■リヴァイアサン大祭2014『大祭の日のお出掛け』
リヴァイアサン大祭で賑わう夜の街。ティコとアクアレーテは、せっかくだからと共に通りを散策していた。お互いに義姉妹と思い親しくしているけれど、リヴァイアサン大祭の日に一緒に遊ぶのは初めてだ。
たとえ短い時間でもめいっぱい楽しみたい。お祭りの雰囲気もあって、ついはしゃいでしまう。
「リヴァイアサン大祭に、こうしてお出かけは初めてだね」
ティコは周りを見渡しながら言った。
盛大に祝われるお祭りの日、夜でも街には灯りが絶えない。
あちこちのお店のウィンドウに飾られている品々に、街を彩るイルミネーション。歩く人々も皆とても楽しそうだ。
「ティコと見る景色は、なんてキラキラしているのかしら」
アクアレーテも瞳を輝かせる。
「イルミネーションも、降る雪も、あったかで綺麗よ」
「うん。街も賑やかで、寒い日もあったかな感じ」
アクアレーテの言葉に、ティコも頷いた。
そんな2人の首元には、とても長い赤いマフラー。1本を分け合って、お互いに両端から巻いている。
迷子防止、と言っているのは2人共大真面目なのか、はたまた照れ隠しか。
空には星霊リヴァイアサンが舞い、ふわふわと白い雪が降っているけれど、2人ならとても暖かい。
仲良く並んで歩いていると、ふと、アクアレーテが足を止めた。
「あ……ローストチキンのお店……」
漂う香ばしい香りに鼻をくんくんとさせると、ふらふらとお店の方へ……。
「ぐえっ」
赤いマフラーに引っ張られ、アクアレーテの口から蛙のような声が出た。
「レ、レーテ姉、大丈夫? 何かが潰れたみたいな声が出てたけど」
「蛙は潰れてないわ、大丈夫よ。迷子防止の効果絶大ね」
「ごめんね。しっかり一緒に、ついていく」
蛙さんもガード、と小さく付け足すティコ。
と、今度はティコが目を瞬く。
「あっ」
「ん……? ティコもなんか見つけた?」
「ん、あっちにアロマキャンドルのお店」
ティコが示した先には、柔らかな光の灯ったお店があった。
淡い色をした様々な形のキャンドルが並び、優しい光と甘い香りを放っている。
「可愛い……。それにとってもいい香り」
「この雰囲気をお持ち帰りに、買っていこうか?」
ティコが提案して、可愛らしいキャンドルを一緒に買う。
灯りの中、共に選んだキャンドルの色も、香りも、やっぱりとてもあったかで。
この雰囲気にピッタリの素敵なお土産を手に、ティコとアクアレーテはリヴァイアサン大祭を思いきり楽しんだのだった。