<リプレイ>
ソルレオン領の北西に所在するフォーナ神殿では、雪のフォーナ感謝祭が行われていた。
そのメイン会場の1つである女神の広間の一角には、即席の質問スペースが設けられている。
女神フォーナの元に訪れたのは、ドラゴンロード・碎輝(さいき)との決戦の際に生じた天空の裂け目と『黒い太陽』について、彼女の知識を借りたいという冒険者達だ。
賑わう感謝祭の会場の中、この場所だけがどこか緊張したような空気を帯びていた。
その空気を和らげるように、紫水銀・ミシャ(a33246)が笑顔で花束を差し出す。
「フォーナさま、こちらをどうぞ。ちょうど今の時期のお花なんですよ♪」
「まぁ、ありがとうございます」
ヘレボルスの白い花束を、家族と夜の女神・フォーナは微笑みを浮かべて受け取った。
美しい花を見守る白雲・フラレ(a42669)が腕を振るったケーキやワイルドファーマー・ビュネル(a73520)の淹れた紅茶がテーブルに並び、女神フォーナへの行き過ぎた失礼が無いよう、森淑気泉の水仕・アキュティリス(a28724)が六角メガネを光らせている。
「……さて、それではそろそろ皆さんの質問を伺いたいと思います」
フォーナの落ち着いた言葉に、まずは誠実なす飛翔・パフィシェ(a17629)が口を開いた。
「いつも絆を憶えて下さり有難うございます。空の裂け目から現れた、あの『黒い太陽』について…少しでも思い当たる事がありましたら、教えて下さいませ」
「……そもそも、アレは何なんだ……?」
愛煙家・ビリー(a03028)が端的に問う。
不破の双角・ゼオル(a18693)は一礼して口を開く。
「私はコルドフリードの遺跡の中でこの世界の歴史を聞きました。古代ヒト族はドラゴンズゲートより『虚無』の力を得てドラゴンになったと……。これは自分の勘でしかないのですが、あの黒い太陽はその虚無と何か関係があるのでは?」
ドラゴン界と同様の不吉さを感じていた白薔薇の紋章術士・ベルローズ(a64429)も、静かにゼオルの言葉に賛意を示す。
女神フォーナは彼らの言葉を聞き届けると、言葉を紡いだ。
「はい、ゼオルさんの予想通り、天空の裂け目から見える世界は『虚無』。大神ザウスがドラゴン達を放逐した、この世界の外側です」
フォーナが、少し蒼ざめたようにも見えた。地獄についてもそうだが、禁忌について語るのは、神に苦痛を伴うものなのだろうか。
千篇挽歌・テラ(a48288)が問う。
「そもそも、虚無とは一体何なのですか? この世界の外には、何があるのでしょう?」
フォーナは少しの沈思の後に口を開いた。
「ザウスが、ドラゴンを虚無に放逐したことはご存知ですね?」
「全ての生物が死に絶える場所だと……」
黒の瞬英・カーヴァルト(a25912)が言うのに、フォーナは一つ頷きを返す。
そして、世界を守護し続けて来た大神ザウスが死に、その力が失われたのを契機に、まずはドラゴンロード・ヴァラケウスが世界に帰還した。
それから始まったドラゴン戦争については、冒険者の誰もが知るところだ。
「私達神は、ドラゴン達を虚無に放逐すれば、それで終わりと考えていました。ワイルドファイアでも無い限り、虚無に存在できるものなど有り得ない、と。しかし、彼等は生き延びていました。おそらく、ドラゴンロードを包む『ドラゴン界』に護られる事によって、虚無に生存する事ができたのでしょう。……ドラゴンロードやドラゴン界の出現を、私達は想像すらできませんでした。それらは、私達の力を越える存在だからです」
虚無の・ディーラック(a02723)が尋ねる。
「では、あの『黒い太陽』はドラゴン界なのか?」
だとすれば、またも新たなドラゴンロードが出現した事になる。
ディーラックと同様の予測をしていた業の刻印・ヴァイス(a06493)や静寂に佇む影・ダナイ(a58243)も、フォーナに視線を注ぐ。
