ステータス画面

烏哭・ヴィータ

「いわば、夜の腸(はらわた)といったところですね……」
 マスターデモン・クトラがヴィータ達を誘った、謎の異空間。
 そこは、マスターデモン達の本拠地であった。

 異空間には、クトラの他に7体のマスターデモン。
 そして、クトラの誘いに同意した、総勢『78人』ものエンドブレイカー。
 いずれも皆、新たなるマスターデモンとなるべく集いし、『世界革命』の賛同者であった。

「あなたと、ここにいる7人で、マスターデモンは全部ですか?」
「そうだ。伝説の時代より今日に至るまでの様々な戦いで、マスターデモンはここまで減ったらしい」
 返答するクトラと、その他の恐るべき威圧を放つマスターデモン達を前に、ヴィータは呟いた。

「気づいているのでしょう、クトラ?
 このマスターデモン達は、『革命』を謳うに値しない……!」

 ヴィータの全身から、無数の棘(ソーン)が飛び出す!
 それは最も近くにいたマスターデモンひとりを刺し貫き、さらに次なる獲物を狙う。
 突如として、マスターデモン達とヴィータの戦いが勃発したのだ!

 戦いの光景は凄絶を極めた。
 クトラは行動を起こそうとするが、何時の間にか傍らに居たアルベイによって制される。
 彼は、クトラの忠実な将となる事を、己に誓ったのだ。
 制されたクトラは、激しい戦いに眉ひとつ動かさない他のエンドブレイカー達を見て、漸く気付く。
「なるほど、確かに、この戦いの結末は『視えて』いる……!」

 そして……。
「なんと、あなたが最初のマスターデモンでしたか。古きものが強いとは、限らないものなのですね」
 ヴィータによって7体のマスターデモンは全て殺害され、彼の体内へと『捕食』された。

「姿形は、この戦いが終わったらゆっくりと調整することにしましょう」
 今やヴィータの肉体は、外套等の僅かな特徴を残し、まるで別物の異形へと変貌していた。
 その力の高まりはクトラをも凌駕している。史上最強のマスターデモンが誕生したのだ。
 他のエンドブレイカー達も、まるで生まれた時からの宿命であったかのように、誰に教わるでもなく次々とマスターデモンへと変貌してゆく。

「これでようやく五分。さあ、『世界革命』を始めましょう……」

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