■リヴァイアサン大祭2014『天鏡と金砂煌くウェデイングパーティ』
ラッドシティ、リーベフードにて――。街の領主であるソフィアと騎士団長のリョウは、大勢の人々に祝福されながら結婚式を挙げた。
これは、この町の祭の一部として催されたこと。二人が招待した客の他にも、参加者は大勢いる。
惜しげもなく振る舞われる料理や食べ物は、参加してくれた人が楽しめるようにと用意されたもの。それらを食べながら、参加者たちは現れた二人の晴れ姿に感嘆の声を上げた。
新郎、リョウは黒のタキシード。
新婦、ソフィアは純白のウェディングドレス。
正統派の、だからこそ美しい姿のまま、リョウはソフィアをお姫様抱っこして、青空の下を歩く。
「今、この場でソフィアに永遠の愛を誓います」
青空、大勢の人々、そして目の前には天鏡とも呼ばれる澄み渡る湖。それら全てに向かって、リョウはそう宣言した。
宣言を受けて、ソフィアはリョウの腕の中、恥ずかしそうな、でも幸せそうな微笑を浮かべた。
「私……とても幸せです。今日という日のこの全てが……」
リョウの耳元、ソフィアはそう囁くのだった。
お色直しでソフィアが上品な青いドレスや華やかさの際立つ赤いドレスに着替えると、リョウはそのたびソフィアを抱く。
さすがに三回目もやるのはやり過ぎだとこつんと叩かれてしまったが、ソフィアはリョウの傍らで幸せそうにはにかんでいた。
――喝采と騒乱の祝宴も、終盤を迎えた。
ソフィアがドレス姿のままくるりと回れば、ドレスの裾がふわりと翻る。
「これからよろしくお願いしますね……私の最愛の『旦那様』」
ソフィアの言葉を受けて、リョウはソフィアを優しく抱き締めて。
「こちらこそよろしく頼む、俺の最愛の『奥様』」
旦那様、奥様――今日、新たに得た呼び方で呼び合えば、くすぐったいようなむず痒いような、それでもとても満ち足りた気持ちになった。
宴の最後にはソフィアによるブーケトスが待っていた。
青空を舞うブーケは、金の砂の輝きを受けて。
二人を祝福するように、光り輝いていた。