<1回戦・リプレイ>
始まりましたディオスボール本戦。
早速第1回戦第1試合から見ていきましょう。
まず登場しますは鳥籠の騎士・キキ&ヘイムスクリングラ・ヒカのペア。それに対するは天桜爛漫・パルシェレート&一笑懸命・ヴァントのペアになっております。
「攻略法? 攻めあるのみ!」
との言葉の通り、パルシェレートもヴァントも前に出ています。攻撃は最大の防御といわんばかりに次々とボールを撃ち込んでいきます!
強力なアタックが続くところ、キキが堅実にそれをブロック。そしてヒカがあっちへこっちへと翻弄するようにボールを放ち、確実に反撃を加えています。
ヒカ&キキペアがややリードといったところでしょうか。
「って、キキちゃん自分ばっかとらないで私にもボールちょうだい……!」
「……ヒカ」
キキが苦笑いをして、行っておいでといわんばかりにヒカに前を譲った模様です。
しかし、その隙を見逃すわけもない!
「パル、いくぜっ!」
「やったるでーーーー!」
ヴァントの打ち上げたボールに向かってパルシェレートが高々とジャンプ!
キキが守りに入るより早く、渾身のスパイクが相手のコートに突き刺さったぁーッ!
勝者はパルシェレート&ヴァントペア!
隙を突いての逆転劇、まさに攻撃は最大の防御でした!
「ラッキー! クッキー! イカ焼きー! 俺達の大勝利だ!」
「ぃやっほーーーーーーーーーーーーーっぅ!」
勝利のイカ焼きはあちらでお楽しみ下さい。
続いて第1回戦第2試合をお送りします。
まずは鰭拡・フェルナ&稀人・クララのペア。次に入場するのは白緑・アルトゥール&北天の瞬き・シェダルのペア。この2チームで競っていただきます。
両チームどちらも攻撃の要が女性で、男性がそのサポートといった布陣です。より上手く連携出来るかが勝利の鍵になるでしょう。
女性にしては高めの身長を活かしたフェルナのアタックはアルトゥールがしっかりブロック。低めになるシェダルのアタックはクララが丁寧にレシーブ。
一進一退、どちらも譲らないッ!
「シェダルさん、お願いします」
「まかせてっ、アル!」
トスを受けて元気に跳ね上がるシェダルを見て、それを愛らしいと感じたアルトゥール。しかし次の瞬間、アルトゥールの脇をすり抜けてボールが跳ねたッ!
「油断大敵ですよ」
ずっと相手の隙を窺っていたクララの指示でフェルナがスパイクを叩き込んだようです。
こうして一歩リードを許したまま、一進一退で試合は進行。シェダル&アルトゥールペアもポジションを変えながら追いすがっては行きましたが、得点を返すまでには至らずに試合終了!
「お疲れ様クララ 愛の勝利、かな?」
「ふたり力を合わせれば、乗り越えられないものはないね」
頷き合う2人。
勝者はフェルナ&クララペアとなりました!
お次は第1回戦第3試合。
花の宮殿城主・トゥー&アクスへイムの・アムオスのペアと深淵の堕黒天・ヨシュア&凍える薔薇・メルツェデスのペアの一戦となります。
……いえ、メルツェデスも女性としてそんなに背の低い方ではありませんが、こうも長身が揃うとちっちゃく見えてしまいますね。
「背の低さは培ってきた体力でカバーです!」
気迫は十分、気持ちでは負けてません!
「はっはー、おいちゃんにまかせなー!」
「うーん、このおじさんと組んで勝てるのかね?」
アムオス&トゥーペアはなんか不安な事言ってますね。
ともあれ試合開始、前に出るのは両チームとも背の高い方です!
「暑いねぇ。だが良い格好を見せたいじゃないか! 僕の方が背が高……」
ヨシュアの前に立ちはだかるのは子供の頭ひとつ分くらい大きいトゥー。
「もっと高い!」
真っ向からの勝負は無謀と判断、変化球を中心にヨシュアが守りの浅いところを狙ってボールを撃ち込んでいきます!
それを上手くアムオスが拾ってトゥーが反撃。ヨシュアのブロックでボールの威力を殺せばメルツェデスが素早く拾い上げます。
互いの命運を分けるのは、必殺と呼べる一撃でしょう。
「お願いします!」
メルツェデスのかけ声で良い位置にボールが上がりました。絶妙のポジションでヨシュアが振りかぶります!
しかしそれを追いかけるようにトゥーもジャンプ!
「僕を怒らせてはいけないよ? 必殺☆ミラクルアタック!」
「なら喰らえ! 愛と怒りと哀しみのボクの本気アタック!」
必殺技と意地が衝突!
そして軍配は――トゥーの方に上がりました!
勝者はトゥー&アムオスペア!
アムオスがぐっと拳を握ります。
「やったな、次もこの調子でいこうぜ♪」
「やったね、次もどんな手使っても勝つよ♪」
次はいったいどんな手を使うというのでしょうか!
さあ、第1回戦第4試合。
碧之神奈備・カナト&ハンマーと星霊術士・マクシームのペアと耽溺する魚・レディオット&宵の口・マルコのペアの、体格的に対照的なチームの試合です。
筋骨隆々の2人に線の細い2人、いったいどんな勝負を見せてくれるのか!
試合開始からなんと怯むことなく積極的な猛攻に出るマルコ&レディオット!
「僕らの夏にかけた想いを実力の差で見せ付けてやろーよ!」
気合い十分、レディオットが高くボールを上げました。
「はーい、思いっきりどーぞ!」
「いざ、勝負……!」
マルコのスパイクが見事相手コートを捉えました。一歩リードといったところです!
しかし、マクシーム&カナトペア、動じていません。
「参りますぞ」
カナトが振りかぶり、相手は身構えます。強力な一撃を警戒したのでしょう、がなんとちょんとネットのほぼ真下に押し込まれました!
「見た目通りと思うと痛い目見ますぞ」
トリッキーな技も使うのであれば、それに対応した動きをすれば良いと戦法を合わせるマルコとレディオットですが、今度は巨漢2人が重なってジャンプ!
