ステータス画面

ジャグランツとの邂逅

<オープニング>

(「ジャグランツっ! だけど、様子がいつもと違う……?」)
 アックスソードの城塞騎士・アーヴィ(c06680)は、アックスソード『アスタロト』を油断無く構えて、ジャグランツに近づく事にしました。

 ジャグランツに近づくと、廃墟に隠れたジャグランツが一体だけで、周囲に他のジャグランツの姿が無い事がわかりました。
 アーヴィは少し安心すると、更に近づこうとします。
 しかし、そのジャグランツは、武器を構えたアーヴィが近づいても攻撃態勢を取ることはありませんでした。

「マテ……オレハ、タタカワナイ。ハナシ……キイテクレ」

 ジャガーの顔に不器用な笑顔を表情を作り、ジャグランツが話しかけてきます。
「オマエハ、アノ、センシタチノナカマナノダロ? ナラバ、ナカマヲタスケテホシイ」
 そのジャグランツの言葉と態度に、アーヴィは驚きを隠せませんでした。
(「まさか……、人の心を持ったジャグランツなの?」)

「コノママデハ、センソウニナル。ソシテ、タクサンガシヌ……。ハナシ、キイテクレ」

 このジャグランツの言葉を聞いたアーヴィは……。



<プレイングフォーム>

●行動選択肢

 以下から、アックスソードの城塞騎士・アーヴィ(c06680)が取る行動を選択して下さい。
 (1) ジャグランツを信用して話を聞いてみる
 (2) ジャグランツを信用する事はできない攻撃を仕掛けて撃退する
 (3) 重要な情報を知っているようだ。ジャグランツを捕縛して酒場に連れ帰る

●プレイング(600文字)

 選択した行動に関する詳細な内容を記載して下さい。
 プレイング内容によって結果は変化しますが、選択した行動の内容に反するプレイングは無効になります。

 このフォームは、4月23日(金)朝8時30分に消滅します。
 それまでにプレイングの送信が無かった場合は、危険を感じて大声をあげるか、逃げ出した(メールを破棄した)ものとして、扱います。

<選ばれた行動選択肢>

 (3)重要な情報を知っているようだ。ジャグランツを捕縛して酒場に連れ帰る

<プレイング>

プレイングは1週間だけ公開されます。

アックスソードの城塞騎士・アーヴィ(c06680)

相対したジャグランツの挙動に注意を払うことを最優先
逃走あるいは同行拒否された場合、抑え込み拘束・連行する覚悟をしておく
危険を感じたら適宜、防御・逃走行動をとる。この際味方が付近に居ないか確認

以下、このジャグランツを『相手』と便宜します

◆邂逅
まず一目、相手の仮面の有無を確認。暫く様子を伺う
一区切りしたら目を見て話を切り出す。可能ならEDの有無も確認
有る場合は登場者・場所・時間に特に注意
時間が近い場合は迅速に行動、危険な場所には近づかない事を意識する

互いの立場を念押し
仲間と共に力を貸すかどうかは自分の一存では決められない旨
また、仲間を危険に晒したくない気持ちは同じと意向を伝える
『身体の自由を奪い酒場へ同行する事を条件に、仲間と共に話を伺う』と提案
それでも構わないか、意志の強さを問う

◆帰路
相手の両手を背に回し、武器を覆う布を幾重か束ねてきつく縛る
大きな布等を被せ、視界を奪うと同時にジャグランツを連れている事をぼかす
他のジャグランツには見つからないよう注意

◆酒場
到着後はエンドブレイカー達の誤解を解く為、必要であれば経緯を話す
決心して、それでもどこかたどたどしく

話を聞く事を納得して貰えたら、相手に発言を促す
機会があれば『主にスラムが襲われる理由』を質問

「あの……お名前、まだ伺っていませんでした…」

一段落するまでは信用に応える為にも成行を見守る
最後に、手荒な真似をした事を詫び頭を深く下げる

<リプレイ>


 アーヴィは、目の前のジャグランツをじっと見つめた。相変わらずのぎこちない表情は、笑みを保とうとしているのだろう。その体には、マスカレイドの仮面は見受けられない。
(「マスカレイドでは、ない……と思うべきでしょうか」)
 それでも、完全に安心することは出来ないとアーヴィは思う。
 マスカレイドは力を振るっていない間、仮面を隠すことが出来るし、そもそもこうして声を掛けて来た事、それ自体がなんらかの罠であるかも知れないからだ。
 逃げ出される覚悟もしつつ、アーヴィは武器を構えたまま、さらに一歩を踏み込んだ。
 ジャグランツの瞳と、正面から向かい合う。
 だが、そのジャガーの瞳から、エンディングを読み取る事は出来なかった。
 重大な変化を迎えないのか……あるいは、変化を迎えるのが『近過ぎて見えない』のか。
 いずれにせよ、こうしてエンドブレイカーであるアーヴィと関わったことで、彼の運命は変わってしまった可能性がある。
 今のアーヴィに、彼の未来をうかがい知ることは出来なかった。

 アーヴィは、緊張から一つ深呼吸をすると口を開いた。
「あなたはバルバで、わたしは人間です……。あなたに協力するかどうか、わたしだけで決めることは出来ません。でも……仲間を危険に晒したくない気持ちは、あなたと同じです」
「ソウカ、ナラ……!」
 一瞬、ジャグランツの顔がほころんだ。だが、アーヴィの次の言葉に、その表情は掻き消える。
「ですから……一時、あなたの自由を奪わせてもらって、街の酒場まで連れて行きます。あなたの話は、酒場で仲間と一緒に聞きましょう」
「ニンゲンノ、マチヘ?」
 ジャグランツの意志の強さを問うつもりで言ったアーヴィの言葉。
 だが、彼女は意識していなかった。
 眼前のジャグランツにとって、彼女の反応は『人間がジャグランツを信用するかの目安である』ということを。
 そして、『人間の街にバルバが連れて行かれたら、普通は殺される』ことを。

 アーヴィが警戒を解いていないのを見て取り、ジャグランツは選ぶ相手を間違えたと判断していた。
 彼が接触しようとしたのは、『自分の話を聞いてくれる人間』なのだから。
 アーヴィが選ばれたのは、彼女の未来への予測が生んだ偶然に過ぎない。
 ジャグランツの側に、彼女にこだわる理由は無かった。
「コノバデハ、ハナシモシナイ、カ……」
 獣の顎が微かな牙鳴りを立てる。
 次の瞬間、ジャグランツは地面を蹴ると、アーヴィから距離を取っていた。
「逃げるつもりですか!?」
 逃げる気なら、押さえ込む。覚悟を決めるアーヴィに、ジャグランツは一言を放つと背を向けた。
「……ザンネン。ベツノ、ハナシ、キイテクレルニンゲン、サガス」
 しなやかな獣の筋肉を躍動させてジャグランツは走り去っていく。
 静けさを取り戻した廃墟に、アーヴィは一人立ち尽くした……。
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