山斬烈槍ランスブルグの薔薇から、身長10mの『妖精』が出現し、天槍の麓に舞い降りる。
これまで、常に妖精はエンドブレイカー達の元に舞い降りていた。
しかし今回は違う。妖精は、現時点で最大戦力である、若草の乙女アリッサムの元に現れたのだ。
『エリクシルが生まれ……』
「遺失魔術『ステイシス』! エリクシルよ、結晶のままわが掌中に収まれ」
妖精が何か話すより早く、アリッサムは何らかの魔術を行使した。
たちまちのうちに硬直し、溶けるように消え去っていく妖精の中から、ひとかけらの宝石が現れた。
しかしその宝石……『万能宝石エリクシル』は、願いを唆しはしなかった。
「本来ならこのエリクシルで軍備を整え、あのエンドブレイカー達を迎え撃つ手筈だった。
マギラント達が舌を巻く筈だ。あの神速、あの猛攻。今からでは抑えきれぬ。
やむを得ぬが、エリクシルだけを得て、ひとまずは去るとしよう」
そしてアリッサムは、眼下に対して魔術的に響く声で言い放つ。
「ランスブルグには、また再び収穫の時が訪れる!
その時こそ真の決着をつけよう、エンドブレイカー!」