「どちらがアタックするかな?」
小手先の技を警戒したところに、順当にマクシームのスパイクが突き刺さりました!
勝者はカナト&マクシームペア!
「カナト君、はーいタッチ!」
「やぁ、やりましたなぁ〜。マクさんのお蔭ですぞ〜」
ぱっちーん。
緩急つけたテクニックで見事な逆転勝利でした!
まだまだ続きます、第1回戦第5試合。
蒼海の防人・ハジメ&行かずウィドウ・ユーミィのペアと面白求道者・サンタナ&カクテルマスター・エミリーのペア。どちらも年長さんペアでしょうか。
「おそらく対戦相手は仲良しチームがカップルチーム。後者ならばリア充許すまじ!」
おっと、早速ユーミィがヒートアップです。しかしハジメは止める様子はありません!
「サンタナ、酔っ払ってないだろうね。ツケのぶんはちゃんと働いておくれよ!」
「ま、エミリーにゃ世話になってるし、折角誘われたんだ、気合いれていくぜ」
「リア充……リア充?」
2人の会話を聞いてユーミィに若干疑問符が入ったようです。
「なんにせよ本気でつぶしにかかりますよー!」
結局リア充認定されたようです!
「農場の年長組コンビ、まだまだ現役やで?」
「ここらで頼りになるとこ見せといても損はしねぇんだけどな……ッ」
やや背の高いサンタナが守りに向かうも、ハジメの派手さはなくとも的確なボールさばきにリードを許してしまいます。
「いくぜ、エミリー! うまく合わせろよ!」
「ああ、任せな!」
サンタナとエミリーが上手い連携を見せ、攻撃に転じようとしています。しかし、それがユーミィに火をつけたぁーッ!
「うおおお、リア充爆発しろおおぉ!」
逆にユーミィのスパイクが直撃しました!
勝者はハジメ&ユーミィペア!
「完璧な作戦だった」
「悪いがこう見えても海に囲まれた島育ちなんでなー」
なんというドヤ顔。執念の勝利です!
1回戦もだいぶ進んできたところで第6試合となりました。
獅子星・ウセル&アゾートアズール・キウのペアと緑風の守護騎士・ステラ&三節棍の赤い群竜士・アヤカの試合です。
「日頃培った絆、お見せしますよ!」
サポートに徹するキウが素早く低いトスをウセルが渾身の力で撃ち込みます。まさにクイックアタックですね!
と、ここでなんと、アヤカが無茶苦茶な体勢のままボールを追いかける! こ、これがマスタームーブ!
あ、でもそんな変な体勢じゃ真っ当にボール返せませんよね。虚しくボールが転がりました。
ウセル&キウペアがリードしたまま試合は進みます。
「騎士として絶対防衛!」
意気込んで守りに徹するステラですが、相手の連携に翻弄されがちです。そんな中、ボールが上手く上がった!
「全てを、撃ち砕く! 破ぁっ!!」
逆転の一打になるか、アヤカが跳ぶ!
「……と、みせかけて」
「えいっ!」
と見せかけてステラが直接打ち込む、これは騙され……。
「そうくると思ってたわ」
なんと、キウは相手の目線や配置からどちらが打つのか見切っていた模様です!
「タイミング、バッチシ」
綺麗に上がったトスを悠々とウセルが打ち込んだ、これが決定打!
勝者はウセル&キウペア!
「やったぁ!愛情の勝利、ねっ」
「よーし、俺らに敵はいないな」
綺麗な連携の勝利でした!
第1回戦第7試合。
まずは猟犬ケルベロス・エン&星食みの犬・ロザリンドのペア、そして蜜色の求道者・クレープ&朧銀の・メリザンドのペアです。
「やるからには全力でいきますよ! 頑張りましょうね」
「よし、がんばろうではないか」
元気に声をかけるロザリンドですが、さりげなくエンは球技が苦手とか言ったように聞こえます。でも気のせいでしょう。
エンの上げたトスからロザリンドが激しいスパイクを打ち込む!
しかし、相手の動きに合わせて跳び上がるメリザンドとクレープの並んだブロックに阻まれて攻めあぐねているようです。
「汝の球に義を見せよ!」
吼えるようにメリザンドが言いました! これは攻撃を誘っているのか!
「よし、ならばここで必殺のエックス……」
「って、2人でそれは無理ですよ!」
「無理だと!? ならばタクティクスAだ!」
どんな戦略か、エンがわずかに動きを変え……。
「それじゃ、見切ってご覧?」
その隙にクレープのスパイクが命中しました!
勝者はクレープ&メリザンドペア!
「良い試合だったわ。ありがとう」
「勝ててよかったよ。カッコ悪いトコ見せられないしね」
堅実な戦法が功を奏した試合でした。
第1回戦、折り返しの第8試合です。
銀髪の戦鬼・シルヴァーン&樹上の強襲者・スピカのペアとレイテルパラッシュ・キリスティア&マーウォルス・ファーティマのペアの試合になります。
「あァ!?」
「よろしく頼む」
見つめ合うシルヴァーンとキリスティア。いきなり火花が飛び散ってる模様です!
まずはファーティマのサーブから。
「打ってこいや、ゴルァ!」
シルヴァーンが凄んでて怖いんですけど、はい。スピカは隣で涼しい顔ですし。
そんな飛び交う怒号にもめげず、試合は進んでいきます。
こちらファーティマが後ろに控えてキリスティアが前に出るオーソドックスな配置ですが、スピカとシルヴァーンは左右に分かれて守るという他のペアにはあまり見ない形ですね。
この形、攻撃に転じやすい利点があるようです。コートの左側から上げられたボールに向かってスピカが駆け込んでいきます!
「……燃えてきた。どんと来い」
そのままボールを相手のコートへシューッ!
鋭いスパイクでしたが、ファーティマがそれをなんとかレシーブ。
相手方はまだ態勢が整っていない!
「これは、頂こう」
そして逆にキリスティアのスパイクがコートに突き刺さりました!
リードしたまま試合終了、勝者はキリスティア&ファーティマペア!