だが、フォーナの言葉は彼らの予測とは遥かにかけ離れたものだった。
「いいえ、あれはドラゴン界ではありません」
「あの黒い太陽は、グリモアです」
●グリモア
「グ、グリモアだって!?」
「あれがですか!?」
その場に集った冒険者達は思わず驚きの言葉を発していた。
驚くのも無理はない。冒険者の知るグリモアと、あの天空の裂け目から見える『黒い太陽』とでは、あまりにも違い過ぎる。
冒険者達が落ち着くのを待って、女神は改めて口を開いた。
「正確には、あのグリモアは『魔石のグリモア』。ヴァンダル一族によって奪われ、地獄を作り出したグリモアです」
「ヴァンダル一族……」
銀炎の黒獅子・アルセリアス(a61944)が呟く。
「ええ。今年の1月に、皆さんの代表の方との交流会を開いていただいた際、お話しましたね」
その言葉に、女神と交流会に参加した幾人かの旅団長達が頷く。
ヴァンダル一族は、『魔石のグリモア』を奪い、『地獄の封印』を解いた者達だ。
地獄は本来、神々が世界を創造する際に害となった存在を封じた、実体を持たない場所だった。
だが、ヴァンダル一族はその封印を解き、『魔石のグリモア』を用いて地獄に物質的なかたちを与えていった。冒険者達も知る現在の地獄は、そうして生まれたのだ。
神々は地獄を禁忌として触れる事を禁じたが、その一方で、『魔石のグリモア』を奪ったヴァンダル一族の成功を目の当たりにし、古代ヒト族は力を求めてグリモアの争奪戦を始める。
グリモアの争奪戦と力を求めての研究は進み、やがて古代ヒト族は最強の生命体『ドラゴン』への道を突き進んでいくこととなったのだ。
「ですが、その『魔石のグリモア』が何故虚無に……?」
アルセリアスの問いに、フォーナは首を横に振った。
「分かりません。私の知っている『魔石のグリモア』と、現在空に見える『黒い太陽』は、形すら異なっています。ですが……私達神は、人や物を見た目ではなく、その波動で識別します。ですから、分かるのです。形はかけ離れていても、あの次元の裂け目から見えるものが、『魔石のグリモア』であることが……」
フォーナの言葉が途切れるのを見計らい、アルセリアスは改めて問いを発する。
「では、ヴァンダル一族の『種族的な特徴』や『性格』について、ご存知でしたら教えていただけますか?」
「私の知る限り、いわゆる『種族的な特徴』というものは、ヴァンダル一族にはありませんでした。グリモアの力の影響によって種族が分かれるのは、私達がこの世界を去った後のことでしたから」
女神フォーナはそこで一度言葉を区切り、
「ですが、彼らはただひたすらに力を求め、そして得た力を己の我欲のために使う……そういう者達でした。もしも彼らの血や力を受け継ぐ者が現代にいるなら、それぞれが求めた力に応じた変化を遂げていることでしょう」
女神フォーナは、思い出すのも汚らわしいと言わんばかりの表情でそう答えた。
●虚無
あの黒い太陽が、『魔石のグリモア』である事と、その由来については分かった。
だが、まだ分からない事、知らねばならない事は数多い。
冷厳たる十三夜月・アキトキ(a06986)が確認の問いを発する。
「では、改めて確認しますが……黒い太陽……いや、『魔石のグリモア』があるのは、やはり外の世界なのですね? 見えているのは、世界の裂け目であると」
「はい、『魔石のグリモア』が見えている天空の裂け目は、虚無に繋がる次元の裂け目です」
次元の裂け目は、世界のどこからでも見えている事が確認されている。
ランドアース、ワイルドファイア、ホワイトガーデン、コルドフリード。
空の見えない地獄を除き、どんな場所にいようとも次元の裂け目は見えているのだ。
「では『最終撃滅砲』と『滅びの光』によって、どうして天空が裂けたのでしょうか?」
