<黒水王・アイザックとの一問一答の結果>
| 「おう、聞きたい事があるんだってな。知ってる事なら答えてやるから、さっさと質問しな」 |
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「えっと、王城と聖域の位置関係とその警備状況について知っていますか?」
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| 「あたりまえだ。勇猛の聖域は王都中央にある丘の上、歴代王の座所の中にある。最精鋭のグリモアガードたる『百鱗護衛士団』は定数で60名で、欠員が出たという話は聞いていないな」 |
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「王の座所という事は、バグウォッシュ王もそこにいるのでしょうか? 聖域から王族が脱出するような道は?」
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| 「聖域から脱出? 何をバカな事を言っているのだ? 聖域は最後の場所だ。死ぬまで戦うに決まっているだろうが」 |
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「では、バグウォッシュもそこに?」
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| 「奴は別だ。歴代の王は百鱗護衛士団の長であり、聖域から動かなかったものだが、奴は『王の居城は民衆の中にあるべきだ』などと抜かして、自分の城を作ってそこに住んでるぞ」 |
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「王都と聖域は別なのですか?」
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| 「そりゃそうだ。『勇猛の聖域』は我らが始祖が『吼え猛るジャヴァージ』より『勇猛のグリモア』を得た聖なる丘だが、都を作るには狭すぎるからな。聖域の周囲を市街地が取り巻いていて、そこが王都だな」
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| 「聖域のグリモアガード以外には、どのような部隊が聖域周辺にいるのでしょうか?」 |
| 「部隊というよりも仕事を受けてない冒険者が集まってるな。それはお前達も一緒だろ? まぁ、最近はあちこち一杯一杯だから暇な奴は少ないがな。そいつらをのぞけば、王都警備の護衛団と兄貴の親衛隊、街道警備をしている奴ら程度だな。冒険者だけで4〜500って所だ」 |
| 「指揮官であるバグウォッシュ王は、どのような人物なのでしょうか?」 |
| 「一言で言えば、惰弱者だな。奴の城は防備が全くなっとらん。そもそも城で花を育てる意味が判らん」 |
| 「(それって、城じゃなくて宮殿というのでは……)。それでは、城と聖域の見取り図とリザードマン領内の地図を描いてくれないかな?」
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| 「よし、任せとけ」
さらさらさらと、地図を描くアイザック。
「出来たぞ。まぁ、これ以上の地図は中々手に入らないだろうな」
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●王都周辺地図
| 「(普通に暮らす分には、これ以上の地図はいらないのでしょうが……。地図については、ユリシアか誰かに、もう少し詳しく聞き出して貰いましょうか)。ところで、元々のリザードマン領の今頃の気候はどんなものなのですか? 日没の時間や、独特の季節風などがあれば教えて欲しいのですが」 |
| 「寒いが寒すぎはしないな。日没がいつかって? お前はバカか? 日が沈む時間に決まってるだろ? 何を聞いているんだか。季節風かどうかは知らんが、冬の北風は冷たいな」 |
| 「それじゃ、今の季節の沼の氷の厚さや積雪量などについては?」 |
| 「王都も雪は降るが、膝長程に積もったりはしないな。街道ならば雪が通行の邪魔になる事も無い。南の方は雪が積もってもすぐに溶けるくらいだからな。氷の厚さは計った事は無いが、人が乗れる程凍る事は、まぁ無いな」 |
| 「質問は終わりか? じゃ、俺は帰るぞ。じゃあな」 |
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