「勝ったのは我々だ!」
「こんなもんよ」
なかなかドスのきいた試合でした。
第1回戦も残り半分、第9試合です。
今回の対戦は藍棘・フィル&陽気者・ケイのペアと焔血・アニカ&遊踴・ユカラのペアのカードになっております。
姉妹で参加ということで気合いの入っているアニカ&ユカラペアですが、フィル&ケイペアの気合いの入り方はひと味違いますね。
「見せ所が少ない方が罰ゲームって約束だし!」
「ああ、負けねぇぜ!」
罰ゲームなんですか、それは大変ですね。
どちらもガンガンに攻め立てるスタイル、ユカラもフィルもコートを駆け回り全力で相方をサポート!
「必殺……消える魔球♪」
ケイの豪速アタックが炸裂して、一歩リード。やや優勢に試合を運んでいきます。
「連携抜群な私達に勝つとか甘いっ……罰ゲーム嫌だし」
フィルも攻撃に転じて持ち前のジャンプ力を活かして華麗にスマッシュ! なんかちょっと本音零れてますが!
「罰ゲームとか、そんなの関係ないね!」
だがこれをアニカが見事ブロックしました!
そしてユカラのトスで上げられたボールに向かって高々とジャンプ!
「決めてみせるよ、ペネトレイトスパイクッ!」
鋭いまでのスパイクが決まったぁーーッ!!
勝者はアニカ&ユカラペア!
「やったーこれぞ姉妹の愛と努力のたまものだね!」
「姉妹のコンビネーション、甘く見てもらっちゃ困るね」
さて、どちらが罰ゲームになるのでしょうね、相手方は。
第1回戦、いよいよ2桁の大台、第10試合です。
巨獣特捜ジャスピ凡・ボンベエ&熊殺しの・リゼルグのペアと善悪定めるは残月に微睡む邪帝・シェリヤ&天真の赤狼・グルグのペアの1戦です。
まずは順当にグルグがトスを上げてシェリアがアタック、得点なるかと思いきやちゃっかりボンベエが拾っていますね。それを力任せの一打でリゼルグが返します。
後列のサポートがしっかり支え、前列が堅実に攻撃、正攻法の試合展開ですね……と思いきや、いきなりボンベエが前に出てきました!?
「ちょーい」
リゼルグが仕掛けたところで割り込むような突っつき、相手コートのネット際にボールが転がりこみました。なんかセコ……いえ、見事な采配です。
しかし、いつもそううまくいくものではありません。次にボンベエが前に出ると、見越したかのようにグルグの上げたボールをシェリヤが高めに打ちました!
ボールは2人の頭を越えてエンドラインギリギリに落ちました。気づけば互いに翻弄し合うプレーになっています!
最終的に試合の行方はネット際のせめぎ合い!
リゼルグの体格を活かした防御が阻みますが、シェリヤの指先がボールを突くと相手のコートにボールが転がりました!
勝者はシェリヤ&グルグ!
「わぉーーーーん!」
「クク、楽しませてもらったよ」
序盤から一転、テクニカルな試合でした!
どんどん行きましょう、第1回戦第11試合。
薔嵐カプリチオ・アリスティエラ&星詠譜・アテアのペアと鏡花・ユエル&紺青の空・クラースのペアの登場です。
丁寧にレシーブをするのが美しいディオスボールの基本。かどうかはわかりませんがそのように主張するユエルはしっかりとボールを捉えてレシーブをしていますね。
対するアテアもきっちりボールをセーブ。互いのチーム、安定した連携でボールを運んでいきます。
得点は並び、突出しない状況が続きますが、ここで試合が動く!
「よーし、行っくよー!」
「あたし達の愛のパワーはちょっと痛いかもよ!!」
全力で背中を貸す体勢のアテアを踏み台にアリスティエラが高々と飛んだ!
そして、上空からの猛烈なスパイクが相手コートに突き刺さる!
いや、ちょっとこれ、反則じゃないんですか。
あーっと、フェアです! 審判、フェアを宣告しています! これは得点だ!
「それならユエルに足蹴にされてアタックされても問題なし!」
「え。あれをやるのか?」
一撃は強力でしたが、ユエルのフェイントを織り交ぜたアタックや、クラースの相手を惑わすフェイントが確実に点を稼いだところで試合終了!
勝者はユエル&クラースペア!
「よし、やったな」
「僕達2人なら、頑張れるよ」
確実なプレーが点を取ったという試合でしたね。
さらに続いて第1回戦第12試合。
碧雷の魔法騎士・リュアン&蒼碧の風が紡ぐ歌・ルキラのペアと銀世界の探求者・ナギ&フェアギスマインニヒト・カルラのペアの試合となります。
勝負事、とはいいますが、どちらのペアも楽しそうな表情ですね。勝ち負けよりも如何に楽しむかに重点を置いていそうな雰囲気です。
お互いに声を掛け合い、無理をしないレベルで確実に互いのボールを返していく試合展開。ほのぼのした光景にも思えますが、これはどちらも相手方の隙を窺っているともいえます。
互いに動きをしっかり観察している様子が見て取れますね。
「ナギ、行ったよ!」
「よし、決めるよ!」
隙を見出したか、攻撃に転じようとカルラがボールを上げました。星霊ディオスが可愛いからって手元が狂ったりはしません!
ベストポジションからのナギのスパイクが繰り出されたッ!
「私だって……!」
コートの空いたところにボールが吸い込まれると思いきや、ルキラが飛んだーッ!
ギリギリのところでボールを拾い上げ、そのままリュアンに繋ぎます。
さあ、ここで決められるか!?
「さて、行くぜ!」
決まったーッ! 相手コートにボールが突き刺さりました!
勝者はリュアン&ルキラペア!
「わ、勝てちゃった♪」
「俺達の、絆の勝利……ってやつかな?」
攻勢に転じてからの、見事なせめぎ合いでした!
勝ち組もだいぶ出そろってきました第1回戦第13試合。
まずは花翔の風・テロス&銀雪の煌翔・アシェルのペア。それに対するは紅き魔獣拳士・フォティア&紅一葉・ココロのペアとなっています。
これは……まさに野生というべきでしょうか。まさに縦横無尽、コートの中を所狭しと暴れ回……駆け回ります、っていうかあんなところのボールまで拾えるんですか!?
