これは、未来に起こりうる定められた光景なのか……!?
ニニ、ギ、ニニ、ギ、ニニギアメツチ……!
「くっ、完全復活したとはいえ、私ひとりの力では……!」
水神アクエリオは、かつてマスカレイドの王ゼルデギロスさえも封じた「清浄なる大瀑布」を、深海より来たる邇邇藝天地我尊(ニニギアメツチノミコト)に浴びせ続けた。
聖なる水の奔流は、確かに、邇邇藝天地我尊の力を大きく弱めはした。
まるで「世界そのもの」であるかの如き絶対存在を、辛うじて倒す望みがある程度の「絶望」まで、弱体化することはできた。
しかし、それだけでは足りない。敵はまだ、圧倒的な絶望のままなのだ。
ニニ、ギ、ニニ、ギ、ニニギアメツチ……!
決定的な打撃を浴びせる事のできないまま時間が過ぎ……。
遂に、邇邇藝天地我尊は拮抗を打ち破った。
聖なる水を己のものとした邇邇藝天地我尊は、その奔流を吸収し、見る見る内に肥大化してゆく。
やがて、かつて水神祭都アクエリオのあった場所は、深海まで続く、巨大な湖と化すのであった。