<オープニング>
●進軍マスカレイド「遂に、大地の扉が開かれた。我らが姫の為、そして、大魔女様のおんため、奈落にいる全てのマスカレイドよ、進軍せよ!」
剣狼剣聖ガロウマル、鋼語りのジュウゾウに後を託された、軍配者九重兵部が、軍配を振り上げると、彫像のように動きを止めていたマスカレイドの軍勢が、息を吹き返した。
その軍配に従うように、ピュアリィマスカレイドが、バルバマスカレイドが、ゴーレム型のマスカレイドが、蛮族のマスカレイドが、メイガス型のマスカレイドが、影のような不気味なマスカレイドが、人間型のマスカレイドが、一斉に動き出したのだ。
それは、奈落の地を揺るがす大軍勢である。
その軍勢は、一路、大地の扉へと動き出したのだ。
「こいつは壮観だな」
「これが、奈落のマスカレイド全軍か。まともに戦ったら勝てるかどうか……」
その様子を確認した空追い・ヴフマル(c00536)は、同じく見張りに立っていた魔法剣士・クロービス(c04133)と顔を見合わせる。
2人が見張りから戻ると、奈落を揺るがす地響きに気づいた仲間達が出迎えた。
「遂に始まったのですね」
煌雪華・ユキノ(c17681)は、食材の調理の手を止めて2人に確認する。
奈落での生活が思ったよりも長引いた為、だいぶ所帯じみてしまったが、それもこれまでだろう。
「やっと、戦いになるのですわね」
荒野での生活で少しだけ荒れてしまった白磁の肌をなでつつ、、少女の原形・アリス(c02062)が、うーんと伸びをする。
奈落に来てから、マスカレイドに気付かれないようにと逃げ隠れしていた事で、かなり鬱憤がたまっていたらしい。
長い逃亡生活でくすんでいた美しい金髪にも、心なしか艶が生まれたようだ。
「まだ焦る時間じゃないだろ。まずは、敵の様子を良く観察するべきだ。なにしろ、マスカレイドキャンセラーは周囲にマスカレイドがいると使用できないのだから」
飴色鼠・キルフェ(c05383)は、そう言うと、惰眠を貪っていた配下のピュアリィを叩き起こすと、早速調査に向かわせた。
こういう時、空を飛べるのは便利である。
「気をつけて行ってきてくださいね」
嫌そうな顔で隠れ場所から飛び立とうとするピュアリィに、空追い鳥・レラ(c05439)が声をかける。
荒れ地での生活で、仲間のピュアリィと最も仲良くなったのは、彼女だったかもしれない。
「うん、任せて。言ってくるよっ! レラ」
そして、ピュアリィは飛び立った。
●大地の扉が開く時
そして、一刻ほど後、ピュアリィは情報を携えて戻ってきたのを待って、エンドブレイカー達は、今後の行動を話しあうこととした。
「俺達のやるべき事は決まっている。此華咲夜若津姫を救うことだ」
そう話し合いの口火を切ったのは、日緋色金・スゥイン(c12448)。
自分達がなぜ、この場所に来たか。
それを考えれば、やるべきことは自明だろう。
「奈落転送陣があれば、大地の扉に戻れる。つまり、エンドブレイカーの軍勢と合流することも可能ではあるが……」
ヴフマルも、可能性として口に出すが、ここでそれを行う理由は見いだせなかった。
「いまこそ、私のマスカレイドキャンセラーを使う時でしょう。私達ならきっと出来るはずです」
こもれびはんたー・リシリア(c12930)も祈るように手を合わせてそう言う。
だが……。
「問題は、姫の近衛らしい巫女のマスカレイドの存在ですね」
レラは、頑張って戻ってきたピュアリィの頭を撫ぜてあげながら言う。
此華咲夜若津姫は単体で、他の全てのマスカレイドをあわせたよりも強い力を持っている。
そのため、姫に護衛などはついていないし、マスカレイドの指揮官が全軍進軍といえば、ほぼ全軍が大地の扉へと進軍していくのだ。
が、例外はいる。
此華咲夜若津姫の世話をする7体の巫女マスカレイドは、いついかなる時も、姫の側を離れないのだそうだ。
「マスカレイドが7体か、少し厄介だな」
キルフェは面倒そうにそう言うが、その面倒から逃げるつもりは無いのだろう。
「全て倒す。幸い、奴らは一箇所に固まっているわけでは無い。勝機はある」
巫女マスカレイドは、右手側に1体、左手側に1体、右肩付近に1体、左肩付近に1体、首周辺に3体と別れており、各個撃破も可能となっている。
もちろん、戦いとなれば、敵も合流するだろうが、先手の優位を得る事はできるだろう。
「わたくし達は、マスカレイドを全て倒さねばなりません。一体でも残せば、マスカレイドキャンセラーが使えませんからね」
ユキノが、地面に図を書いて皆に見せる。
二手に判れて左右の敵を同時に襲うか、戦力を集中して片側から順番に倒していくかの、どちらかとなると思うが……。
「全員で動いた方が安全ではあります。でも、時間を掛けて、此華咲夜若津姫が動き出して戦争に加わってしまえば、マスカレイドキャンセラーを使う隙は無くなってしまいます」
姫がいつ動き出すかはわからないが、あまり時間をかけない方が良いと、リシリアが意見を言う。
これに対して、ヴフマルは、
「だが、分散して敗北すれば、意味が無い。リシリアが倒されれば、全ての望みが潰えるのだから」
という懸念点を伝えた。
どちらの作戦を取るか、そして、此華咲夜若津姫に近づくまでの作戦、戦闘での戦術……時間は無かったが、考えねばいけない事は山積しているようだった。
<行動選択肢解説>
(1)戦力を集中して、マスカレイドを撃破する
戦力を集中してマスカレイドを撃破します。戦闘は有利に進める事ができますが、全てのマスカレイドを撃破するのに時間がかかってしまうのが欠点です。
時間を掛け過ぎ、此華咲夜若津姫が戦闘に加わってしまうと、マスカレイドキャンセラーを使用するチャンスは失われます。
(ピュアリィは戦力的には心もとないですが、どうしてもというならば同行してくれます)
(2)二手に別れて、マスカレイドを撃破する
二手に別れて、マスカレイドを撃破します。戦力が分散しますが、成功すれば最速での撃破が可能になるでしょう。
どういう組分にするかも重要となります。
(ピュアリィは戦力的には心もとないですが、どうしてもというならば、レラと一緒に行動します)
(3)エンドブレイカー本隊に合流する
奈落転送陣を利用してエンドブレイカー本隊に合流します。今までの奈落での活動の意味が無くなってしまいますが、勝てないと思ったら逃げることも恥では無いかもしれません。
<プレイング締切>
9月28日(日)朝8時30分まで!