|
●概況 キシュディム護衛士による捕縛作戦は、とある湖畔の集落を舞台とし、悪しき思想を信奉する者共を獲物とし、夜の帳が降りた刻限、見事な成功を収めた。バルマン一派との戦いにおいて、これほどまでに相手の意表を突いた策はなく、最も高い成果をあげたとしても過言ではないだろう。 多くの敵方リザードマン冒険者を捕らえたことで、バルマンの力は大幅に殺がれたはずである。リタの身を案じ、マルツの領主館へと護衛に赴いた者、囚われの身となった敵方リザードマン護衛士との友好を築いた者、治安を維持するために領内を所狭しと巡った者……多くの力が合わさってこその素晴らしい成果であった。 以降、キシュディム護衛士たちに求められることは、これだけに留まらず、こちらから能動的に働きかけ、常に先手を取り、バルマン一派を追いつめてゆくことだろう。 その手始めとして、『湖畔の焦点』作戦において捕らえられた敵方リザードマン冒険者たちの訊問が予定されている。素手でも高い攻撃力を誇る武道家が含まれているため、環境面、手順面での検討を要するだろうか。仲間内での離間を強いるなどの心理的なゆさぶりをかけ、できるだけ多くの情報を手に入れなければならない。 期間は月の半ばより後半まで、重点任務として行われる。 リザードマン護衛士団の再編案について、王都に各護衛士団を招集し、会合の場を設けることが決定した。海千山千の古参リザードマン護衛士が集まるであろうことが予想される、キシュディム護衛士たちには慎重な対応が求められるだろう。 会合は非公開で行われることがすでに定められており、その旨が先方にも通達されている。キシュディム護衛士は適切な案を提出、その説明を行い、必要とあらば質疑に答える必要がある。なお、リザードマン護衛士団から事前に、王府ならびにキシュディムへの要望が集められており、近々、ベベウの手元に揃う手筈となっている。 その後、月の中頃までには護衛士依頼としてアイザック王よりお達しが届けられるはずである。 農作物の生育は順調そのもの、それほど多くはない護衛士たちが、それでも的確な働きを見せて、立派な成果をあげたようだ。治安維持にかかる比重が軽くなるものと思われることから、国内生産の工場に多くの力を注ぐべし、との号令がアイザック王より下された。 だが、治安をおろそかにしてもよいというわけでは決してない。黒への案内人・アムリタは東方へと向かっている。旧体勢において実利を得ていた者たちがないか、その上方を集めるためだ。未だに力を持つ者も少なくはないらしい。彼女の同様に、死ぬまで不死身・ランブルは王都より離れ、南方において情報収集を行った。多くの人が行き交うだけに、雑多なものを含み問題ごとが多いようである。 永遠求めし無限の獄焔・メビウスは気まぐれに思い立ち、アイザック王の護衛任務に就いたものの、「まさか王たる身分に在る者が好き勝手な行動をしよう筈も無いだろうからな」なる皮肉による抑止が見事なまでに空振りとなり、あちらこちらへと振り回される結果となった。 彼がもっとも肝を冷やした瞬間は、市井へと踊りだしたアイザック王が肉屋の店先で見せた、梁より吊り下げられた肉へのファイアブレードであったらしい。同行した黒の迷い猫・ソフィーは、初めての王警護の任務からしてこれでは、相当な災難であったはずだが、不思議とあまり応えた様子ではなかった。むしろ、王の気まぐれが楽しかった――とのことである。 ベベウの護衛を買ってでたのは、天地を裂く黒炎の重戦車・ナムールだった。彼は団長の部屋に常備されているという茶菓子の噂を聞きつけ、雪月天貴・マイヤと共に執務室を訪ねたのだが……開かれた扉より現れたのは、ベベウの格好をし、物真似めいたものまで披露する蛍の守護騎士・ジークであった。