＜【探索業務結果】岩砂漠地帯＞ 　悲しみを胸に秘め、我々は更なる調査を行った。 　戦いは激しさを増す。それでも、我々は更に奥へと突き進んだ。 【探索任務】岩砂漠地帯／17日迄　常磐の霊査士・ミカヤ（a90159） 場所：野営地　　　2005年09月15日 22時　　　発言数：41 　今回は前回と同じ4班構成だ。 　なお、囮任務の者は依頼返却＋帰還スレッド掲示をもって帰還扱いとなるので、注意をしてくれ。 　締切日までに帰還が出来ない場合は、探索任務に参加しても無効扱いとなる。 ■拠点護衛班 　前の拠点に残り本営を護衛する班だ。 　グドンの小さな群れが餌を求めて徘徊→安全な拠点（洞窟や窪地等）を発見というのは良くある事だからな。 　７〜８匹のグドン（場合に拠ってはリーダーとなるピルグリムグドン）を殲滅できる能力が必要だ。 　拠点護衛班が敗北すると、私、つまり霊査士は死亡し、部隊は壊滅・敗走の上、重傷死亡判定が発生する事になる。 ■主力探索班 　１名〜数名の少人数で、広い範囲を網羅して探索を行う。 　極力戦闘は避け、情報と霊視の材料となるグドンの遺留品等を持ち帰って来てくれ。 　主力探索班の行動如何によって、次回移動時の危険度や、ギガンティックピルグリム到達までの距離などが変化する。 　また、食料の調達等もこの班が行う事になるな。 　主力探索班は多ければ多い程、確実な情報を手に入れる事が出来るだろう。 ■支援戦闘班 　支援戦闘班は数名づつ探索地域を巡回し、少人数の主力探索班が危機に陥った際に救援する事が任務となる。 　この班の人数によって、主力探索班の重傷死亡率が変動する。 ■特務班 　依頼に参加する者はここを選択してくれ。 　各部隊員はどの班の任務に就くか選択の上、100文字程度の行動を記載してくれ。 　発言する際にはどの班に所属したか【拠点護衛班】等発言の頭に付けてくれると嬉しい。 　点呼は23時59分以降1時間以内に。 　ポーラリス、ユージン、今回も頼むぞ。 　脱落者については、特に罰則は設けない。 　任務を遂行する上での、全体の危険度が上昇するだけだ。 　そのまま同盟へ戻る事も出来るが、出来れば再合流して欲しい。 　 　1. 拠点護衛班 　　　（6） 　2. 主力探索班 　　　（4） 　3. 支援戦闘班 　　　（5） 　4. 特務班 　　　（22） 光彩の風・スレイツ(a11466) 2005年09月17日 14時 【洞窟を越えて】こっちで活動するよ。通常任務の人も塔に行く人も頑張ってね（4. 特務班） 傾奇者・ボサツ(a15733) 2005年09月17日 15時 【洞窟を越えて】一生懸命頑張るのだ。（4. 特務班） 千見の賭博者・ルガート(a03470) 2005年09月17日 15時 【洞窟を越えて】こっちで頑張るぜ。よろしく！（4. 特務班） 真珠色の晧き四星・ゲンマ(a05079) 2005年09月17日 19時 【洞窟を越えて】こちらで活動します。（4. 特務班） バニーな翔剣士・ミィミー(a00562) 2005年09月17日 19時 【塔攻防戦】こちらで全力を。（4. 特務班） 銷夏・ポーラリス(a11761) 2005年09月17日 19時 【セイレーンの塔攻防戦】ここへ。（4. 特務班） 空薫・リン(a00070) 2005年09月17日 19時 【セイレーンの塔攻防戦】　此方へ参ります。（4. 特務班） 黄砂の谷の・レティシア(a10843) 2005年09月17日 20時 【セイレーンの塔攻防戦】こちらに参りますの。（4. 特務班） エンジェルの重騎士・メイフェア(a18529) 2005年09月17日 20時 【洞窟を越えて】行きますの。（4. 特務班） 金輝の暁・ディリアス(a16748) 2005年09月17日 20時 【セイレーンの塔攻防戦】ひとつ頑張ってくるぜ！（4. 特務班） 永遠の旅人・イオ(a13924) 2005年09月17日 20時 こちらに参加します。（4. 特務班） 永遠の旅人・イオ(a13924) 2005年09月17日 20時 すいません、書き忘れました…。【セイレーンの塔攻防戦】に参加です。 