〜ラビシャン王宮:女王の間〜
「ドゥフフ、アルゴラ殿……」
「まぁ、ベリオルズさんったら……」
手にした異形のハンマーに向かって呟くラビシャンの女王・アルゴラに対し、マスカレイドラビシャンの近衛隊長が口を開く。
「女王さま、いい男、いっぱい捕まえてきたのだ! 今度こそ、女王さまも絶対満足するぞ!」
「ショーティ……何度言えば分かるのですか? 汚い男など、私には必要ありません。そいつらは切り刻んで夕食にでもしなさい」
「……っでもでも、そんなんじゃ子供ができないぞ!」
その時、会話に割ってはいるように、アルゴラの手にしたハンマーから「声」が発せられる。
「ドゥフフ、アルゴラ殿には拙者がおりますから失敬、ドゥフフ……」
「うっさいエロトンカチ!」
「ショーティ殿は相変わらず手厳しい。小ぶりなのに。ドゥフフ」
「なっ、なんだとこの……!」
「おやめなさいショーティ。確かにベリオルズさんはどうしようもない変態ブサイクエロトンカチですが、私達に素晴らしいお力をくれた、大切な方なのですよ?」
「ドゥフフ、アルゴラ殿実質ノーフォロー、ドゥフフ」
「うーっ、こんなにいい男を揃えたのに、悔しいのだ!」
「ショーティ、積極的なあなたは素敵ですよ。男は必要ありませんが、その調子でどんどんエルフ達から略奪し、殺戮を続けなさい。期待しています」