<アビリティ講座〜明日の依頼成功の為に〜>

■Lesson5:バッドステータスについて


ヒトの霊査士・リゼル 「アビリティは、冒険者だけが使える強力な力です。アビリティを使いこなす事で、敵を倒し依頼を成功に導く事ができるでしょう。
 逆に、アビリティを使いこなす事ができなければ、敵に倒されたり依頼に失敗したりするかもしれません。
 このコーナーでは、使いこなすのが難しいアビリティを選んで毎月1つづつ説明を加えていきますが、前回に引き続き今回も特別編でお送りします。
 第5回の今月はアビリティで付与される事も多い『バッドステータス』について徹底特集します」


■バッドステータスとは?

 バッドステータスとは、冒険者のアビリティや、モンスター等の特殊な攻撃によって被る『状態異常』の事をいいます。
 麻痺や眠り、或いは毒などのバッドステータスは、冒険者には馴染み深い物ですよね?
 これらのバッドステータスは、特別な説明が無い限り、数分間(1戦闘中)で効果が終了します。
 つまり、放っておいても数分後には回復するのです。

 しかし、たかが数分間と侮ってはいけません。超人的な冒険者とモンスターの戦いだって時間にすれば数分間の出来事なのですから。
 仮に『1戦闘中の間マヒでずっと動けない』という事態を想像してみましょう。敵に袋叩きにされて、マヒ以上の致命的なダメージを受けてしまいそうですよね。
 ここで運の良い―――つまり幸運度の高い冒険者ならば、それよりも短い時間、ほんのちょっとでバッドステータスから回復する事も可能です。そんな幸運度の重要性については後述しますね。

 ちなみにバッドステータスから回復する時は、『毒』と『眠り』など複数のバッドステータスに掛かっていても、全て一気に効果が消え去ります。『魔炎』で草などの地形に燃え移った炎は、効果時間が切れる数分間まで延焼が続いていますけれど。

■バッドステータスを理解しよう

●データで見るバッドステータス
 実はアビリティで与えるバッドステータスには『強度』というものがあります。
 例えば気高き銀狼なら『拘束2』、眠りの歌なら『眠り2』、紅蓮の咆哮なら『マヒ4』など、それぞれのアビリティによって『強度』……バッドステータスを与える確率が違うのです。
 簡単に説明すると、バッドステータス横に書いてある数字が『強度』で、この数字が大きいほど、バッドステータスを与えやすいアビリティなのです。
 以下に、大雑把ですが、アビリティとバッドステータスについてのデータを公開しましょう。

※1〜10、11〜20、21〜30、31〜40、41〜50という各レベル代の平均的な能力値の冒険者相手に、それぞれ気高き銀狼(拘束2)、フールダンス♪(踊り4)、幻惑の剣舞(消沈8)、暗黒縛鎖(拘束16)が命中した時、冒険者へバッドステータスを与えるかどうか
  レベル1〜10 レベル11〜20 レベル21〜30 レベル31〜40 レベル41〜50
気高き銀狼(拘束2) 五分五分 あまり期待できない まず与えない まず与えない まず与えない
フールダンス♪(踊り4) だいたい与える 五分五分 あまり期待できない まず与えない まず与えない
幻惑の剣舞(消沈8) まず与える だいたい与える だいたい与える 五分五分 五分五分
暗黒縛鎖(拘束16) まず与える まず与える だいたい与える だいたい与える だいたい与える

 如何ですか? 勿論、これは平均的な能力値でのデータなので、相手の能力値が平均よりも低い場合はもっとバッドステータスを与えやすくなりますし、その逆もありえます。
『レベルの高い冒険者や強そうなモンスターにはバッドステータスを与えにくい』とだけ覚えておき、バッドステータスを与えられなくても戦闘に勝利できるように作戦を練ると、きっと依頼も良い結果を残せるようになるのではないでしょうか。

 ちなみに、このアビリティの強度は、自分のキャラのアビリティ画面、アビリティの説明部分にある『効果:○○』という箇所に表記されています。依頼の出発前に、活性化しているアビリティは敵に通用しそうなのか、確認してみるのも良いかもしれませんね。