薄明の蒼・ティア(a06427) 2005年09月17日 20時 【セイレーンの塔攻防戦】　全身全霊を持って、勤めさせてもらうわ。（4. 特務班） 銀花紫苑・ヒヅキ(a00023) 2005年09月17日 20時 【セイレーンの塔攻防戦】こちらにて尽力させて頂きます…（4. 特務班） 清閑たる紅玉の獣・レーダ(a21626) 2005年09月17日 20時 【セイレーンの塔攻防戦】…こちらに行ってくる。（4. 特務班） 白魔・ユージン(a16008) 2005年09月17日 21時 【洞窟を越えて】……こちらへ。（4. 特務班） 雪の黒鈴・ルゥム(a15089) 2005年09月17日 21時 【洞窟を越えて】精一杯頑張ります、なぁーん。（4. 特務班） ダース・ザスバ(a19785) 2005年09月17日 22時 【セイレーンの塔攻防戦】此処に参加するぜ（4. 特務班） 借金まみれなヒトの紋章術士・ガンガルス(a09429) 2005年09月17日 22時 【洞窟を越えて】こちらで頑張らせてもらう（4. 特務班） 白妙の鉄祈兵・フィアラル(a07621) 2005年09月17日 22時 【支援戦闘班Ｃ斑】指針書を元に行動。主力探索の向かう方向に巡回。合図や目印に気を配る。情報・食料を持ち帰る事を重視し防衛的戦闘を行う。拠点まで尾行されぬ様注意。敵戦力に応じやり過ごすか自他に鎧聖し殲滅（3. 支援戦闘班） 銀煤の颶風・レン(a19897) 2005年09月17日 23時 【主力探索班　Ａ班】指針書を元に行動。地形確認。生物・植物分布確認。食料等の探索。敵遭遇時は逃走、潜伏優先。目印は消えない様工夫（2. 主力探索班） 破城槌・バートランド(a02640) 2005年09月17日 23時 【洞窟を超えて】なんかこう、洞窟に潜るってーと変に血が騒ぐな。気合い入れて行こうぜ！（4. 特務班） 願いの言葉・ラグ(a09557) 2005年09月17日 23時 【拠点護衛】指針書を元に行動。団長に守誓使用。交代で入口周辺で周囲を警戒。敵が現れた場合、出来るだけやり過ごす。無理なら合図を送ってからＮＳで殲滅。戦闘開始後よりフォーチュンフィールド継続的使用。後はＨＷで回復重視で行動。（1. 拠点護衛班） 沙海の萌竜・パステル(a07491) 2005年09月17日 23時 【主力探索・Ｂ班】指針書を元にシヤン様と行動。遠眼鏡で敵の有無を確認、窪地や岩陰に近づく際は付近に足跡などの痕跡が無いか調べ、HGを使用し安全確認しながら移動。遭遇時は即逃走。地形の調査に重点をおいて行動します。（2. 主力探索班） 小さき盾・リーリ(a03621) 2005年09月17日 23時 【支援戦闘班・B班】指針書に従い、主力探索班の向かう方向を巡回。合図に気を配り、拠点まで追跡されないよう注意。可能ならニードルスピアでの速やかな殲滅を試みるが、基本的には情報・食料を持ち帰ることを重視し防衛的戦闘をおこなう。（3. 支援戦闘班） ちょ〜トロい術士・アユム(a14870) 2005年09月17日 23時 【洞窟を越えて】・・・こっちでがんばるねんなぁ〜ん。（4. 特務班） ダンディ・クロコ(a22625) 2005年09月17日 23時 【洞窟を越えて】こちらに参加させてもらった。　頑張ろうな、みんな。（4. 特務班） 楽師・アージェシカ(a12453) 2005年09月17日 23時 【拠点護衛】指令書を元に行動。交代で入り口周辺で周囲を警戒。遠眼鏡を使い上空も視野に入れる。戦闘中は後衛からＮＳで攻撃、ラグさんと連携して凱歌での回復。戦闘後はアビと応急手当で治療を（1. 拠点護衛班） 双月に捧ぐ矛先・クリュウ(a07682) 2005年09月17日 23時 【支援戦闘班・B班】指針書を元に行動。主力探索の向かう方向に巡回。合図や目印に気を配る。敵と遭遇した場合は可能なら流水撃での殲滅を試みるが、基本的に情報・食料を持ち帰ることを重視し、防衛的戦闘を行う。拠点まで尾行されぬ様注意。（3. 支援戦闘班） 風に吹かれ舞う一匹の竜・ソウリュウ(a17212) 2005年09月17日 23時 【拠点防衛班】指針書を元に行動。