行き交う人々の瞳から、圧倒的な絶望の『エンディング』が見える……!
これは、未来に起こりうる定められた光景なのか……!?
これは、未来に起こりうる定められた光景なのか……!?
霊峰天舞アマツカグラの地下へと通じる道を封じる大地の扉は、戦神斧によって破壊された。
やがて鳴動を伴って現れたのは、『都市国家を見下ろすほどに巨大な人間』!
腹部に『裂傷』を負ったその巨人は、同時に美しき女性でもあった。
剣狼剣聖ガロウマルが、彼女に向けて叫ぶ。
「此華咲夜若津姫(コノハナサクヤワカツヒメ)! 我が愛しき女よ、お前は何がしたい!!」
そう宣言した『此華咲夜若津姫』は霊峰アマツの最上部に置かれた天津太刀に手をかけると、茫然と自分を見上げる人々に告げた。
二振りの天津太刀が地響きと共に引き抜かれ、『此華咲夜若津姫』の手に収まる。
軽く振るわれた刃は大地を断ち割り、霊峰の上部を木端微塵に打ち砕いた。
そして、新たな震動がアマツカグラ全土を襲う。
天津太刀によって鎮められていた霊峰アマツが、その火山としての荒々しさを取り戻したのだ。
数千年ぶりに溢れ出す溶岩と火砕流、そして『棘霞』が都市を、人々を呑みこんでいく。
やがて霊峰天舞アマツカグラと呼ばれた都市国家の全ては、溶岩の底に沈みゆくのだった──。