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大魔女決戦:大魔女の城へ!

 大魔女スリーピング・ビューティの支配する滅びの大地。
 「黒きエンドブレイカー」を生み出していた森を突破したエンドブレイカー達は、大魔女の城を目前としていた。
 既に城の守りを固めるべき『大空を覆うもの』は滅びており、周辺にも敵の姿は見当たらない。

 では、天空に浮かぶ大魔女の城に、いかにして乗り込めば良いのか。
 その答えを、エンドブレイカー達は既に得ていた。
 大魔女の城には、6つの『鍵』がある。
 これらの『鍵』は所有権を持つ者の魂に宿り、その6つの『鍵』を魂に宿した者全員が城の周囲に集まる時、大魔女の城への道は開かれるのだ。

 かつての勇者達の時代、この『鍵』を最後に手にしたのは伝説の勇者ラズワルドをはじめとする、6人の勇者達だった。
 そして今、『鍵』の所有権は、六勇者を打倒したエンドブレイカー達に移った。
 ギガンティアとして現出した6つの『鍵』に、最も強く己の足跡を刻んだ者達。
 その6人こそが、『鍵』の所有者として、大魔女の城への道を拓くのだ。

 今こそ大魔女スリーピング・ビューティの城へと乗り込み、遥か遠い過去から続いた戦いに決着をつける。
 決意を胸に6人のエンドブレイカー達は、先陣を切って大魔女の城へと向かうのだった。

<説明&注意事項>

 このフォームは、2015年3月3日時点での『鍵』の所有者である下記の6名のエンドブレイカー専用です。
(他のエンドブレイカーもプレイングの送信はできますが、参照されません)

 なお『鍵』が役目を果たすのに伴い、ギガンティア制覇回数による所有権とギガンティアタイトルの変動は終了しました。

 プレイングには「大魔女との決戦に向けた意気込み」や「特別に行いたい行動」等があれば記入して下さい。なお、プレイングが送信されなかった場合も、現地には居るものとして扱われます。


 プレイングの締切は、3月5日(木)朝8時30分です。
●失われた物語
 赤く染まる空と荒廃した大地。
 マスカレイドに支配された滅びの大地には、その二つが無尽蔵に広がっている。
 大魔女スリーピング・ビューティの城へと攻め込まんとするエンドブレイカー達の姿は、その荒野にあった。

「いよいよ大詰めだな」
「此処まで来るのに随分かかったのう」
 銀狼の暴君・ジョン(c02337)の言葉を受け、マスター番長・ガナッシュ(c02203)は、待ち切れぬと言った様子でナイトランスの穂先をドリルに変えて回している。
 その意気軒昂ぶりを頼もしく感じながら、霧氷荊の冠・マウザー(c11248)は荒野を見渡した。
 今、この荒野は無人ではない。
 ラッドシティの『世界の瞳』から、滅びの大地に接岸した『終焉に抗う勇士号』へと転移したエンドブレイカー達が、次々と城の近くへと集まりキャンプ地を形成していた。
 これが大魔女との決戦となることを予感しているのだろう。
「それにしても、滅びの大地の空が赤いのはどうしてなのでしょうね」
 空を見上げる彼女の背に、不意に声がかかった。
『大魔女が己の支配領域を示すために、魔竜『大空を覆うもの』に命じて行わせた事です。
 他の種族に、より大きな絶望を与え、マスカレイドの繁殖を促すためにと。
 一時は、より広い領域が赤く染め上げられていたのです』
「イヴ・ザ・プリマビスタ」
 振り返るマウザーに、赤い少女の姿をした創世神イヴ・ザ・プリマビスタは軽く顎を引いて応じた。
「他の土地はいいのかい?」
『ええ。とはいえ、大魔女を直接相手にするに際して私に出来ることは少ないでしょうが……』
 荒野の山羊使い・セヴェルス(c00064)の問いに、赤い少女はそう答えた。
 大魔女とエンドブレイカーとの戦いは、世界の運命を決めると言って良い。
 世界を創造した存在として、その様子が気になるのは当然であっただろう。
「まあ、ちょうど良かった。一つ聞きたいことがあったんだ」
 セヴェルスは、イヴに気になっていたことを尋ねる。
「『七勇者の物語』の第二節について、もし知っていたら教えてくれないか」
『今となっては、あまり知る必要もない情報かも知れませんが……良いでしょう』
七勇者の物語:第二節
 終焉を識る者は意志を失う。希望を失う。
 失った者に終焉を救うことはできない。
 終焉を識る力を授けたのはイヴ・ザ・プリマビスタ。
 与えることで、彼女は全てを奪い去ったのだ。