「いっくぜぇ! 取れるもんなら取ってみな!」
ココロのトスを受けて跳び上が……らない、フェイント!?
おっとこれは一人時間差だ! アシェルがつられてしまった! スパイクが炸裂しフォティア&ココロペアがリード!
とはいえ、テロス&アシェルペアも負けてはいられません。臨機応変に対応して力業だけでなくフェイントも多用して追いすがっていきます!
「高速無回転ジャンピングサーブ!」
ここでフォティアの必殺技が炸裂! 無回転って空気抵抗受けてボールが落ちるんじゃ……。
奇妙な軌道を描くボールをテロスがしっかりレシーブ。ボールの勢いを殺した上で高めに上げます。ここで得点を返せるかアシェル!
「僭越ながら行きますよ!」
「さ、させません……!」
ココロが前に出てきました。が、しかしボールは彼女の上を弧を描くように飛んでいきましたー!
スパイクかと思いきや意表を突かれた形で逆転です!
勝者はテロス&アシェルペア!
「やったぁ! 私たちの勝ちぃ!」
「お相手有難うございました」
なんともエキサイティングな試合展開でした!
第1回戦も残りわずか、第14試合。
悪貨・コール&鉄の羽ばたき・アネットのペアと気高き薔薇の槍姫・ロゼッタ&山杜ノ赫絲・マヨリのペアで競っていただきましょう。
「賞品とか出ないの?」
「賞金は出ないのか?」
いきなり物欲を醸し出してるアネットとコールですが……ま、それはおいておきましょう。
アネットとロゼッタがレシーブしてのサポート、コールとマヨリがアタッカーとして攻撃、オーソドックスな試合展開で進んでいますね。
中盤当たりから試合が動くことが予想されますが果たして。
「自分で言うけどナイスレシーブ! コールさん任せた!」
「あぁ、任せろアネット!」
アネットが上手くレシーブしてボールが綺麗に上がったことで、コールが攻撃に出ます!
「くらえ!」
しかしそのアタックは上手く散開していたロゼッタに拾われてしまいます! そしてそのままトス!
「私達の華麗なチームワークを見せ付けてあげますわ」
「いきますよ、ロゼッタさん!」
入れ違いに走り込んできたマヨリのダッシュジャンプスパイクが炸裂!
ボールが相手コートで弾みました!!
勝者はロゼッタ&マヨリペア!
「勝利です! ロゼッタさん、ありがとうございました」
「やりましたわね、私達の絆の強さは大したものですわ」
どちらも互いの長所を活かしていましたが、連携はこちらが優勢だったようです。
いよいよ第1回戦もここまで来ました、第15試合。
花鳥籠・カムパネルラ&棺中諧謔曲・アリスティドのペアと幻を謳う・グロー&誇り描く・タランのペアによる試合です。
「宣伝部長として、無様な試合は出来ませんわ」
華麗にしなやかにイルカのように身体を綺麗に反ってグローがサーブを打ち込みます。
さて、やはり身長差があることを自覚しているのでしょう。アリスティドは無理に壁になろうとはしないで、レシーブでボールを拾うように心がけていますね。
先に仕掛けたのはタランか!
「連携で行くぞ、グロー!」
「わかりましたわ」
グローのトスで……と見せかけてそのままアタック!
てっきりタランが打つと思っていたため、動けなかった!
リードを許してしまいますが、まだまだ試合は続きます。
「すごいとこ見たいな、なんて!」
アリスティドのかけ声でボールが上がりました。
絶妙のタイミングでカムパネルラが跳び上がります!
「必殺! ボールを相手の陣地にシュート!」
相手のゴールにアターック! って、なんか違うスポーツの用語に聞こえますが、強力な一打には違いない!
なんとか点差を縮めようと追いすがりますが、そこまでは至らず。
勝者はグロー&タランペア!
見事な連携を見せてくれました!
第1回戦も大詰め、ラストの第16回戦。
最後の対戦カードはこちら、ひとつ摘んでは草のため・ユノ&破軍星・ディルアーク
のペアと流影・シンバ&小夜風・ヒューイのペアの一戦となります。
「……暑いのに、どうして参加申し込みしたんだ兄者」
「ヒューイも承諾したでござろう」
予選をしっかり勝ち上がってきて今さらなセリフですが、まあ良いとしましょう!
試合が始まってみれば、持ち前の機動力でシンバ&ヒューイが相手を翻弄、攻守を入れ替わり立ち替わりで相手の隙を突いていきます。なんという忍者コンビ!
だがユノも日頃フィールドワークと足技で鍛えた脚力で対抗、試合はまだまだわからない!
「僕達二人の秘伝修正の高さは伊達じゃないんですよッ!」
ここでディルアークが屈みました!
確かに魔想紋章士と自由農夫。でも忍者も負けてない!
「ちょっと背中をお借りしますよ」
大丈夫、きっと喜んでくれます。とユノがその背中を踏みつけ大ジャンプ!
「これが協力技、乗り捨てジャンプシュート!」
「……そこ、隙だらけだ」
「え?」
ユノの大ジャンプからの突き刺すような強烈なスパイクでしたが、なんとヒューイに返されてしまいました!
大技だけにその後も隙も大きく、シンバが正確に相手コートにボールを入れていきました。
「その技、前の試合で出ていたでござる」
なんと必殺技はすでに見切られていました!
勝者はシンバ&ヒューイペア!
忍者チームの勝利です!
<トーナメント結果>
●本戦 1回戦
<2回戦・リプレイ>
これよりさらに暑く滾る第2回戦。第1試合はこの対戦です。
天桜爛漫・パルシェレート&一笑懸命・ヴァントのペアと鰭拡・フェルナ&稀人・クララのペアです。
「攻めあるのみー!!」
第1回戦と同じく全力で攻めの姿勢です、パルシェレート。そして、相手にボールが流れたときに、ヴァントが動きます。
「一発ギャグで油断させねば!」
いやそれどーなんですか。あ、でもフェルナちょっと怯みました。しかしそこはクララがきっちりサポート。ここまで勝ち上がってきたチームだけに生半可な技は通用しませんね。
ならば正攻法、パルシェレートが連携を見せてトスを打ち上げます!