緑碧の戦巫女・ユキノ(a11073)の問いには、フォーナは困ったような表情を浮かべた。
「わかりません。本来、最終撃滅砲は、意志の力によって、『ザウスの雷』に近いものを擬似的に作り出す兵器です。今回の戦いのように凄まじい威力を放ったのは、見たことがありません。私達神にとって、皆さんのドラゴンウォリアーの力も、神の力を遥かに凌駕する、まったくの未知の領域です」
既にドラゴンウォリアーの力を得た冒険者達の力は、神の知識を遥かに越えているのだ。
「そのような膨大な力がふたつぶつかり合うような衝撃は、天地開闢より一度も発生したことはありませんでした。天空が裂けてしまったとしても、不思議ではありません」
前代未聞続きの事態には、神の知識も及ばないということだろう。
月夜を駆ける銀風・シュウ(a41964)が口を開く。
「邪竜導士は虚無の世界との接触によってアビリティを駆使する。それは炎……あの太陽の様な黒い炎の形態を取る事が多いのだけれど、あれが虚無の世界……あらゆる生物が死に絶える場所だとしたら、黒い太陽……『魔石のグリモア』がその元凶、なのかな?」
「いいえ、そうではないでしょう。元々虚無には力が満ちていましたから……。ですが、『魔石のグリモア』があのような形になったことには、虚無に満ちる力が関わっているのかも知れません」
「だとすると、太陽が2つになったからといって、気候には影響は無いのでしょうか?」
「いいえ、それはありません。雪の庭園にも、ちゃんと雪が降っているでしょう?」
光明の詩を紡ぐ・クルシェ(a71887)の問いに、フォーナは安心させるように微笑んだ。
カーヴァルトが再び口を開く。
「虚無の世界には、ドラゴン以外の生物も存在するのかな?」
「基本的には存在しませんね。大大怪獣ワイルドファイアのような例外は存在しますが……」
生命が存在するのは、虚無の只中に存在する『世界』だけらしい。
虚無の中で生存できるのは、ドラゴン界を作り上げることに成功したドラゴンロードと、その配下の者達のみと考えて良いようだ。
●コルドフリード艦隊
話題は、さらに踏み込んだものへと移っていく。
黒き太陽『魔石のグリモア』が、虚無に存在する事は今までの説明で判明した。
そうなると気になるのが、
「行く事が出来るかどうか……ですね。コルドフリード艦隊を使えば、あの『魔石のグリモア』の元へ行く事は可能なのでしょうか?」
「あの世界でも、ドラゴンウォリアーなら活動できそうな気もするしね」
邪竜導士・ツカサ(a00973)の問いに、白の探求者・ユリス(a65289)が続く。
新たな冒険の舞台となり得るかを問うのは、冒険者の必然なのかも知れない。
「そうですね。確かに、コルドフリード艦隊を改修し、虚無でも飛べるようにすれば……行くことは出来ると思います。ですが、現状の艦隊を虚無で活動可能な状態にまで改修するには、ある程度の時間が必要でしょう」
「そっかぁ、残念。すぐには行けそうに無いんだね」
女神の答えに、ユリスが溜息をつく。
「となると……今姿を消しているドラゴンたちがあの太陽に帰還して力を得る可能性は?」
翼の銀竜公・クウォルト(a06796)が懸念を口にする。女神もその形の整った眉を寄せた。
「普通のドラゴンは、虚無を生き延びることは出来ないと思います。ドラゴンロードには、何らかの有利を与えることになるのかも知れませんが……」
と、深緑の元気娘・カーナ(a04208)が慌てたように問いを発した。
「……ってちょっと待って欲しいぞ、それじゃ他のドラゴンロードたちも、あの次元の裂け目を通ってこっちの世界に来る可能性があるってことになるぞ?」
「世界の裂け目を元に戻す方法はないのでしょうかなぁ〜ん?」