●バッドステータスからの回復方法
『バッドステータスとは?』でも述べたように、バッドステータスは幸運度チェックに成功すると即座に回復する事ができます。
 毒消しの風などの状態異常を回復させるアビリティも、システム的には「毒消しの風を掛けた相手に幸運度チェックをさせる」という効果であり、相手が幸運度チェックに失敗したら、毒消しの風を使ってもバッドステータスから回復しなかった、ということになります。
バッドステータスからの回復の鍵を握るのは『幸運度』なのです。
 なので、以下のような幸運度チェックが発生しない回復方法を行っても、基本的にバッドステータスからは回復しないのです。

よくある間違った回復方法
・『混乱』または『消沈』した仲間を殴って正気に戻す(効果はありません)
・『出血』を包帯などで止血して回復(通常の出血ではないので、効果はありません)
 仲間に殴られて正気を取り戻した……といった経験がある人もいるかもしれませんが、実は(たまたまその時に)幸運度チェックで回復しただけなので、勘違いしないように気をつけましょう。

 なお『眠り』のバッドステータスだけは、眠っている人を殴ったり、揺り動かしたりすれば起こす事ができるのです。


<コラム:幸運度チェック>
 幸運度チェックとは、バッドステータスを掛けられた側の幸運度を基にして、そのバッドステータスから運良く回復できるかどうかを判定する事です。
 もちろん幸運度が高いほどバッドステータスから回復しやすくなるのですが、ひとつ注意しなければならない点があります。

 それは幸運度の最高値、『豪運』の場合でも幸運度チェックに成功する確率は60%だという事です。60%の確率ならば、何回もチェックに挑戦すればじきに回復するでしょうが、すぐには回復できないかもしれません。
「自分は豪運だから、バッドステータスに掛かっても、すぐに回復できるや」とタカをくくっていると、思わぬ場面で足を掬われてしまうかもしれませんよ。

 ちなみに、一般人の幸運度は『大凶』です。なので一般人がバッドステータスを受けると、戦闘中はなかなか回復できません。依頼に一般人を同行させる際は細心の注意を払いましょう。


●バッドステータス&アビリティトリビア
 最後に、依頼時に役立つかもしれない、ちょっとした豆知識を紹介します。

・バッドステータスを被っていても防御判定を行える!
『マヒ』や『踊り』など、自分が思うように動けなくなるバッドステータスでも、防御判定だけは行う事ができます。
「マヒしている敵は防御判定ができないので、カラミティエッジで必ず殺せる!」などという事はありませんので、注意しましょう。


・眠らない敵もいる
 眠りのバッドステータスだけは、眠る事が無い敵には効果がありません。
 つまり『アンデッド』には効果が無いのです(マヒなどは効果がありますよ)。
 なお、植物型の変異動物や非生物型のモンスターなどは、眠りのバッドステータスを被ります。
 見掛けでは判りづらいですが、植物も眠ってる時があるんですよ。


【領域LV】を持つアビリティは、同じ戦場に重ねて掛けることができず、掛けた時の成功レベルが高いもの1つだけを適用する
 フォーチュンフィールドとミストフィールドの効果を一度に発揮させる事はできないんですね。ちなみに、アビリティがどれだけ成功するかは使用者の能力値に影響して、成功レベルが同じだった場合、先に掛かっていたアビリティの効果が残るんですよ。


援護の制限があるアビリティは、対象に無理やり掛けることはできない。対象は、希望するだけで、自動的にこのアビリティを無効化できる
 かけられる側にその気がないのならば、かけられたアビリティを無効化できるんです。具体的には鎧聖降臨や幸せの運び手、更に癒しの水滴なども望めば無効化できます。


・アビリティの拡大解釈に注意!
 ブラックフレイムで森に火をつける(焼けたようなダメージを対象に与えるだけで、実際に焼けるわけではありません)、紅蓮の咆哮で叫んで遠くの仲間に無事を知らせる(紅蓮の咆哮が普通の叫びより声が大きくなるわけではありません)など、本来のアビリティの効果から逸脱したアビリティの使い方はまずできないか、素直に行動するよりも効率が悪くなるので気をつけましょう。