 イヴの語った内容に、セヴェルスはいぶかしげに眼を細めた。
「これは……?」
『私が大魔女の配下として行った事ですね。抵抗する者を排除するために……』
 悔いるように言うイヴ。それに解説を加えたのは、白銀の鎧をまとった伝説の勇者ラズワルドだ。
「戒律騎士ジェルベーゼ達によってイヴ・ザ・プリマビスタが五将軍と化し、避けられぬ終焉を人類の強者たちに伝えたことは分かっていたからな」
「ラズワルド」
 四百の勇者達のリーダーであり、『識る力』だけを持つ一人であったラズワルドは、青い目で述懐する。
「非常に効果的だったぞ。抵抗が無駄だと知って、抵抗をしようと考えられる者は少ない」
 ラズワルドもまた、エンドブレイカーの始祖、アウィンに説得されるまで、他ならぬ希望を失った者の一人であっただけに、その言葉は重い。
 世界を周り、集められたのは僅かに四百人。それが当時の勇者達の全てであったのだ。
「なら、第二節は何故伝わらなくなったんだ?」
『私の分身と接触し、敵でないことを知ったアウィンの子孫達が自ら削ったようです』
 ジョンの問いに、イヴはそう答える。
 当初、ステンドグラスと共に物語を遺したアウィンの子孫達は、イヴ・ザ・プリマビスタが『撃破されていない五将軍』であり、倒すべき存在であると考えていたようだ。
 その一部は事実ではあったのだが、後にイヴが潜在的な味方であることが判明するにおよび、第二節はステンドグラスを広めた者達自身の手で削除されるに至った。
『仮に、早期に何らかの手段で第二節の内容を知っていたなら、あなた達の旅の道程や目的も、大きく変わっていたかもしれませんね』
「エリクシルぐらいしか知る手段も無い気もするがね……」
 もし『破壊する力』と『識る力』が別物であることを知らないうちに第二節の内容を知っていたら、イヴ・ザ・プリマビスタを探す旅になったかも知れないとセヴェルスは思う。
「参考になったよ、ありがとう」
 長年の謎が解け、セヴェルスは肩の荷が一つ下りたような心持でそう応じた。
 アルトゥールが、ふと以前に覚えた疑問をイヴに問う。
「ところで、星霊とはどのような存在なのでしょうか?」
『世界の機能をあるがままに保つ力を、顕現させた存在です。人類が星霊建築を編み出し、あなたのようにその力を強く引き出すことが出来る術士が世に出るにまで至ったのは、『此華咲夜若津姫』の望んだ人類の強さの一つと言えるでしょう」
 人類の魔女『此華咲夜若津姫』が武器として作り、エルフの魔女に与えた星霊リヴァイアサン、勇者達が召喚した水の大星霊アクエリオのように、強い力を持つものもいるため、そちらに目が行きがちではあるが、
『例え見えずとも星霊は常に生命と、世界と共にあり、力を働かせているのです』
 イヴの言葉に、星霊と共に歩んで来たアルトゥールは静かに頷いた。