交代で入口周辺で周囲を警戒する。暇な時に囮任務で亡くなった者の簡単な墓を作り、冥福を祈る。自分の分の食料を切詰て拠点を引き払う時にその墓に備えていく、意味は無いかも知れないが、本当は何か大きな獲物でも供えてやりたいんだがな　//　多少、オーバーした感じがありますがこれでお願いします（1. 拠点護衛班） 蒼海の剣諷・ジェイク(a07389) 2005年09月17日 23時 【支援戦闘班・A班】指針書を元に行動。主力探索の向かう方向に巡回。合図や目印に気を配る。情報・食料を持ち帰ることを重視、敵との遭遇時は、戦力を測り殲滅か回避か判断。拠点まで尾行されぬ様注意。武器は必要な時だけＷＯで呼ぶ。（3. 支援戦闘班） 嫉妬殿下・シヤン(a07850) 2005年09月17日 23時 【主力探索・Ｂ班】指針書を元にパステルと組んで行動。遠眼鏡で周囲を確認しながら調査。足跡や拠点跡・全体の地形に注目しつつ、霊査材料や食料になりそうなものを探す。敵に遭遇したら逃走。（2. 主力探索班） 白魔・ユージン(a16008) 2005年09月17日 23時 【拠点護衛】指針書を元に行動。交代で入口周辺で周囲を警戒する。グドンが現れた場合、やり過ごせるようならやり過ごす。やり過ごせなければ、合図を送ってから殲滅を行う。（マカーブル代理） 蒼翠弓・ハジ(a26881) 2005年09月17日 23時 【主力探索班・Ａ班】指針書に従い準備・行動。消えない様工夫した進行目印を残しつつ、地形・動植物分布を確認。周囲の様子に気をつけ乍ら食料と水、情報となるものを慎重に探索。敵遭遇時は即座に逃走かハイドで潜伏。緊急時は笛で合図（2. 主力探索班） 咲月・シャルトルーズ(a06954) 2005年09月17日 23時 【拠点護衛】指針書を元に行動。交代で入口周辺で周囲を警戒する。グドンの気配を感じたら迅速にミカヤ団長に鎧聖降臨奥義を掛ける。戦闘は後衛としてＮＳを中心に攻撃、必要時にはＨＷで回復を行う。（1. 拠点護衛班） 月下幻想曲・エィリス(a26682) 2005年09月17日 23時 【支援戦闘班・C班】指針書を元に行動。主力探索の向かう方向に巡回。戦闘時はHW奥義による回復とES奥義による援護射撃を使い分け速やかに掃討する。合図や目印に気を配る。拠点まで尾行されぬ様注意。（3. 支援戦闘班） 唸る豪腕・ログナー(a08611) 2005年09月17日 23時 【拠点防衛班】指針書を元に行動。交代で入口周辺を警戒、その際ハイドを使用。戦闘になったらＮＳで攻撃。万一の時は団長を抱きかかえ、自らを盾としながら逃走します。（1. 拠点護衛班） 緋水想歌・セルディカ(a04923) 2005年09月17日 23時 【セイレーンの塔攻防戦】こちら、ですね（4. 特務班） ストライダーの忍び・エイミー(a01378) 2005年09月17日 23時 【拠点護衛】指針書を元に行動。交代で入口周辺で周囲を警戒する。グドンが現れた場合、可能な限り回避。やり過ごせなければ、合図を送ってから殲滅を。敵リーダーへハイドインシャドウ・シャドウスラッシュによる奇襲を念頭に置いて行動します。（1. 拠点護衛班） 常磐の霊査士・ミカヤ(a90159) 2005年09月18日 00時 38名（＋1名）の発言を確認した。 【探索業務結果】岩砂漠地帯　常磐の霊査士・ミカヤ（a90159） 場所：野営地　　　2005年09月19日 19時　　　発言数：1 　 ●拠点護衛班　７名 　人が死んでも世界は動き続けるのだと、改めて知る。 　それが戦場、敵意溢れる未踏の地――死地の常。 　世界は止まらない。それが害意を持っていれば尚更だ。 「ソウリュウ、行かせるな！」 　有限と無限のゼロ・マカーブル（a29450）の声に弾かれて、風に吹かれ舞う一匹の竜・ソウリュウ（a17212）は、岩の間から走り出ようとしたグドンを追いかけ、両手剣を振り下ろす。グドンの背中が断たれて、圧し折れた背骨の断面が見える。 　マカーブルは突き出す長剣の切っ先でグドンの喉を貫き、舞う様に身を捻って切り裂きながら、左の長剣でグドンが振り下ろす鉈をがっきと受け止めた。