「今だヴァントたん、いっけー!」
「スーパーデンジャラスアタックだ!」
どんなデンジャラス!
と、これは……ヴァントの放ったスパイクはラインすれすれを狙っています、これは確かにデンジャラス!
これはギリギリ入るかー!? といったところでクララのフライングレシーブだ!
舞い上がったボールは跳ねる魚のように軽やかに、身体をしならせてフェルナがスパイクを打ち返しました!
「1点、頂きます」
決まったぁーーッ!
勝者はフェルナ&クララペア!
「今度も愛の勝利かな?」
「ん、そうかもね」
攻めも守りも兼ね備えた連携の勝利でした!
盛り上がってきました第2回戦第2試合。
花の宮殿城主・トゥー&アクスへイムの・アムオスと碧之神奈備・カナト&ハンマーと星霊術士・マクシームの対戦です。
なんという巨漢筋肉バトル……。大柄のアムオスでも小さく見えてしまう不思議!
「おお、今度の相手はアムさんたちですか」
「手加減はしないぜ!」
この4人、知り合いさんですね。互いの手の内を知った同士、どう戦うのでしょう!
「それっ!」
身長を活かしたトゥーのアタックですが、この2人相手だと縦にも横にも大きく、なかなか得点がつかめません。2人だけでこれほどネット際をカバーできるとは。
「んー、こんな感じかな?」
のんびりとした声とは裏腹に、鋭くパワーのあるマクシームのスパイクがコートに突き刺さりました!
カナトの器用なテクニックもあり、なかなか翻弄されるトゥー&アムオスペアですがどう出るのでしょうか。
「カナトが打つぞ!」
「!」
攻撃のタイミングを見切ったらしきアムオスが真下に落ちてきたボールを拾い上げました!
「いっけーハイパーモモンガアタックだぁぁぁぁ!」
「喰らええええぇぇぇ!!」
どんなアタックだというのはさておき、トゥーの渾身のスパイクが見事反撃を決めました!
劣勢からの逆転!
勝者はトゥー&アムオスペア!
「やったね、まだまだ勝ち進んでいくよ♪」
「おう、この調子でな♪」
ちなみに、トゥーの愛モモンガはエドワードという名前だそうです。
続きまして第2回戦第3試合。
今度の対戦は……。
「うおおお、リア充爆発しろおおぉ!」
……。
えー、蒼海の防人・ハジメ&行かずウィドウ・ユーミィのペアと獅子星・ウセル&アゾートアズール・キウのペアですね。
ウセルとキウが恋仲ということで、ユーミィが荒れ狂っているようです。ハジメはいつもの調子ですが。
はてさて、勝利の女神が微笑むのはどちらでしょうか。
前の試合でも見せた的確で鋭いキウとウセルのクイックアタック。ラインすれすれの取りづらい位置を狙っていきます!
「リア充! 許すまじ!」
ものすごい勢いでユーミィが追いかけていきますが、間に合ってません。ただ、執念だけはものすごく溢れています。
確実に点が取れている、と思いきやしっかりハジメが細かなフォローに回っているため、意外と失点は少ないですね。
コート内の守りが堅いと感じたウセルは今度はパワー重視のアタックを打ち込みました!
「リア充に負けるかぁぁぁ!!」
なんとユーミィ、それを正面から受け止めました! なんという執念!
「おっしゃナイスや! このチャンス、逃さなんで!」
そして反撃のハジメのスパイクが炸裂!
勝者はハジメ&ユーミィペア!
「今回も完璧な作戦だった」
「作戦、ねぇ……」
これにはハジメも苦笑い。それにしてもユーミィ、いい笑顔です。
お次は第2回戦第4試合。
蜜色の求道者・クレープ&朧銀の・メリザンドのペアとレイテルパラッシュ・キリスティア&マーウォルス・ファーティマのペアが争います。
相手の動きをよく見て、動きを合わせてメリザンドがブロックをすれば、クレープが的確な場所にアタックを打ち込んでいきます。しかしこちらも合わせてボールの威力を殺すようにファーティマが受け止めてキリスティアが反撃。
落ち着いた形で試合が進んでいきます。
「いっちょ決めてやるか!」
ファーティマが動きました!
後ろから前に駆け込んできて入れ違いざまにアタック! これで先制リード!
ここから反撃なるか、メリザンドのトスを受けてクレープが跳ぶ!
「それじゃ、見切ってごらん?」
「良いだろう、来い!」
クレープの渾身のスパイク!
それをキリスティア……止めたぁー! 両手でしっかりレシーブをし守りきりました!
その後もクレープとメリザンドの2人は適材適所を意識したコンビネーションを見せ、点を返していきますが、逆転までには至らず!
勝者はキリスティア&ファーティマのペア!
「ま、こんなもんよ!」
「少し痛かったけどな」
まだまだ、2人の挑戦は終わらない!
第2回戦も残り半分、第5試合です。
焔血・アニカ&遊踴・ユカラのペアと善悪定めるは残月に微睡む邪帝・シェリヤ&天真の赤狼・グルグのペアとなります。
正面からぶつかっていく両チームといいたいところですが、アニカのプレッシャーが強いと判断すると相手の頭上を越えて弧を描く軌道でシェリヤが打ち込みます!
「スピンドライブで打ち返しー」
するとユカラが激しい回転を加えたアタックで打ち返し、とその技はなにか競技が違うような。
一方のグルグはサーブの際、ボールへの回転を少なくして軌道に変化をつけていますね。
まだどちらがリードともいえない状態、グルグが高くトスを上げます!
「赤わんこトォース!」
「やるなら徹底的さ。仕事も遊びもな」
絶妙のポジションで跳び上がるシェリヤ。しかし同時にアニカもジャンプしました!
まともに打てば確実にブロックされるところ、これはネット際のせめぎ合い、ボールの押し合いになるかー!
ばっちぃーん!
弾けるようなボールの音、果たしてボールは……着地したシェリヤの後ろに転がっているぅーーッ!
アニカが守りきったーッ!
勝者はアニカ&ユカラペア!