クロカのしっぽに憧れて育った・サーリア(a18537)が首を傾げる。
「えっと……この前のお祭りでも、次元の裂け目を閉じてたけど……」
「フォーナ様のお力で儀式を行い閉じる事は可能でしょうか?」
壁犬・ウィスタリア(a00498)、柳葉の・チキチキータ(a64276)が考えているのは、ここ、フォーナ神殿に以前あった次元の裂け目のことだ。
ドラゴンロード・ヴァラケウスの死によって生じた次元の裂け目は、女神フォーナの祭りによって閉ざされた。
「同じ手が使えたら、と思ったのにゃけど」
だが、その問いにフォーナは首を振った。
「残念ですが、あそこまで広がり切った次元の裂け目を塞ぐ事は、私の力では不可能です」
「いや、大神ザウスがコルドフリード艦隊のエネルギーを使ってドラゴン達をこの世界から放逐した時にも、世界は虚無と繋がったんじゃないのか?」
「だとすると、一度開いた裂け目を塞ぐ手段があったとしても不思議では無いと思うのだが……」
魔戒の疾風・ワスプ(a08884)と遠い弔鐘・エリファレット(a06546)の指摘に、フォーナは目を瞬かせた。
「……言われてみれば、確かにその通りですね。ただ、私はその時にはもう神の世界に帰っていましたので、ザウスと同じ知識を持っているわけではないのです」
恥ずかしそうに言う女神に、ワスプとエリファレットは顔を見合わせる。
「そうなるとザウスがいない今、それを知る術は無いか」
「修復中のコルドフリード艦隊が再び動けるようになるまで、お手上げだな……」
碎輝との決戦において、ドラゴンウォリアー達は最終撃滅砲に魂の力を注ぎこんだ。
それによって碎輝の撃破には成功したが、最終撃滅砲の発射と、それ以前の激戦の影響で、コルドフリード艦隊は修理を余儀なくされている。
現在はコルドフリード大陸に戻り、総力を挙げて艦の修復に取り組んでいる状態だ。
この修復においては、1つの艦を修理するには他の艦を使った作業が最も手っ取り早い。
エネルギーを再度充填する必要もあり、艦隊は当分、コルドフリード大陸から動けそうになかった。
「おまけに今の話だと、虚無でも活動可能にするための改修も必要か」
「まあ、修復をしてくれているタロスの人達に、一緒に頼んでおくしかないだろうな」
2人の話を聞きながら、星舞い落ちる夜・マイヤ(a28554)がつぶやく。
「危険なもののようですし、あの『魔石のグリモア』には最終撃滅砲を撃ち込んで破壊してしまいたいところですけれど……」
「……それも、艦が直らないと駄目でしょうね」
だが、グリモアが常大抵の力では破壊できないことは、冒険者ならば誰でも知っている。
あそこまで巨大な『魔石のグリモア』は、最終撃滅砲を普通に撃ち込んだだけでは破壊できないのかも知れない。
「いずれにしても修復待ちか……」
「空には注意を払わないといけないでしょうね」
●影響
往来や破壊が出来ないのであれば、次に考えねばならないのは黒き太陽……『魔石のグリモア』が、この世界にもたらす悪影響だ。
蒼の閃剣・シュウ(a00014)が懸念を口にする。
「『魔石のグリモア』の存在は、一般人や動植物などに悪い影響をもたらさないだろうか?」
「今までと同じ様に、普通に生活できますか?」
流れ雲の旅人・エアリエル(a30222)も続けて問う。時空を彷徨う・ルシファ(a59028)は思案げに口にする。
「空に最も近い、ホワイトガーデンは大丈夫なのでしょうか?」
元々無垢なエンジェル達が、悪に染まらないか心配なのだろう。
人々の生活を守る冒険者としての質問に、フォーナは難しい表情を浮かべた。
「『魔石のグリモア』が顕れたことによって、ヴァンダル一族の血や力を受け継ぐ者は、大きな力を得ることになるでしょう」