腹を蹴る勢いで岩に押さえ付け、右胸に長剣を突き刺す。引き抜けば血が繁吹いた。 　金属同士が激しくかみ合う音を立てて、 唸る豪腕・ログナー(a08611)がピルグリムグドンが振り下ろす大斧を受け止め、至近距離からニードルスピアを放つ。不意に襲った痛みに吼え猛るピルグリムグドンの背に取り付いて、ストライダーの忍び・エイミー(a01378) は鋼糸を絡ませて強く引き裂いた。直後、その背にざんざんと、長く伸びたピルグリムグドンの触手が突き立った。激痛を無視してもう一度鋼糸を振るうエイミーへ、 願いの言葉・ラグ(a09557) が癒しの風を送る。戦わせる為に。一分一秒でも長く本来の力で戦わせる為に。 「アージェシカさん……っ！」 　 咲月・シャルトルーズ(a06954) が名を呼び杖を翳す。散っていたグドンが進路上を嘗めた針の雨を避けて一箇所に寄った所を、シャルトルーズの意を悟って全て視界に納めた楽師・アージェシカ(a12453)がニードルスピアで一掃した。 　いかに少ない力で、いかに多く敵を倒すかを常に考える。　 　殺されるかも知れないと思う事と、殺すという事は、既に日常の一部と化していた。 　更にここへ来て、拠点近くに迷い込むグドンが多くなった。岩砂漠という荒涼とした地域がグドンを敏感にしているのかも知れないし、それ以外が原因かも知れない。それは私にも分からんと言った霊査士の目にも疲れが滲む。涙一つ見せず淡々と何時も通りに業務をこなす老霊査士は、私にも分からない事がこんなにも多い、と涙の変わりに呟きを零し、きゅっと口を引き結ぶ。 「ソウリュウさん、ログナーさん、シャルトルーズさん、食事にしましょう」 　アージェシカが穏やかに告げる。グドンの毛皮で剣の血を拭っているマカーブルと、エイミーと、その背の傷跡を見ていたラグはこのまま歩哨に立つのだ。休憩と呼べるような物は殆ど無かった。暇など見当たらず、誰もが常に気を張り詰め有事に備える。 　特務班と、主力探索班、支援戦闘班の者達が水と食料を全て持って行っていた。全て持って行っても足りるかどうかの瀬戸際だったから、それは仕方の無い事。しかし、幸せの運び手は本人には効力が無い。アージェシカは皆の半量しか幸せの運び手の恩恵にあずかれず、それでも何も言わず皆と同じ作業量をこなす。 　疲れ過ぎて吐きそうなのに、吐こうにも何も吐けるものはなく、胃液すら惜しい。 　自身の悪臭、血の匂い、埋めたグドンの死体から漂い出る腐臭。 　それでも、生きてそれを感じる事ができるのだ。 　これ以上に贅沢な事は無かった。 ●主力探索班 　良い天気だった。白熱する太陽の下、乾燥した大地に砂塵が舞う。　 　柔らかな黄白色を帯びた大地が緩やかに登った頂に、枯れた低木があった。背は低いが幹は太く、根が余程しっかり地を掴んでいるのか倒れる様子も無く風に抗っていた。 　グドン達の足跡を辿れどまともな水場は見つからず、更に遠くを見渡そうと 蒼翠弓・ハジ(a26881) と銀煤の颶風・レン(a19897)は低木まで斜面を登った。 　低木の根元に膝を突き、遠眼鏡で周囲を確認するレン。弓弦に指を掛けて周囲を警戒していたハジは、ふと何かに気付いた様に弦を手放して、木の幹の穴へ矢を差し入れる。押して捻りながら引けば、鏃に白い何かが付いて来た。 「それは何です？」 「幼虫です。こういう木に棲みついて食い荒らすと聞いた事があって……」 　栄養はあるらしいんですよ。ハジは鏃から丸々太った芋虫の様な幼虫を外し、空袋へ入れた。ああ、栄養があるんですね。と繰り返したレンに対して、味の保証はしかねますけど、とハジは生真面目な調子で続けた。 　見通せる限りの地勢を調べ、運良くグドン等の野営地を見つけて霊視材料を手に入れた。体力も尽きたので一休みしようと、沙海の萌竜・パステル(a07491)は小袋に入っている糧食を取り出した。堅焼きパンと、乾燥肉と、チーズが食事の全てだった。 　堅焼きパンは黴臭く、乾燥肉は持ちが良い様に香辛料が効き過ぎ、チーズは干乾びている。大人の一食分にも満たないそれの半分を、パステルは嫉妬殿下・シヤン(a07850)に渡した。目礼したシヤンは、油断無く周囲を伺いながらパンを口に運ぶ。