「さっすが姉さん!」
「まだまだ、こんなもんじゃないよ」
手に汗握るネット際の攻防でしたー!
第2回戦、ここで第6試合です。
次の試合は鏡花・ユエル&紺青の空・クラースのペアと碧雷の魔法騎士・リュアン&蒼碧の風が紡ぐ歌・ルキラのペアの試合です。
1回戦の時と同様、どちらも丁寧なボール運びですね。
クラースのトスを受けてユエルが素早くアタックを加えますが、しっかり動きを見ているのでしょう、ルキラが堅実に拾い上げ、多少のミスがあってもリュアンがフォローしていってます。
攻撃の手はユエル&クラースペアの方が多い印象ですね。
と、ここでリュアンがトスを上げました。
「私だって……たまにはやるもん、いっくよー!」
おっと意外、サポート中心だったルキラが唐突のアタック! これで点数が一歩リードだ!
苦しい展開になってきましたが、まだまだ落ち着いています。
今度はクラースがスパイクの体勢に入りました!
だがリュアンはしっかり見ています、身体の向いている方のセーブに……って逆!?
クラース、視線と逆側にスパイクを打ち込んだーッ!
「伊達に迷子で案内されてないよ!」
迷子……それ、打ち間違ったって事……?
事実はともあれ、フェイントを織り交ぜた攻撃に得点を重ねついには逆転!
勝者はユエル&クラースペア!
「よし、良い感じだな」
「まだまだ頑張れるよ」
正攻法と絡め手、織り交ぜた上手な試合運びでした!
第2回戦も進んできました。第7試合です。
花翔の風・テロス&銀雪の煌翔・アシェルのペアに対しますは気高き薔薇の槍姫・ロゼッタ&山杜ノ赫絲・マヨリのペアです。
どちらのペアも息のあったプレーを得意としていますが、より上手い連携を見せた方が優勢となることが予想されますね。
こちらはマヨリが前、ロゼッタが後ろときっちり担当を決めていますが、テロスとアシェルは一応の守備範囲は決めつつも互いにフォローし合うような形です。
どちらもお互いの持ち味を活かし、着実に得点を取り合う様子ですね。
正確に相手を見たプレーのおかげか、鋭い力任せのスパイクが点数につながろうとも、意表を突いたアタックはなかなか通じません。
ブロックされると思ってアシェルが相手の頭上を越えるようにボールを打手羽、確実にロゼッタが拾い、逆にマヨリがスパイクを打ち込みます!
お互い隙がなく、戦法の上で少しずつ点差が開き……ここでテロスが勝負に出ます!
アシェルが前ではなく後ろにトスを上げ、相手の意表を突くアタックだ!
「私の必殺打ち込みたーんと受け取ってね☆」
「ええ、受けて差し上げますわ」
しかし、それも上手くロゼッタがレシーブで拾いマヨリに繋ぎます!
「いきますよ!」
反撃のアタックがコートに突き刺さるーッ!
勝者はロゼッタ&マヨリペア!
「またまた勝利です!」
「華麗なチームワークが勝因ですわね」
隙のない確実な連携を見せつけてくれました!
さあ、この試合でベスト8が出そろいます。
第2回戦第8試合です。
幻を謳う・グロー&誇り描く・タランのペアと流影・シンバ&小夜風・ヒューイのペアの戦いです。
前の試合と同様、スピード重視でコートを縦横無尽にヒューイが駆けます。足りないところもやはりシンバがしっかりサポート、そう易々と点は取らせてはもらえないでしょう。
と、あれ。タランのアタックが早速決まっています、ね。
「このコートもまた、精緻な紋章だ。攻める場所はある!」
つまり、わずかな隙を的確に突いてきたということですね。さらに続けてタランにグローが重なって、どちらが打つか惑わせながらのアタック!
だがこれは、シンバがしっかりブロックしました!
「私たちの連携に幻惑されないとは……!」
「こちらも簡単に見切られては忍びの名が廃る」
これで得点を返したシンバとヒューイのペア、このまま逆転できるか!
それともタランとグローのペアがリードを守りきるか!
最後は互いのスパイクの打ち合いだーッ!
「――いざ、勝負」
「魅せて差し上げますわっ!」
シンバとグローの間で火花が散るごとく意地がぶつかり合う!
そしてボールは……真上に上がりました!
「……これはもらったな」
素早く跳び上がったヒューイが相手コートにボールを押し込んで逆転です!
勝者はシンバ&ヒューイペア!
「……これも上々だな」
「予想以上に調子がいいでござるな」
スピードを活かした攻めが決め手となりました!
<トーナメント結果>
●本戦 2回戦
<準々決勝・リプレイ>
幾多の強豪を打ち破ってきた猛者たち!
駆け上がってきました準々決勝、まずは第1試合。
鰭拡・フェルナ&稀人・クララのペアと花の宮殿城主・トゥー&アクスへイムの・アムオスのペアの一戦からになります。
フェルナとクララの前に立ちはだかるトゥーとアムオス、この大きな壁を越えることが出来るのでしょうか、はたまた跳ね返されてしまうのでしょうか!
さて、前の試合までは長身を活かして攻めていたフェルナですが、相手のトゥーはかなり大きい、同じような攻め口は通用しないとみて良いでしょう。
「よーし、任せたぜ!」
「本気で行くよ!」
アムオスのトスからトゥーのスパイクが相手コートに突き刺さりました!
老若男女問わず力一杯のつもりだとのことで、容赦ありませんね。
リードは許しても、それ以降はクララがきっちりレシーブをしてフェルナへと繋ぎます。このあたりの息はぴったり。最初は弾かれていたアタックも相手の隙を突くことで少しずつ追いすがっていきます!
少しずつ点差が縮まり、フェルナとクララが逆転できそうなところまで来ましたが、ここでトゥーが絶好のポジションから腕を振りかぶるッ!
それを見て当然のごとくクララが警戒、しかしそれはスパイクではなくトスでした!
「おいちゃんに任せな!」
高い位置で警戒していたせいか、そこより若干低いアムオスのスパイクに対応できず、ボールがコートに吸い込まれていったーッ!!
勝者はトゥー&アムオスペア!