●大魔女の城へ
 聞くべきことを聞き終えると、あとは大魔女の城へ向かうだけだ。
 荒野を歩きながら、セヴェルスはこれまでの旅を思い返していた。
「アクスヘイムから考えるとこんなに長い旅になるとはね。
「ですが、実に有意義でした。準備万端すぎて、楽しくなって参りましたね」
 黒刃使いガンダッタの『鍵』を受け継ぐアルトゥールは、かの慎重派の勇者にならうように言った。
 エンドブレイカー達は既に大魔女スリーピング・ビューティの持つ戦力や武器を数多く打ち砕き、あるいは味方としている。そして、何よりも重要な大魔女のエンドテイカー能力を破る、エンドブレイカー能力が彼らにはある。
「古の六勇者でも成し得なかった事、それが今、私達の目前にある。過去の彼等が持たなかった力を私達は持ってるンだ」
 伝説の勇者ラズワルドの『鍵』を受け継いだ血華舞踏・エシラ(c00097)の目蓋の裏に過ぎるのは、旅の最中に目にして来た幾つもの風景だ。
 この世界は美しい、と改めて心に刻みながら、エシラは笑って言う。
「さ、此処は一つ、私達の命を賭けてみないかい? まァ、でも皆で一緒に帰ろうねェ。賭すのと犠牲にするのは別物だものさ」
「そうですね。犠牲はこれ以上必要ない……」
 若草の乙女アリッサム、そして、山斬烈槍ランスブルグで遭遇したその影武者ライラリックの姿を思い出しながら、マウザーは歩みを進める。
「彼女達はいなくなってしまった、しかし私は覚えています。託された希望も全て。ならばやらねばならないでしょう」
 全生命の敵に対して、立ち向かうのは人類とエルフ、アウィンの遺したエンドブレイカーの力を受け継ぐことが出来た僅か二種族だけだ。その事に僅かな寂しさを感じながらも、マウザーは赤い空を見た。
「強い意志こそが生命の素晴らしさ。蒼い空を取り戻すために……決着を、付けましょう」
「おう、六勇者達の想いも乗せて、このわしのドリルで大魔女に引導を渡してやるぞい!」
 エシラに応えたガナッシュのランスが唸る。アルトゥールが警戒を促すように告げる。
「最後まで気を抜かず、夢に囚われぬ様気を付けて参りましょう。最後の最後まで見苦しく足掻き続るだなんて私らしくはありませんが、細君が愛する世界を護る為なら足掻きましょう」
「賭けだというなら、ここにある手札で精一杯やるだけだ。東方賢者マギラント程にはできないかもしれないがね」
 拾えたもの、拾えなかったもの。
 それらを思いながら、セヴェルスは言う。
「時は戻せないからこそ残酷に鮮やかに輝く……。絶望という名の種は実らない。勇者達が託した希望の末を、ここに示してやろう」
「そして、未来の希望を繋ぎましょう」
「それじゃ、始めようかッ!」
 エシラが歌うように唱えるとシールドスピアの穂先を天に向ける
「舞えよ舞々い。歌えよ歌々い。彼の地に至る英雄達へ捧げるは、汝等の絶望の宴也ッ!」
 その声に応えるように空から伸びて来るのは、長き光の階段だ。
 螺旋を描く階段は、エンドブレイカー達を待ち受けるように地面に降り立った。
 6人は、誰からともなく足並みを揃え、その階段を駆け登っていく。
 待機していたエンドブレイカー達もまた、その後に続いた。
 階段の果てに待ち受けていた大魔女の城。その城門へと、エンドブレイカー達が次々に手をかける。
「我等が名はエンドブレイカー、いざを以て此処に開門すッ!!」
 美麗ながらも冷たき城の城門が押し開かれていく。
(「ガロウマル……お前さんの無念を代わりに晴らそうじゃないか。同じ狼の名を冠する者として力を貸してくれ」)
 ジョンは自らが受け継いだ『鍵』を宿していた勇者に心の中で呼び掛けると、城の内へと足を踏み入れた。

●遺失魔術『ギガンティア』
 美麗なる装飾と無数の赤い薔薇の花に彩られ、大魔女の城はエンドブレイカー達を受け容れた。
 だが、その内は暗く静かで、敵の気配すら無い。
 城の守りを固めるべきイマージュマスカレイド達が、過去の戦いでエンドブレイカー達によって討たれているとはいえ、その静けさはいかにも不自然さを感じさせた。
「フン、どういうつもりじゃ?」
 ガナッシュが鼻を鳴らしたとき、城の通路に甲高い笑い声が鳴り響く。
 それが誰のものであるか、もはや考えるまでもない。
「大魔女スリーピング・ビューティ!」
 哄笑が止むと、大魔女の声は歌うように侵入者たるエンドブレイカー達へと語り掛ける。

「数万年に渡り準備してきた全てが、私の手から溢れ、露と消え去った」
「五将軍、六勇者、マスカレイド……。どれ一つとっても、世界を手にするに十分な力であったというのに」
「だが、私は諦める事は無い」
「かつて、私は世界の全てを敵として、私一人の力のみで戦いを挑んだのだ」
「ならば、最後に頼るのは私の力のみ」
「お前たちまとめて、全て私が相手にしてくれよう」
「遺失魔術『ギガンティア』。咲き誇る薔薇の花弁の如く、我が力は幾重にも重なりあう……。そして、全ての敵を葬り去る力を……」

 声が止むと共に、通路の奥に大魔女スリーピング・ビューティの姿が現れる。
 だが、それを追って走り出すエンドブレイカー達の前に、次々と『大魔女スリーピング・ビューティ』が姿を現す。
「まさか、あれが遺失魔術『ギガンティア』……!?」
「ラズワルド、イブと一緒に城の外へ。君達がエンドテイカー能力の対象にされたら大変なことになる」
「ここに来て、再び無力とはな……。済まんが、この場はお前達に任せる!」
 悔しげに言って、ラズワルドはイヴを伴い一時城の外へと退く。
 浮足立つかに思えた状況。しかし、その不安を払しょくするように、ジョンは声を張り上げる。
「狼狽えるな! こういう時にどうすればいいか、俺達はとっくに分かってんだろうが!」
 大剣を振りかざし、ジョンは眼前の大魔女の一体を睨みつける。
「行くぞ野郎共! 勝鬨をあげろ! 俺達の力を信じろ!
 この世界にもうくだらねぇエンディングはいらねぇ!
 俺達こそ悲劇のエンディングを終わらせる者、エンドブレイカーだ!!
 悪しき終焉を生み出す大魔女スリーピング・ビューティ、全部まとめて打ち砕いてやれ!」

 応ずる声は怒涛の如く。
 ──そして、大魔女との決戦は幕を開ける!

 旅人の酒場
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