ステータス画面

2人でリヴァイアサン大祭

赤青オルビス・アルカ
儘色カンターテ・ティコ

■リヴァイアサン大祭2014『Life/Time Goes On.』

「私がお婆ちゃんになったら――」
 ティコがそんなことを言い出したので、向かいに座っていたアルカは視線をティコに向ける。
 今日はリヴァイアサン大祭の日。華やかな食事と派手な祝い事が終わって、二人は一息ついたところだった。
 にぎやかさに満ちている町に出ることはなく、二人は室内でささやかな日常を送っていた――そんな中で呟かれたティコの言葉に、アルカは頬杖をついたまま答える。
「どうなるのかしらね。分かりませんわ」
「分からないの?」
「わたくしは、ティコと同じ時は生きられませんもの」
 時の王座に座っているために、アルカはティコと同じ時を生きられる体ではない。
「想像してみて」
 それでも、ティコは未来を想ってほしいとアルカに言う。
「そう言われても……」
「お婆ちゃんになった私は、誰とこうして時を過ごすのかしら」
「わたくし以外の方ですわ」
「お婆ちゃんになった私も、髪は長いのかしら」
「長くしていれば良いのですわ。わたくしといる今と同じくらいに」
「……そうね。髪は長くしておくわ。どこで暮らそうかしら。自然のたくさんある場所が良いわ」
「美味しい果物でも食べながら過ごすのかしら?」
「ええ、きっとたくさん食べるわ」
 ティコと言葉を交わしながら、アルカの胸には奇妙な愉快さを感じた。
 二人の間に流れる時間は違う――それでも続いていく人生に差異はないと思えたからか。自分のことだというのに、感じる愉快さの理由はとてもおぼろげだった。
「アルカ?」
「いいえ、お話を続けましょう」
 アルカに言われて、そうね、とティコは微笑みを浮かべる。
 ティコの紫色の瞳が笑むのを見ているとアルカの胸は幸せさで満ちる。アルカも笑いかけ、外を舞うリヴァイアサンに目をやった。
 家の中には穏やかな時間が流れている。大好きなティコとこうしてゆったりと過ごせることがアルカにはどうしようもなく幸せで、喋り続けるティコを、アルカは愛おしく見つめるのだった。
イラストレーター名:アトヒル