「こういう時のトゥーは頼れるな♪」
「とりあえず勝たないとね〜♪」
最初のリードを活かし、守りきっての勝利でした!
準々決勝第2試合はこの対戦カード。
蒼海の防人・ハジメ&行かずウィドウ・ユーミィとレイテルパラッシュ・キリスティア&マーウォルス・ファーティマの試合です。
おや、なんだかユーミィがすでにやり遂げたような顔をしていますね。
鋭いスパイクは健在ですが、前の試合までの執念はちょっと感じられません。
「今回の対戦相手は仲良しチームみたいですからねー」
「恋人同士のチームもほとんど残っていないようだしな」
キリスティアの言葉になんかちょっとやる気なくしたように見えるのは気のせいでしょう。
キリスティアが前に出てきていますが、ネット際では身長のあるハジメが有利。プレッシャーをかけつつ、真っ向からのアタックで攻めていきます。
後ろの方にボールが来ればファーティマがしっかりレシーブ。と、ここでちょっと失敗、上手くトスが上げられずに相手コートにボールが流れ込んでしまいました!
これをハジメがトス。ボールは絶妙な攻撃ポイントへ!
「おっしゃ! ユーミィ、チャンスを逃すな!」
「一発、強いのいきますよー!」
ユーミィが打ち込みますが、そこはファーティマがしっかりセーブ!
カップルをつぶしにかかることを念頭に据えすぎていたせいかここぞの気迫が出ないようです!
「それではここで頂こう」
とどめと言わんばかりのキリスティアのスパイクが炸裂、2人ともセーブしきれない!
勝者はキリスティア&ファーティマペア!
「ふふ、決めてくれたわね」
「ああ、我々の勝利だ!」
なんともクリーンな一戦でした!
準々決勝も残すは2つ。第3試合です。
競い合うのは焔血・アニカ&遊踴・ユカラのペアと鏡花・ユエル&紺青の空・クラースのペアとなっております。
「いくぞ魔のツイストサ……」
だからそれ違うスポーツですって。と、そんなことはともかく、カープのかかったサーブが相手コートに入り込んでいきます。
それを丁寧に受けると、安定した形からユエルの電撃トス。素早く攻撃に転じます。
「いくぜ、相棒!」
「よし、まかせてっ」
クラースの目線とは逆側へ叩き込むアタックが炸裂、これでユエルとクラースが優位に立つでしょうか……いや、アニカとユカラ、あまり動じていませんね。
多少の点など取られても気にしないといった様子で、アニカがガンガン前に出てアタックを決めていきます!
ユカラも姉へのアシストは任せたまえと言わんばかり。失点があってもすぐに追いつくといった状況です。
ここいちばんでリードできた方が勝てるといった状態でしょうか。
「アニカ姉さん!」
ここでユカラからトスが上がった! この体勢は第1試合で見せたペネトレイトスパイク!
「決めてみせるよ!」
ボールが打ち込まれました!
果たしてこれを受けられるかーッ!
ユエルが両手でレシーブ……しかし、威力を殺しきれずボールはそのままライン外へ!
クラースが追いかけていくが間に合わないッ!
勝者はアニカ&ユカラペア!
「さあ、私についておいで!」
「うん、このまま突っ切っちゃおう!」
勢いのまま、姉妹で勝ちを貫いていけるでしょうか!
準々決勝も大詰め、第4試合です。
気高き薔薇の槍姫・ロゼッタ&山杜ノ赫絲・マヨリのペアと流影・シンバ&小夜風・ヒューイのペア。準決勝行きの最後のチケットはどちらのペアが掴むことになるのでしょうか。
試合開始直後から高いボールめがけてシンバがジャンプ、アタックを打つかと思いきや水平のトス、ヒューイが右手で打つと見せかけて左手のスパイクが先制で決まりました!
相変わらず素早いボール回しの2人ですね!
おっと、シンバがヒューイの頭をぽむっとしました!
「……兄者」
なにか言いたげですが、試合は続行します、
さあ、先制リードは許しましたが負けてはいられません、さらに連携を強く意識してロゼッタのトスが上がります。
「ここから反撃していきますわよ」
「はいっ!」
そこでマヨリがアタックを決めて、少しずつですが点差を縮めるべく奮闘していきます。
逆転はなるのでしょうか。
再度ロゼッタからトスが上がりました、これを決めれば逆転、マヨリが跳んだーッ!
「そう簡単に、勝ちは譲らぬでござる」
合わせてシンバも跳んだ、これはネット際の攻防が雌雄を決します!
そしてスパイクが打ち込まれ……ブロックだぁーッ! 綺麗なブロックで相手コートにボールを返しました!
勝者はシンバ&ヒューイペア!
「うまくいったでござるな」
「……ああ、見事だ」
素早い攻撃によるリードで、最後まで試合を引っ張っていきました!
<トーナメント結果>
●本戦 準々決勝
<準決勝・リプレイ>
ここまで来ました準決勝。
残るはたったの4チーム、優勝の栄光を掴むのはどのチームになるのでしょうか!
第1試合は花の宮殿城主・トゥー&アクスへイムの・アムオスのペアとレイテルパラッシュ・キリスティア&マーウォルス・ファーティマのペアが激突します。
持ち前の高さと力強いアタックが持ち味のトゥーとアムオス。臨機応変な戦法で勝ち上がってきたキリスティアとファーティマ。
どのような試合展開になるか、今から注目です!
キリスティアが前に出てファーティマが後ろを守るというスタイルは今まで同様ですね。もっとも、身長差がかなりありますし下手に前に出るよりは余程有効だと思いますね。
高いトゥーの壁ですが、低いところから狙っていこうというのがキリスティアの戦法のようです。しかし壁自体が厚く思うように攻めきれずにアムオスにボールを拾われてしまいます。
「いっけーハイパーモモンガアタックだぁぁぁぁ!」
「愛と怒りと哀しみのボクの本気アタック!」
出たー!
トゥーの必殺スパイクだぁーッ!
「させない……よっ!」
受けた! ファーティマ、この強烈な一撃を受けました!
威力が削がれてボールがふわりと舞い上がります。しかしトゥーもアムオスもまだ防御の態勢に戻れていませーんっ!
