<オープニング>
●霊峰天舞アマツカグラの現状
大陸から遥か東の島にそびえる、霊峰天舞アマツカグラ。この、霊山に築かれた独特の風習を持つ都市国家は、昨年マスカレイド達によって滅ぼされ、万能宝石エリクシルへの願いによって棘(ソーン)を育みやすい環境へと作り変えられた。
エリクシルの願いによって、アマツカグラは古の最も繁栄していた時代……すなわち『棘霞』の出現する以前の時代へと回帰。
さらには代々アマツカグラを治めて来たはずの『帝』や、霊峰天舞アマツカグラを開いた神と交信できるとされた『ヒミコ』といった存在も抹消され、それらに関する人々の認識すらも、マスカレイドが支配者として振舞う上で都合がよいようにすり替えられてしまったのだ。
その上で、マスカレイド達はさらに環境を悪化させ、棘(ソーン)を増やすべく人々を苦しめていたのである。
この強固な支配体制を築き上げたマスカレイドに対し、エンドブレイカー達も苦戦を強いられることとなった。
だが、『世界の瞳』と繋がる拠点を巡る戦いにおいて、エンドブレイカー達はマスカレイド達に逆転とも言えるような大勝利を収め、敵勢力を都市国家からの撤退にまで追い込むことに成功したのである。
支配者を演じていたマスカレイド達がいなくなったことで都市内は一時的な混乱に陥るも、その後のエンドブレイカー達の活動によって、その混乱は収まりつつあった。
そんな中で、紅御所に残されていた資料から古の戦勝祈願の祭りの存在を知った『代理者』達は、来たるべき山斬烈槍ランスブルグでの決戦に向け、『アマツカグラ戦勝祈願祭』を執り行うことを決めたのである。
●聖域浄化作戦
「その戦勝祈願祭の一環として、アマツカグラの治安を高めるのが、この作戦の狙いとなる」アマツカグラの『代理者』の一人である幾夜寝覚・ハイジ(c25301)は、そう話を切り出した。
マスカレイド達は、棘(ソーン)を増やすための策のひとつとして、バルバやピュアリィをはじめとしたモンスターを人里近くに放つことで環境を悪化させ、人々が苦しむように仕向けていた。
これらのモンスターのうちマスカレイドでないものは、いまだ霊峰天舞アマツカグラの霊山のあちこちに残っている。
今回は、これらのモンスターを倒すことで治安を高めることが狙いとなる。
「ついでに、この作戦のことは一般の人達にも布告してるんで、有志が参加するのは心に留めておいてもらいたい」
霊山浄化作戦には、アマツカグラの住民の有志も加わる。
そうした人々は大して戦力にはならないだろうが、エンドブレイカー達の存在と活躍を知らせてくれれば、今後の治安の安定にも大きく寄与するだろう。
他の都市国家と違い、アマツカグラでは、まだまだエンドブレイカーの存在すら知らない人々が多いのだ。
今回の祭りを機に、アマツカグラの今の住民達にも『エンドブレイカー』への信用を抱いてもらえれば、今後、何かあった時にも動きやすくなるだろう。
なお、過去の時代の状況に戻った際、モンスター達から民衆を守ることができるような者は、マスカレイド達に真っ先に目をつけられ殺害されてしまっていたらしい。
今回の戦いに参加する者も、ある程度のアビリティは使えるが、今のエンドブレイカー達に匹敵するような実力者は皆無だろう。
エンドブレイカー達にとっては大したことのないモンスターであっても、彼らには脅威となりうるのだ。
「自分から志願して戦いに出て来る以上、全く戦えないわけじゃぁないが、彼らの様子にも一応注意を払ってもらえるようお願いするよ」
ハイジは、次に作戦を行う地域に関する説明に入った。
対象となる地域は、大きく三つに分かれる。
●山裾
「下から順に説明していこうか。まず、霊山の『山裾』だね」今回の祭りで南瓜行列が行われる『大地の扉』と呼ばれる大岩の周辺をはじめとした、山裾の地域だ。
自然豊かな地域だが、それは同時にモンスター達にとっての食糧が多いことも意味する。
特に、繁殖の速い動植物のモンスターには警戒が必要だろう。
また、鬼蜘蛛や死尾狐、オロチ(他の都市国家で言うヒュドラ)といった巨獣の存在も考えられる地域だ。
こうした危険性の高いモンスターを討伐し、繁殖を防げば、将来的にアマツカグラで事件の起きる危険性を下げられると考えられている。
●中腹部
「次に、『中腹』。首都である神楽都を含めた、人里の周辺地域がここに当たるね」人々が暮らす街や村に隣接した山林や廃坑道などが、討伐の対象となる。
これらの人里近くに多いのは、人間を狙う動機の強いバルバやピュアリィといった種のモンスターだ。
アマツカグラの人々の中には、マスカレイドの命令で強制的に以前住んでいた場所から移住させられた人々もいる。
これは棘(ソーン)を増やすための策だったのだろうが、こうした原因でごく最近放棄領域化した村々や廃坑道などは、知性の高いバルバやピュアリィの棲家となっている。
また、この地域では、『鬼』……他の都市国家ではオーガと呼ばれるバルバの一団が、奇怪な城に集まっているという情報も寄せられているという。
「そういう場所じゃ敵も集団で掛かって来る可能性が高い。ある程度のエンドブレイカーを集めていくのが効率が良さそうだねぇ」
人里近くでの活動となるため、一般の人々に大きくアピールできるだろう。
●頂上部
「そして、三つ目は『頂上周辺』だ」ハイジの言葉に、エンドブレイカー達は今のアマツカグラを想像する。
「いま、アタシらがいる首都の神楽都より上の地域……そう、天津太刀がそびえ、あの薔薇の咲いている周辺さ」
一般人はマスカレイドによって薔薇の出現という異常を認識できなくされているのだが、直接触れた時にどうなるかは分からない。
そのため、この地域には一般人は参加しない。
本来のアマツカグラでも禁足地とされ、立ち入ることを許されていなかった地域で、あまり情報も無いのだが、頂上部の森をはじめとした地域にモンスターがいることだけは確実だ。
棘(ソーン)の影響も不明だが、この土地を浄化することで祭りそのものの加護が強まる効果が期待できるかも知れない。
「それじゃぁ、よろしく頼むよ」
ハイジの激励を受け、エンドブレイカー達は動き出す。
三つの地域それぞれで、アマツカグラに平穏をもたらすための戦いが始まろうとしていた。
<行動選択肢解説>
(1)山裾で戦う
下層の山裾周辺でモンスターを駆逐します。出現するモンスターは動物類・植物類が中心で、巨獣類の存在も予想されています。
モンスターを多く撃破できれば、今後アマツカグラで事件が起きる可能性が低下するでしょう。
この選択肢では、一般人の有志が同行します。
(2)中腹部で戦う
中腹部の放棄領域で、モンスターを駆逐します。人里に近い地域で、出現するモンスターはバルバ類・ピュアリィ類が多いでしょう。
人里に近く一般人に強くアピールできることから、『ブレイクゲージの上昇』が期待できます。
この選択肢では、一般人の有志が同行します。
(3)頂上部で戦う
禁足地とされる霊山アマツ頂上部の森を経由して天津太刀へと向かい、道中のモンスターを駆逐します。出現するモンスターには飛行可能なものが多いようですが、詳細は不明です。
頂上部を浄化することで加護が強まり、『負けにくくなる』効果が期待できるようです。
棘(ソーン)の影響が懸念されるため、一般人は同行しません。