<【第四回通常業務】>

 うむ、その様子を見ると……退屈してきたようだな?
 仕方なかろう、それが通常業務というものだ。
 だが、地図が作られたり、新たな動きも僅かながらあるのだぞ。

□【第四回通常業務】 毀れる紅涙・ティアレス(a90167)

場所:寵姫の私室   2006年08月28日 21時   発言数:14
●護衛士の日常
 やはり寵姫は珈琲が好きらしい。紅茶は余り好まないようだが、ハーブティなら飲むらしい。寵姫と話しながら、禍音・アニエス(a35948)はそんな風に認識した。次いで口にした「夢」の話題に寵姫は曖昧な肯定を見せる。でも、夢と現実はどちらが怖いかしら、なんて微笑んだ。
 眠れないのか、何故眠れないのかを憂いの聖職・エルサイド(a41993)は尋ねる。貴女を救う為に手を尽くしたいのだと言う彼の言葉は、
「…………」
 不愉快そうに黙殺された。細められた青い瞳は、慮れと告げている。無影の暁月夜・イドゥナ(a14926)は黙々と給仕をこなし、寵姫の損ねられた機嫌を補うべく新たな茶葉を取り出した。
 黒き咆哮・ルージ(a46739)は窓辺に気を払い、一日を過ごした。けれど侵入者らしき人影も無く、会談の場が用意された美少年らは、結果が出るまで動きを止めているのだろうと考えられる。蒼鱗水龍・レーン(a46012)は机の上にある童話についてを話題として振ることに成功したが、「それが何」と問われれば其処で話が終わってしまう。推測を口にすべきか躊躇われた。
 頃合を見て武勲詩抄・フレッサー(a37890)が切り出す。殺人衝動があるのでは無いか、原因は王家と関わりがあるのでは無いか。言葉を選んだ問い掛けに、寵姫はくすくす艶やかに笑った。
「あなたが今、踏み込もうとしたものは、決して知ってはならないもの。知っても、変えることが出来ないもの。だから、わたくしは答えないでさしあげるわ」
 知るだけで有害な過去が在るならば、聞いた者は傷付けられる。そう言いながらも寵姫は、気分を害した様子も無く微笑んでいた。それから寵姫は、桃ノソリンの行かず後家・トロンボーン(a34491)が持って来た書物の類に、目を通す程度の興味を持つ。日記を付けるのは自分に向くまい、と青い瞳を細めながら彼女の気遣いに礼を言った。
 しかし夜も更けた頃、
「眠らねば心身が病みますから。ちゃんと眠って頂けないなら、強引に御休み頂きますよ?」
 と言う楽風の・ニューラ(a00126)の進言を受けて、寵姫は判り易い嫌悪を浮かべた。眠った結果に何が起きても護るからと言う彼女の台詞にも、波立った寵姫の感情が治まることは無い。
「……わたくしは囚われの身ですものね。いつ起きていつ寝るかさえも冒険者様の定めに従え、と……そう仰るの。御好きなようになさると良いわ。わたくしも好きに軽蔑させていただくだけ」
 にっこり、華やかな笑みで言葉を括る。
「けれど出来るなら今直ぐ出て行っていただきたいわ。顔を見て居たくありませんもの」
 兎に角場の空気を変える為、オシャレ四天王・ラスキュー(a14869)は甘く柔らかな声音で毒を吐く寵姫に問い掛けた。少なからず強引な割り込みであったが他に仕様が無い。
「ルクレチア様は『人を殺すことは自分が自分である為に必要だ』と仰いましたなぁ〜ん。では、此の侭誰も殺さなければルクレチア様はどうなるのですなぁ〜ん?」
 あら、と寵姫は目を瞬いた。
「答えはもう、出ているのではなくて?」

「あかん。あかんなぁ……」
 見取り図に新たな情報を書き入れたレディ・リーガル(a01921)は嘆息を洩らして頬を掻いた。寵姫がより自由に暮らせるよう、生活範囲を広げてやりたいと願う貴方に捧げる狂死曲・セドリック(a35874)も、現状、寵姫が私室以外を動き廻れるようになるのは酷く困難だと判断する。
 寵姫の私室まで立ち入るのは冒険者による警備が続く限り難しいのだろうが、離宮への侵入は非常に容易いと言わざるを得ないのだ。具体的に言えば、離宮には直接庭園に面した回廊が多過ぎることが原因である。今のところ美少年らが離宮に侵入して来ないのは、美少年らがセイレーン王宮や冒険者の言葉に従っているからだろう。
 朝凪の珊瑚樹・フェイルローゼ(a05217)らは頭痛を感じながらも、何とか見取り図を完成させる。腕が悪いのか、柱が太いのか、壁が厚いのか、隠し部屋が多いのか。書き込んだ図は妙な空白が多いものになったが、警備中に寵姫の私室までの最短――冒険者が知り得る範囲での――距離を知りたい場合には役立つものになるだろう。

