ステータス画面

 君は深い傷を負ったまま、ひとり戦場に取り残された。
 幸い、すぐに身を隠すことに成功したのだが……。

 君が身を隠している間にも、街に掛けられた炎の勢いはますます激しくなり、全くおさまる気配も無い。
 確かに、エンドブレイカー達は街に火をかけた。しかしそれがここまで大規模に燃え上がるものだろうか。
 君の疑問は、すぐに解明されることなる。

 君が隠れる物陰からほど近くに、闇の中から染み出るかの如く、異形の男が現れた。漆黒の鎧に、マスカレイドを思わせる仮面。そして、手には不気味に歪んだ形状の剣……。

 その刹那、異形は口より火球を放つ!
 火球はたちまちのうちに付近の建物に命中し、炎上した建物の中にいた無法者達が焼き殺されてゆく。炎に包まれながらも建物を飛び出したひとりの男が漆黒の異形を目撃し、叫ぶ。
「あなたは盗賊王ゴエティア! なぜこのような……」

 全てを語り終えることもできず、哀れなその男は、漆黒の異形……盗賊王ゴエティアの剣によって、脳天から袈裟懸けに斬り捨てられてしまった。

「おっと斬っちゃった。ゴメンゴメン〜〜ってもう死んでるし!」
「かまわん、死んだと言うことは、役立たずと言う事だ」
「超クール!! でもオレ街焼き払うのはいい考えと思うぜ〜」
「『エリクシル』の発芽は近づいている。後は残り数割の無能からいくらかがマスカレイド化すれば、それで十分だ」
「ですよね〜。そろそろ終盤だから、稼げる分はがめつく稼いどかんとっすよね〜」
 まるで2人で会話をしているかのように、謎の独り言をつぶやくゴエティア。この男は一体、何者なのだろうか……。

 そしてまさか、この燃えさかる業火の真犯人はこの男だというのだろうか?
 マスカレイドといえど、まさか自らの街を自らの手で焼き払うとは!
 
 しかし、確実に言えるのは、このままここに留まっていては危険だということだ。ゴエティアの意図通りかどうか、生き延びた悪人達の何割かは、急激にマスカレイド化をはじめている。今の君に勝てる目算は全く無い。
 君は傷つく体を引きずってこの場を離れ、炎に包まれた街からの脱出を図るのであった……。
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