「……ヴァンダル一族は、地獄にいたのですよね。地獄に同じような裂け目が発生する事はあるのでしょうか? フォーナ様が地獄を嫌っているのは存じていますが……」
緑青の剣・ライカ(a65864)の問いに、フォーナは微苦笑で首を横に振った。
「可能性はありますが、それを知る術もありませんので……ごめんなさいね」
楽風の・ニューラ(a00126)、緋色の花・ジェネシス(a18131)は、神の世界についての懸念を述べる。
「このままでは、虹の円環の向こうにもいずれ被害が及ぶのではないでしょうか?」
「今のうちに他の神々にもランドアースにお出で頂き、われわれがお守りしながらご助言やお力を賜ることは出来ないでしょうか……?」
2人の言葉に、しかし女神は首を横に振った。
「この世界こそが最もドラゴンに狙われやすい世界ですから……去りこそすれ、今の状況で戻って来ようとはしないでしょう」
「今回の次元の裂け目のせいで、いっそう足が遠のいた、ということですか……」
ジェネシスは思わず眉をしかめる。
翠祈花・リアンシェ(a22889)は、フォーナ自身の去就を問うた。
「私達は地上の命を護ると共に女神様達のお気持ちも護りたくありますが、この先ドラゴンロードとの戦いが続けば、フォーナ様は此処から去ることもあるのでしょうか?」
「私は、出来る限り皆さんとともにありたいと願っていますよ」
フォーナは微笑し、自らの希望を述べる。
「いずれこの世界が平和になった未来には……去った他の神々が、この世界に戻って来る可能性があるかも知れませんね」
フォーナやランララが、この世界の人々と共にありたいと思っている事は疑いようがない。
だが、他の神々にも同様の態度を望むには、ドラゴンロード襲来の危機を乗り切り、世界を守らねばならないのだろう。
●いまだ見えぬ敵
「そうなると、これからやらなければいけない事は大体分かったな」
銀閃の・ウルフェナイト(a04043)が告げる。
フォーナとの会談の中で、黒い太陽の正体が『魔石のグリモア』であり、それが虚無の世界にあることは判明した。
だが、黒い太陽……『魔石のグリモア』を目指すには、コルドフリード艦隊の修復と改修が終わるのを待たねばならない。
コルドフリード艦隊の修復の目処がついていない現状では、直接的にはどうする事も出来ないというのが正直なところだ。
「だが、警戒は必要だろうな」
「『魔石のグリモア』の影響を受けて、『ヴァンダル一族の血や力』を受け継いだ者の動きが活発化するかも知れないわね」
「彼らが、フォーナ様のおっしゃるように我欲のままに力を振るおうとすれば……きっと、同盟諸国の民に被害を及ぼすでしょう」
それがどういった形で現れるかは分からないが、一層の警戒は必要だろうというのは、冒険者達に共通する感想だった。
勇壮なる白銀の剣・カレザ(a06412)が口を開く。
「碎輝のように、私達の知らない新たなドラゴンロードが、フラウウインド大陸のどこかに出現している可能性もあります。探索は進めねばならないでしょう……そうですね、フォーナ様?」
「ええ、その可能性は否定できません」
未踏の大陸フラウウインドは、いまだその全容の一部しか冒険者達に見せていない。
未知の領域を目指しての探索は、進めねばならないだろう。
「このまま幸せにフォーナ祭を楽しんで……また幸せに新年を迎えられると良いのですけれど」
猫のリグレット・ティセ(a68887)に、女神フォーナはそっと笑みを向ける。
「今日はフォーナ感謝祭。家族や恋人、みんなが幸せであるように思い願う日です。暗い顔をしていては、幸せもやって来ませんよ」
女神フォーナはそう言い、女神の広間へと戻って行く。
冒険者達は、礼と共にその背を見送るのだった。
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