「窓からの脱出も侵入も、冒険者で無くば難しいだろうな。美少年らが遣ると、失敗時には下手をすれば即死。良くても骨折だ」
 毀れる紅涙・ティアレス(a90167)は受け取った羊皮紙を確認しながら、詳細は各自の現場判断に任せるが、と軽い口調で吐いた。他にも監視・調査業務の報告も取りまとめながら、ミルクティーを一口、スコーンを一口。余程機嫌が良いらしく、先程から何故かまるっこく見える。勿論見えるだけで、現実にまるいなんてことは有り得ない。
「更に言うなら、寵姫は恐らく脱出せんだろうな。此処だけの話」
「な、なぁん……」
 胃を押さえながら言うティアレスを見て、虹霓・ルーネ(a33126)がわたわたと慌て始める。
 かなり痛そうだ。金髪の男はちらりと少女に視線を遣った。
「寵姫には『逃げる場所』など元より無い。何より、拘束を受け入れたのは彼女自身。閉じ込めたのは冒険者だと肝に銘じておけ。手を取り逃げる機会は、最早無いのだ」
 釘を刺すような口振りで吐いた後に、それから、と甘く微笑んでみせる。
「……ルーネとニューラとエルサイドは、次回好きなだけ胃薬を煎じて良いぞ」
「なぁん!?」
「ルーネの報告だが。態々言いに来るほどのことでも無かろう?」
 窓に注意を払うのは各自が判断すれば良いし、室内監視続行は当初の予定通りで変更でも何でも無いでは無いか。変わらぬ笑顔でティアレスは続けた。別に我は怒っているのでは無いが、と男は笑顔を崩さず紡ぐ。
「今回は『胃薬を煎じる許可』に留めてやる。他にすべきことがあると言うのであれば、行動で示すように。離宮見取り図は我が全員分写して置く。美少年らとの接触も、最低限に留めてくれ」
 そして男は最後に、思い出したような素振りで付け足した。
「通常業務くらい、肩の力を抜くよう全員に伝えてくれ」
 深夜まで相談を頑張り過ぎだ、と彼は小さく苦笑した。


!今回の業務内容確認!

■締め切り:31日(木)8時30分
■第一回通常業務で決定した基準を遵守すること。
■二日程の間、最も重点を置いて行動する選択肢を選び、行動詳細を記述するように。
 行動内容は100文字以内に纏めよ。
 団長室に赴く際は書類に纏めたとして、更に100文字分の文書を持ち込むことを許可。

 1. 寵姫の監視<選択者が8人未満時、通常業務大失敗>
   (11)
 2. 離宮内の捜査
   (2)
 3. 美少年と接触
   ()
 4. 団長室で相談
   ()
 5. その他<団長の為に胃薬を煎じる、等を含む>
   ()