留守にする護衛士に成り代わり、悪漢の目を誤魔化そうというのである。 その後、三名は王都に繰りだし、治安状況をつぶさに見て取った。ナムールは茶菓子を求め、マイヤは帰室したベベウに伝える話の種を探し、偽霊査士は奇妙な体験を得た。どういうわけか、妙に、ジークは、同性にもてた。 歌う山伏・ハルの指揮の下、リザードマン兵士たちの訓練が行われた。砦工房より離れ、北方拠点や西方の天幕本部で働く兵らも多いため、砦工房に残されている兵は経験の浅い者たちが多いようだ。 マルツ領を尋ねたのは、蒼月の夜猟者・ヤトたち。彼らからは、リタの子に関する新たな情報が寄せられた。その名が決められたというのである。 ルーカス、それがマルツとリタの間に生まれた少年の名である。 領内のあちらこちらを、えっちらおっちらと奔走する漫遊詩人・ドンは、リザードマン護衛士団と行う闘技大会を現実とするために、会場となる都市を物色中。王都ではなく別の候補地がないものかと、何名もの有力者と対面したところ、好感触であったのは南方の商業都市、西方の農村地帯といった土地であった。 書類整理を願うために、とある部屋を訪れた極楽蜻蛉式武装少女・アムルは、そこで疲労困憊した様子の螢火夢幻乱飛・メディスと出会った。キシュディムを離れた姉と慕う女性の代わりに、メディスは、山と積まれた羊皮紙たちとの物静かではあるがしつこく、なかなか終わりそうにない戦いを繰り広げていたのだ。 野良作業にでかけようとしたアムルを、憂いに満ちた眼差しで呼び止めたメディスの元へ、カボチャのスコーンを持参し訪れたのは隠遁者・アリエノールだった。彼女たちは夜が白けるまで書類の整理を進め、その結果としていくらかの余白が机上に現れたとのことである。 ●王都の様子 (先月比) 【農 業】639/??? +32 【商 業】488/??? +18 【貢献度】397/999 +101 【治 安】100/100 +80(依頼+50) ――砦工房―― 【兵訓練】 92/100 +10 【製 造】492/??? +3 数値は、国の象徴たる王都のものです。領内の状況を王都の様子から概観することができるというわけです。ですが、数字に置き換えられぬ部分も多々あり、すべてを把握できるものではけっしてありません。 この数値化は、キシュディムを担当するMSである水原が、独自に管理しているものです。通常任務などの効果が反映されますので、護衛士としての活動の目安としてください。 毎月、一度の更新となります。 ●護衛士の任務 ――通常任務【青】―――――― ・訓練所で兵士たちを鍛える ・治安の維持 ・国境哨戒 ・アイザックの護衛 ・リザードマンGGとの修好 ――通常任務【赤】―――――― ・砦工房の運営 ・農業の発展 ・商業の発展 ・公共事業への協力 ・リザードマンGGとの修好 ――【重点業務】――――――― ・その時点での最も重要な課題 ・食糧問題 キシュディムでは、所属する護衛士たちが【青】と【赤】の班に別れています。それぞれが、担当する領域は上記の通り。ですが、他班の活動に参加することに規制はなく、むしろ、自由な行き来を奨励しています。 ●施設の紹介 【グリモアガード(GG)本部内の施設】 ・聖域前広場 :丘の上。宿舎とノソリン小屋がある。 ・護衛士詰め所 :塔の二階と三階。 武器庫、書庫、くつろぐための居間がある。 ・グリモアの間 :丘の内部に広がる、湿原のような地下空間。 ・ベベウの執務室:霊査士が控える。隣はその寝室。 【リザードマン王国首都】 ・首都市街地 :武骨な建築物が立ち並ぶ、国家の中枢。 ・訓練場 :市街地と郊外の境にある施設。 【砦工房と新村】 ・砦工房 :王都の南東、主要街道に面する施設。 200名のリザードマン兵士が常駐する。 