、その時の気持ちを再び蘇らせ、嬉しくて楽しくて。
「おれも、だよ」
頷いて「不幸なエンディングは許せないし、ね」と付け加えたリオリオ。
のんびり話すし、ぼんやりしているように見えるリオリオだが、その根元にはしっかりした意思が根付いている。
「よし、それじゃ!」
「踏み出そう、か」
レムネスが瞳を輝かせると、リオリオが続くであろう言葉を繋げた。
「それっ!」
レムネスの勢いよく踏み出された足。
「わわ」
――ドサッ。
それはリオリオが踏み出した足と近すぎて、2人でバランスを崩してひっくり返ってしまう。
「ぷっ」
「はは」
お互いに雪まみれの姿に吹き出した。
「来年もよろしくね♪」
「これからもよろしく、な。──相棒」