「遅すぎるな、これは頂こう」
キリスティアのスパイクでボールがコートに叩きつけられたーッ!
あの必殺ボールに対して反撃を決めました、これで点数はリード!
点を返すべくトゥーとアムオスも奮闘しますが、逆転するまでには至りませんっ!
勝者はキリスティア&ファーティマペア!
「ここもなんとか勝てたな」
「いよいよ来たわね」
一足先に決勝行きを決めた彼女たちは対戦相手を座して待つ!
残るは準決勝、第2試合。
決勝戦進出を賭けて焔血・アニカ&遊踴・ユカラのペアと流影・シンバ&小夜風・ヒューイのペアが競います。
攻め攻めのアニカと全力でそれをサポートするユカラの姉妹ペア、持ち前の機動力を活かしてコートを縦横無尽に駆けるシンバとヒューイの兄弟ペア。
勝つのは姉妹か、兄弟か!
やはり先に動いたのはシンバです。
角度の鋭いスパイクがラインギリギリで炸裂しましたッ!
「簡単に見切られては忍びの名が廃る」
やはり攻撃が早いだけにリードするのはこちらですね。おっと、続けて不意を突いた形でヒューイが攻撃に転じました!
「……そこ、もらった」
アタックが見事決まって点差が開いていきます。しかしまだ試合は始まったばかり、どこまで挽回できるでしょうか!
リードされたままですが、ここでアニカとユカラが同時にジャンプ!
「必殺★姉妹あたっく!」
姉妹の息ぴったりの連携が得点を返し、同点に並んだーッ!
勝負の行方はまだわからない!
「アニカ姉さん!」
「兄者!」
ユカラからトスが上がり、ヒューイの声援が聞こえました。
勝負の行方はネット際、年長者同士の対決です!
「――いざ、勝負」
「ブロックだろうとレシーブだろうと関係ないね!」
アニカのスパイクが炸裂、これを……シンバがブロックだーッ!
いや、両腕にしっかり当てることは出来たものの威力を殺しきれません!
ボールはそのままシンバ側のコートへおちていったーッ!!
勝者はアニカ&ユカラペア!
「やった、これが姉妹の強さだよ!」
「姉妹のコンビネーション、破らせはしないよ」
ギリギリでの逆転劇、瀬戸際で姉妹の絆が勝ったかーッ!
<トーナメント結果>
●本戦 準決勝
<決勝・リプレイ>
参加は約900チーム。
その中からあらゆる強敵を破り勝ち上がり続けてきたたった2つのチーム。数々の戦いをこえて、いま最後の戦いが始まろうとしています。
泣いても笑ってもこれが最後、ディオスボールのクライマックス!
決勝戦がついに始まります!
まずは、準決勝で体格・パワーに優れたペアを打ち破り決勝にコマを進めたレイテルパラッシュ・キリスティア&マーウォルス・ファーティマのペア!
キリスティアがアタッカーでファーティマがレシーバー、お互い完全に信頼した臨機応変な攻め口が光ります。
そして、準決勝では姉妹兄弟対決を制し、姉妹の強さを見せつけた焔血・アニカ&遊踴・ユカラのペア!
イケイケで攻めまくるアニカと姉のサポートは任せたまえの精神のユカラ、こちらも信頼しきった攻撃的なプレーが持ち味です。
試合開始! ラストバトル、どちらが勝ってもおかしくない、期待して参りましょう!
ユカラのサーブから始まりますが、最初はやはりどちらも様子見から……。
「いっくよーっ!」
いきなり変化球!
それをフライングレシーブでファーティマが打ち上げると、キリスティアが跳び振りかぶる!
「先制決めさせてもらう!」
「させないよッ!」
アニカも跳んだ!
のっけから全力のぶつかり合い、手の探り合いなんか必要ありません!
勢いが弱った方が負ける、それだけのことと言えるでしょう!
ユカラがトスを上げればアニカがスパイクを繰り出し、ファーティマがボールを打ち上げればキリスティアが叩きつける。
どちらもお互いを信頼しきっているからこそ全力で攻めることが出来るのでしょう!
試合は一進一退、同点で並んで最終局面。
どちらも疲労が進み、陣形も崩れがちですがそれでも止まりません!
零れたボールが跳ね上がり、これをファーティマが渾身のアタックで相手コートへ打ち込みました!
ブロックが間に合いません、至近距離からアニカがそれをレシーブ!
バランスを崩して尻餅をついてしまいますが、なんとかセーブ……いや、これはいけない、打ち返したものの相手コートの絶好の位置へボールが流れていきます!
「このチャンス、いかせてもらう!」
キリスティアが狙いを定めると同時にサイドライン際にいたユカラが駆けだしました!
この勢い……取られる危険もあると判断したのでしょう、キリスティアはユカラのいたところと反対のラインめがけてスパイクを打ち込むッ!
「やぁぁぁあーーーーっ!」
ジャンプレシーブ!
腕を必死に伸ばし、ユカラが跳んだ!
「入れぇーーッ!」
ファーティマが叫びます。ボールはコートに落ちるのか!
「届けぇーーッ!」
アニカが叫びます。ボールは打ち上げられるのか!
誰もが息をのみ、一瞬の静寂が訪れます。
果たしてボールは……届かないッ!
わずか、ほんのわずか! あと少しでかすめそうなところまで手が届きながら、わずかに手が届かず、ボールと共にユカラの身体が砂を巻き上げました!
これで決着……いえ、待って下さい……。
あーっと! これはアウトです! アウトが宣告されました!
なんとなんと、こちらもわずか、ほんとうにわずかですが、ボールの落ちた位置がラインを超えていた模様!
偶然?
いや、そうではありません! 全力を尽くし、決死の覚悟でボールに向かったからこそ導かれた結果です!
ここで試合終了!
優勝はアニカ&ユカラペア!
一進一退の攻防、最後は追い込まれながらも両者共に力を振り絞り、勝利を見出しました! 姉妹の強さ、ここにあり!
優勝の2人に祝福を、そして両チームの健闘を讃えて、惜しみない拍手をお願いいたします!
<トーナメント結果>
●本戦 決勝