<【拠点移動結果】岩砂漠地帯へ>

 岩砂漠を越えた先にあるものを求めて、我々は突き進む。
 しかし、そこで我々は、辛い悲劇を目の当たりにする………。

【拠点移動】岩砂漠へ/13日迄 常磐の霊査士・ミカヤ(a90159)

場所:野営地   2005年09月11日 23時   発言数:1

 主力探索班が取得した霊視材料を元に霊視を行った所、湿地帯を抜けた先、林間地帯その向こう側に岩砂漠が広がる事が分かった。
 当部隊は湿地帯を踏破し、林間地帯を抜けて岩砂漠へ向かう事となる。
 今回は3班に分かれて行動して貰うぞ。


■強襲戦闘班
 次回の拠点候補は、岩砂漠へ入って暫くの場所にある、剥き出しの岩山の合間だ。入れば中は少し湿った窪地になっている。
 入口は正面のみ。敵勢は猫グドンが30。小ピルグリムグドンが10。ピルグリムグドンが2だ。
 グドン達が狩りに出る夕方に潜入し、残っている者等を殲滅、待ち伏せするのが良かろう。
 ピルグリムグドンはますますその強さを増している。ゆめゆめ油断するでないぞ。
 戦力不足で制圧に失敗した場合は、現拠点に戻る事となる。

■本営護衛班
 私、つまり霊査士と共に移動する最後の砦だ。
 この班が敵と遭遇して敗北すると、霊査士は死亡し、部隊は壊滅・敗走の上、重傷死亡判定が発生する事になる。
 また部隊員達の荷物を運ぶのもこの班の担当だ。
 強襲戦闘班が拠点占拠に失敗した場合は、旧拠点に撤退する事となる。

■特務班
 【囮任務】に参加する者達はこれを選択してくれ。

【拠点移動結果】岩砂漠地帯へ 常磐の霊査士・ミカヤ(a90159)

場所:野営地   2005年09月15日 21時   発言数:1

●本営護衛班 21名
 次期拠点までの道程は緊張に満ちたものとなった。
 霊視とて万能ではない。
 囮の任に赴いた者達がピルグリムグドン・グドン混合の大群の誘引に成功していなければ、グドンに囲まれて窮地に陥る可能性は常にあった。
 偵察という現時点で最も危険な任についている光彩の風・スレイツ(a11466)は、離れた場所にいる清閑たる紅玉の獣・レーダ(a21626)の、迷彩を凝らした横顔を何とか見分ける。張り詰めた表情が、その緊張の度合いを物語っていた。
 グドンは群れば群れの大きさの分だけ騒がしさを増す。湿地帯は静かで、水がさざめく音、葦が風に靡く音、鳥の歌声と虫の鳴き声と。静けさを際立たせる音しかしなかった。
 荷を運んでいる者も、いざとなれば戦わねばならないだろう。
 ダンディ・クロコ(a22625) はあるべき所に収められている鋼糸の感触を確かめつつ、周囲に目を配る。特に遮る物の乏しい湿地帯の事、会話する者は皆無だった。
 黙々と、部隊員達は行く。

 そうして、僅かな水と食料を摂る以外には足を止めずに進み続けた先。
 陰鬱さは変わらないけれど、硬い地面と木々が点在する疎らな林に到達して、部隊員達は小さな歓声を上げた。
 常磐の霊査士・ミカヤ(a90159)が、囮部隊が懸命に戦っているであろう奇岩地帯の方を向き、目礼する。
 その後姿を見た部隊にまた沈黙が満ち。
 耳を打つ静寂の中で部隊員達は囮部隊の無事を祈るのだった。


●強襲戦闘班 10名
 食物の乏しい岩砂漠の事、狩りに出る事の出来るグドンは皆出払ってしまったのか、起伏や岩陰を利用して接近した突入班の者達が入り込んだ窪地には、妊婦のグドンと子供グドンしか居なかった。殆ど虐殺に近い状況で、グドンの群れを一瞬で殲滅し尽し、強襲戦闘班の隊員達は洞窟内と外に分かれて潜伏する。
 ダース・ザスバ(a19785) が洞窟の前に残した焚火が幸を奏したのだろうか。特に不審にも思わず帰って来たピルグリムグドンと残りの猫グドン等を挟撃するのは驚く程簡単だった。
 術士の手から放たれて吹き荒れる緑の木の葉が、体と技に偏った能力を持つピルグリムグドンを束縛し、胡蝶が飛ぶ。混乱に陥ったグドン達を流水撃と範囲術攻撃とで殆ど掻き分けるように薙ぎ払い、接近戦を得手とする者達がピルグリムグドンに近接する。繰り出される斬鉄蹴。技を得てとするピルグリムグドンには心攻撃を。混乱から逃れる逃げる事が出来たピルグリムグドンの子供も、入口で幻を伴う剣戟に阻まれて結局一歩も外に出る事は敵わなかった。

 空腹も去る事ながら、乾きから来る疲労に加えて戦闘をこなし、流石に疲れ果てた強襲戦闘班の隊員達は、濃密な血の匂いから逃れる様に外へ出た。
 最後の水は戦いに備えて飲んでしまっていた。
 明日には、本営護衛班の者達が拠点へ辿り着くだろう。
 水も食事も幸せの運び手もその時までお預けだ。
 警戒に立つ者を残して、ごろりと広場に寝転がった誰かが感嘆の声を上げた。
 声に引かれる様に、皆で見上げた夕暮れの空は薔薇色に燃え立っていた。
 驚くほど大きな太陽が岩山の向こう側に消えて行く。
 思えば、それは久しぶりに見る夕陽で。
 橙から赤、紫と淡く濃くなりつつ空を染め上げた夕陽の残照は、久しぶりに見る鮮やかな色だった。
 高所では風が強いのか、雲は様々に形を変え吹き散らされて消えて行く。
 徐々に暗さを増して、青から青が深過ぎて玄く見える夜の色が空を満たすまで。
 強襲戦闘班の者達は物も言わずに、空を見ていた。

 *重傷者:なし
 *死亡者:なし
 
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