24基の炉が設けられ、精鉄の技能を学ぶことができる。 クワやスキ、刀剣や盾、装身具など生産可能。 10匹のノソリンが配備されている。 ・農地 :新しい農業を国内へ頒布させるためのモデルである。 ・街道 :王都から砦工房へと伸び、さらに北へと進む主要な道。 ごくごく限られた区域のみ石の舗装が成されているが、 多くは人の足で踏み固められただけの隘路である。 花咲く季節となれば、金木犀などが縁を彩る。 陽光の砦リドマーシュへと伸びる、 西方への道が開通した。 【北方拠点】 ・本部 :7本の柱からなる堅固な建物。 たくさんのベッドが連なる寝所を持つ。 大きな丸いテーブルは、会議や親睦の場。 小さな隠し部屋が地下にあるが、用途は不明。 チリひとつなくきれい。 窓辺には風鈴が下げられている。 ・物見櫓 :高さ5メートルほどの石の塔。 狼煙を装備。 ・石垣 :堅牢な護り。上部には通路が設けられている。 ・側溝 :石垣に沿って掘られている。 今のところ穴だけだが、ほぼ垂直で登りにくい。 ・医療施設 :清潔な病床を持ち、調理施設も備えている。 屋内に井戸を持つ。 ・避難地 :泥濘んだ土地のため、たまに水が漏れだす。 避難民のテントが並ぶ。 農地や、鍛冶のための炉が築かれている。 【西方街道】 ・天幕本部 :数十のテントからなる。 リザードマン護衛士と工兵が滞在中。 以上、これらの場所で、護衛士の皆さんは活動を行えます。 国土は広大ですから、他にも農地や河川、湖、都市や村々といったものが多数あります。地形の特徴は、沼地が多いものの平坦な場所が多いようです。 ●NPC人物紹介 ・アイザック :愚直な戦士として未だに多くの信望を集める王。 最近は領内の探訪にご執心。 ・ルタ :影の宰相と目される有能な文官。 現在は王都を離れ、マルツの元に身を寄せる。 彼との間に生まれた子は男児であった。 現在、体調を崩している。 ・マルツ :南部の若き領主。 ルタとは深い絆で結ばれている。 ・バルマン卿 :その館は焼け落ち、行方知れずに……。 旧体制派の首領と断定された。 ・カルロ :バルマンの子息。危険な旧体制の信奉者。 現在、その身分はマルツに預けられている。 ・ザマー :リザードマン護衛士団で団長を務める重騎士。 ルタとは友人であるらしい。名はモニカ。 ・ミラスラス :ザマーの元で副団長を務める、切れ者。 丸顔で童顔だが、人の間に立つことが上手い医術士。 ・バリッチ :亡き友の名を冠する、ホアキン商会の若き当主。 チキンレッグ領との交易路を切り開いた有能な人物。 ●リザードマングリモアガード 複数の護衛士団が、国内に点在している。所属するのは、いずれもリザードマンの冒険者のみ。 体制の転換期に、自ら引退した冒険者も少なくなく、規模は50名程度の護衛士によって構成される程度となっている。 反体制派に与し、離脱する者が続発した結果、さらにその勢力は弱められてしまった。 ●MSより ・護衛士シナリオは、すべての皆さんが目を通しているとの前提で、今後、展開を広げていきます。名前付きのNPCの性質や、彼らとの関係が、ゆくゆくは王国の政情にも絡んでくる……やもしれません。 ・ついでに、評価もしてやっていただけると、根が単純な水原がものの見事に喜びますので見物です。 ・いちばん上のスレッドには、重要な内容を記載するようにします。 ・基本的に、雑談や護衛士シナリオに関する相談のスレッドは、自由に立てていただいてかまいません。 ・各スレッドは、50を越えたあたりを目安に、適宜、有志が立て直すようにしてください。 (総合案内に、追加したい事柄がある場合のみ、このスレッドへの書き込みを許可します。皆で、使いやすく、わかりやすい案内にしていきましょう) |