ゆっくりと噛み締め、パン屑一つ余さず食べ切った。 　グドン地域へ行くという姉を押し留めて部隊に志願した。今頃、母親は姉は何を食べているだろうか。もっとも、何を食べていても羨ましくは無いけれど、とシヤンは思い直す。 　食料は日に日に乏しくなる。今口にしているのが拠点護衛班の誰かのパンで、誰かのチーズだという事をシヤンはとても良く知っていたから、チーズの黴の部分まで全て飲み込み、本来の感謝の意味で「ご馳走様」と呟いた。 ●支援戦闘班 　銀剣を地に突き立てる白妙の鉄祈兵・フィアラル(a07621)。ファナティックプレートが纏う狂気がその深さを増し、次いで月下幻想曲・エィリス(a26682)に手を向ければ、もう白い場所の無い薄汚れた聖衣がそれでも優雅さを増して翻る。主力探索班が行ったと思しき方向に向かうグドンを見つけたフィアラルとエィリスは、一撃の範囲攻撃に最も多くのグドンを巻き込めるよう目算しながら位置を移動する。あと何度、こういった小さな群れに遭遇するだろう。獲物の乏しいこの場所では、少数の群れで獲物を探すらしい。丘を迂回して側面に出たエィリスの杖から降り注ぐ光条。切り込んだフィアラルが範囲から外れた2匹に、反撃の暇を与えず斬撃を与えた。 　陽光に淡黄を返す丘の上に血染みが広がる。黄色のパンケーキにラズベリーソース。誰かがそう評しそうな光景だった。 　 「クソッたれ、このままじゃ拠点に一直線のコースだ」 「……殺るしかないか」 　急に下る斜面の頂に身を伏せた蒼海の剣諷・ジェイク(a07389) と涅槃・バルバラ(a90199)が下を見遣って舌打ちする。ピルグリムグドンは1匹だ。然程ピルグリムグドンに詳しい訳では無いが、今までの経験が、あれはまだ若い個体だと告げている。 　3だ、とジェイクが言い、バルバラは頷く。1、2――武器が来るタイミングで3と告げてジェイクが飛び出す。機を合わせてバルバラも斜面を滑る様に駆け下り始めた。斜面が途切れる前に地を蹴って、振り返って呆然としているピルグリムグドンの首筋に、体重と武器の重量を叩き付ける。少し引いた場所に位置取ったバルバラが、間髪入れずにニードルスピアを解き放つ。全身の感覚を剥き出しにして声無き指示を感じ取り、連携する。 　逃げ道を断って呪力を打ち下ろし、追い縋って切り裂き、殆どその場所から動く事無くピルグリムグドンは死んだ。完全に死んだ事を確認した2人は、何かの足しになればとピルグリムグドンの腕を断って袋に詰め、一休みもせずにその場所を後にした。 　目印を辿って、柔らかな黄白色を帯びた隆起の頂に枯れ木を見つけた 小さき盾・リーリ(a03621)は、同時にその枯れ木に群がるグドンを見つけて緊張し、グドン達が手に掛けようとしている袋を見つけて目を見開いた。 「クリュウさん、あれは……」 「……取り戻した方が良いでしょうね」 　革袋の新しさと目印から、ハジとレンが置いて行った物に間違い無かった。微かに頷き交わして、グドンの背から忍び寄る。リーリが愛用の儀礼用長剣の重みを確かめるように柄を握り直し、クリュウが泥と灰と墨の汚れの下に美しい蒔絵細工を隠す鞘に手を掛け、白刃をすらりと抜いた。 　同時に走り出す2人。先にグドンの群れを射程に捉えたリーリが術力を乗せて空を断てば、飛び行く針がグドンの群れを乱打する。木の陰に隠れていたグドンが革袋の紐を引き千切って逃げ出すのを目の端に捉え、全速で駆けるクリュウ。その背に飛び掛って縺れ合いながら斜面を下り、膝でグドンの背を押さえて首元に刀を突き刺した。 　グドンの体の下にじわりと広がる血溜まり。直ぐに乾いた大地へ吸い取られて行く。グドンの手から離れて地に落ち、大きく口を開いた革袋から転がり出ている物に、クリュウは眉を顰めた。 　追いついたリーリが、白く丸々とした幼虫を拾って、食べられる虫だと告げる。貴重な食料だとも。 　虫で、そして食料で。偶然とは言えそれを巡って殺し合う。 　ここはそういう場所だった。 *死亡者：なし *重傷者：なし ●備考 　食料を少量確保。また、霊視材料の奪取と地勢の調査に成功。 　 ●次の項目へ ⇒⇒⇒【相談】≪グドン地域強行探索部隊≫洞窟を越えて