レディ・リーガル(a01921) 2006年08月31日 00時
寵姫の世話をしつつ、監視。様子に注意し、早い段階なら話かけ意識を戻す。危険があれば抱きしめて拘束、落ち着くまで離さない。折をみて、お礼を言い忘れていたと伝える。「うちらの我侭叶えてくれて、おおきにな」(1. 寵姫の監視<選択者が8人未満時、通常業務大失敗>)
黒き咆哮・ルージ(a46739) 2006年08月31日 00時
監視体制は前と同じ。有事の際には咆哮で拘束し仲間を呼ぶ。様子が変わられたのを心配しつつも今まで通りの行動を。昼間の監視時に「辛い、なぁ〜ん…?」と一言。少しでも気持ちを吐露してくれる事を願う。(1. 寵姫の監視<選択者が8人未満時、通常業務大失敗>)
朝凪の珊瑚樹・フェイルローゼ(a05217) 2006年08月31日 00時
室内で監視の際に質問「貴女様は、いつもご自分の為でなく誰かに望まれて生きていらっしゃるように思えてしまいます。民の為でなく施政者としてでなく。ご自身だけのお心で生きたいと思われた事はございますか…?」(1. 寵姫の監視<選択者が8人未満時、通常業務大失敗>)
蒼鱗水龍・レーン(a46012) 2006年08月31日 00時
監視の傍ら、【童話】を手にとって読ませて頂けないかお願いする。せめて寵姫に内容を教えてもらう。「わざわざ寝室に置いているなんて、寵姫のお気に入りの本ですの? どうぞ内容を教えて下さいませ」(1. 寵姫の監視<選択者が8人未満時、通常業務大失敗>)
楽風の・ニューラ(a00126) 2006年08月31日 00時
「妙な空白」の調査。叩いて空洞か調べ、場合によってはなるべく目立たない部分に穴を開け中を覗く。地図にそれぞれの空白につき隠されている物の有無を書き込み、判別が難しい時は後でラスキューさんに見て貰う。(2. 離宮内の捜査)
禍音・アニエス(a35948) 2006年08月31日 00時
少しでもリラックス出来るようお茶汲みや話をしながら監視。夜に交代時、子供染みた気休めかも知れないけれど、と「怖い夢を見ないおまじないです」と額にキスし、朝には美味しい珈琲を淹れますね、と挨拶して退室。(1. 寵姫の監視<選択者が8人未満時、通常業務大失敗>)
貴方に捧げる狂死曲・セドリック(a35874) 2006年08月31日 00時
夜間監視の際、寵姫に寝所の傍に控えさせていただいて良いかを聞き(拒否されたら同班の女性と交代)彼女が寝付くまで傍らで静かな音楽を奏でる。彼女が実際どの程度眠っているか、睡眠時の様子等を知っておきたい。(1. 寵姫の監視<選択者が8人未満時、通常業務大失敗>)
武勲詩抄・フレッサー(a37890) 2006年08月31日 01時
『そうだな、過去は変わらぬ。ならば未来を変えられると良いな。率直に聞くが衝動の発現時、殺める事無く治まった事はあるのだろうか?一つの可能性として、衝動が治まるまで抱き留め、衝動を克服できぬものかな』(1. 寵姫の監視<選択者が8人未満時、通常業務大失敗>)
虹霓・ルーネ(a33126) 2006年08月31日 01時
夜間監視にて添い寝を申し出る(拒否されたら傍に控えるのみ)横になりながら幼い頃に聞いていた子守唄や故郷の伝承、星の瞬きのお話等をしてゆっくりとした時間を過ごして頂く。睡眠不足はお肌の大敵とおどける(1. 寵姫の監視<選択者が8人未満時、通常業務大失敗>)
オシャレ四天王・ラスキュー(a14869) 2006年08月31日 01時
寵姫に夜這い。トロンボーン殿に武器を預け、2人きりにしてくれるようC班の皆に頼む。「拙者の心はあの日と同じです→ル〜クレチア様〜!」身の危険を感じたらウェポンオーバーロードで合図&寵姫を抱いて抑える。(1. 寵姫の監視<選択者が8人未満時、通常業務大失敗>)
桃ノソリンの行かず後家・トロンボーン(a34491) 2006年08月31日 01時
監視行動は第二回と同じく。「成功を祈るなぁん」ラスキューの夜這い時は武器を預かり、呼ばれたらすぐ入れるよう扉前に待機。合図があり次第部屋に踏み込み、彼へ鎧聖降臨をかけ怪我を負わせないことを第一に行動。(1. 寵姫の監視<選択者が8人未満時、通常業務大失敗>)
憂いの聖職・エルサイド(a41993) 2006年08月31日 02時
庭園、回廊を巡回し美少年の侵入を警戒。今の所は王家の命に従ってくれているので刺激せぬようハイドインシャドウを使う。侵入者がいたら粘り蜘蛛糸で拘束。何事もなければ庭園や回廊、遠目から本宮の様子を具に観察(2. 離宮内の捜査)
無影の暁月夜・イドゥナ(a14926) 2006年08月31日 08時
監視、寵姫への接触共に前回と同様に行うが、他の者と会話をしている間に寵姫の言動から状態を推察する事を心掛け、視線が無遠慮なものとならないよう回数・時間を抑え目に留意。視線が合う事などがあれば会釈等で返す(1. 寵姫の監視<選択者が8人未満時、通常業務大失敗>)
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