<アビリティ講座〜明日の依頼成功の為に〜>
■Lesson3:獣達の歌(吟遊詩人・初級)
 
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「アビリティは、冒険者だけが使える強力な力です。アビリティを使いこなす事で、敵を倒し依頼を成功に導く事ができるでしょう。 
 逆に、アビリティを使いこなす事ができなければ、敵に倒されたり依頼に失敗したりするかもしれません。 
 このコーナーでは、使いこなすのが難しいアビリティを選んで毎月1つづつ説明を加えていきます。 
 第3回の今月は吟遊詩人の初級アビリティ『獣達の歌』を徹底特集しますね」  |    
<獣達の歌(吟遊詩人初級 心)> 
 獣と話をする事が出来るアビリティです。この歌を歌っている間、獣達と意志を通じ合えます。 
 質問等がある場合は、歌詞に織り込まなければなりません。 
 動物達に何かを命令することは出来ません。 
 
 射程 :10m 
 効果 :動物と歌いながら話す 
 持続時間 :1戦闘中 
 制限 :- 
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■特徴
 獣達の歌は説明の通り、歌を歌う事で獣達と意思疎通が行えるアビリティです。 
 この歌の歌詞はそのまま動物に伝わり、同時に使用者は歌いかけられた動物の意思を人間の言葉として理解する事ができます。(傍目には歌を歌っている人間と、鳴き声をあげている犬……という光景に見えたりします) 
 この間、歌いかけられた動物は『ごく普通の5歳の人間の子供に相当する知能を持っている』として扱われていて、使用者は質問を歌詞として織り込むことで、動物達から彼らの知っている情報を引き出す事ができるのです。 
 
 獣達の歌というアビリティを理解する上で大事なのは、動物と意思疎通が行える『だけ』という部分です。 
 人間と同じように動物にも時には虫の居所が悪い事もあるでしょう。それに全ての動物が人間に友好的だとは限りません。 
 例えばもし貴方が寝ている所を起こされて、「買い物に行って来い」と命令されたら、良い気分はしませんよね。 
 動物と意思疎通を図りたい時は、人と接する時のように相手の都合などを考えてあげると、きっと意思疎通をスムーズに図る事が出来るでしょう。 
 
【会話例】 
使用者「♪ こんにちは〜♪ ご機嫌、いかがですか〜♪」 
犬『わん、わぅ〜ん(こんにちは、きもちは良いよ〜)』 
使用者『♪ それじゃ、ご一緒に、遊びましょう〜♪』 
犬『わんわん、わうーん(さっきごはんを食べたの。だからおひるねしたいのー)』 
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■注意点
●5歳児の知能その1 
 特徴の方でも書きましたが、獣達の歌を使用している間、対象の動物は『ごく普通の5歳の人間の子供に相当する知能を持っている』として扱います。 
 これはつまり、可愛らしい子猫や、威厳のありそうな大角鹿でも、獣達の歌の効果中は等しく5歳児の知能を持っているものとして扱われているのです。 
 ただ。実際には同じ意思を表している場合でも、動物が変わればその受けるイメージは大きく変わるでしょう。 
 
【お腹が空いた動物へ「空腹ですか?」と聞いてみました】 
可愛らしい兎『おなかすいたよー、どっかにエサないかなー』 
威厳のある大角鹿『ああ、空腹だ……食べられる物を探さねばな』 
凶暴そうな熊『腹ぁ? 減ったぜ、お前を食わせてくれよ』 
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 こんな感じですね。 
 
●5歳児の知能その2 
 獣達の歌の効果が続いている間、動物は過去の記憶や現在の状況を『5歳児が覚えている程度』で理解しています。なので、過去に起こった事の質問をしても動物は5歳児の記憶の範囲で答える事ができるのです。 
 ただし、この動物が5歳児の知能を持っているのは『獣達の歌の効果がかかっている間だけ』です。獣達の歌の効果が切れると、その動物が本来持っている知能に戻ってしまいます。 
 獣達の歌中に話した事も、本能で生きている動物はあまり気にしなくなってしまうのです。 
 
【気にしなくなってしまう例】 
使用者「♪ この手紙を〜角を曲がった所にある赤い屋根のお家にまで届けてね〜♪」 
猫『にゃにゃん? にゃーん!(赤いやねのおうちだね? わかったよ!)』 
 手紙を咥えて歩き出す猫。 
猫(「赤いやね、赤いやね……ん? この匂いは……魚の匂いだ!」) 
 猫はふらふらと魚を焼いている民家へ寄り道してしまいそうになる。5歳児の知能なので仕方のない事だろう。そのうち猫は使用者から10m遠ざかり、獣達の歌の範囲から外れてしまう。 
猫「にゃーん」 
 獣達の歌の効果が切れた猫は鳴き声と共に手紙を口から離すと、気まぐれに街中へと消えていくのだった。
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 このように動物には自然に見たものを尋ねることは出来ても、例えば偵察させるという事は難しい(一度効果が切れた動物に出会い、再度獣達の歌で話す事が出来れば可能ですが……)という事に注意しましょう。 
 
●依頼で動物を説得する時の注意点 
 獣達の歌中、動物達は5歳児と同じ頭のよさがあるので、子供に言い聞かせるように説明すれば言う事を聞いてもらえるかもしれません。 
 しかし『5歳児の知能その2』でも説明した通り、動物達の知能が元に戻った後、彼らは本来の知能に従って行動します。注意すべきはこの、本来の知能に戻っても言う事を聞いてくれるか、という点です。 
 
 例えば、森にモンスターが出現したので森から逃げてきた熊がいたとします。 
 この熊を森に帰るよう説得する場合、仮に説得が成功し一旦熊が森に戻ったとしても、いずれまたモンスターに脅かされて森から逃げてきてしまう事は想像に難くありません。 
 動物が同じ行動を取るのをやめさせるには、なぜ動物がそういった行動を取ったのか? という部分に目を向けて、根本的な問題を解決させてから説得を試みる事が有効です。 
 例の場合ならば原因となったモンスターを退治した後に、森に戻りなさい……といった説得をすると、熊が森から出てこなくなる確率はかなり高くなるのではないでしょうか。 
 
●情報収集時の注意点 
 情報収集時にも大事なのはやっぱり動物の知能は5歳児程度、という事です。 
 歌詞がそのまま動物へと伝えられるので意思疎通自体には不自由しませんが、5歳児には難しい概念や込み入った話は、噛み砕いて判りやすく説明してあげましょう。 
 多くのシナリオではリプレイの流れから、この判り易く説明している会話部分がはしょられていますが、実際には苦労して動物達から情報を聞き出しているんだな、と考えて下さい。 
 
●獣達の歌で会話できる対象 
 獣達の歌の効果があるのは鼠以上のサイズの動物です。 
 鼠よりも小さなサイズの昆虫、他にもグドン、モンスター、アンデッド、ピルグリム等には獣達の歌で歌いかけても意思疎通出来ません。 
 また、元が鼠より小さなサイズの昆虫が突然変異で巨大化した場合についても獣達の歌で意思疎通する事はできないので注意しましょう。
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