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●概況 ほっかむりなる楓華風の出で立ちで出立したアイザック王を追い、『覇道の宮』へと続く山道のなかほどで彼と合流したキシュディム護衛士たちは、闘技大会の最後の舞台として選ばれた歴史ある建物から、見事、荒くれ者たちを排除することに成功した。 地方の四会場、そして、決勝が行われる一会場が定められた。 南方の『金杯の練場』、東方の『覇道の宮』、西方には『水鏡の望楼』、そして『北方拠点』に、決勝大会の開催地には中央の王都である。 もうひとつ、昨月の重要な決定としてあげられるのは、『北方拠点』が新たな村とするための投票、その結果であろう。護衛士たちの投票により、避難民たちの宿営地は新たな村として認められる運びとなったのだ。 定住が認められたことにより、かつての避難民たちはその暮らしを高めるべくいっそうの努力を重ねてゆくだろう。人々を援助するべく、砦工房のリザードマン工兵たちは、こぞって『北方拠点』へと赴任したようだ。 リザードマン工兵らの存在が、新村のまわりに点在する集落との関係を、改善あるいは悪化させるかは、今後のキシュディム護衛士たちの働き如何によるところであろう。 皓闇・ユーティスは北方拠点へと赴いて、その周囲に点在する村々を尋ねた。避難民たちの宿営地が設けられる際に、十分な根回しを行っていた結果、住民たちの感情はおおむね良好のようである。 しかしながら、新たな村を築きあげるための支援が決定されたという点については、自分たちは王府に見放されている、と言葉を荒げる者もあったようだ。 其は命護りし天空の聖楯・クリムヒルトは、家畜の放牧などに使える土地の調査に乗りだした。やや集落からは離れてしまうが、山間になら適当な土地を確保することも可能なようだった。 亜麻色の髪の天使・アクラシエルと儚き花・セラフィンのふたりは、北方拠点の周囲に適した作物を調べあげ、新村のモデル農地からいくばくかの苗木や種子などを、北の村へと運びこんだ。気候は問題ない。泥濘ばかりの土壌の解決が大きな問題だった。 北方拠点の地下室へと潜りこんだ赤い狐の・サンクは、納屋のように扱われている様を見て愕然とした。物資を備蓄するにしても、まだまだ余白は大きく、樽の転がる有様は非経済的だった。 最近の若い者は年末年始返上で勉学に励む――と、感心しきりの博士・ユルは、砦工房に配属されたばかりの新兵たちを相手に、びしばしと教鞭を振るった。 彼の訓練がようやく終わったと工兵らが安堵したのも束の間、次にやってきたのは溌剌とした様子の世界を駆巡る暴風・ノーラ。彼女が振るった教鞭は、びしばしとは鳴らなかったが、それでも工兵たちはくたくたになるまで身体をいじめ抜いた様子である。 蒼闇の朧月・クレアは、砦工房の職人たちを尋ね、彼らの手伝いをし会話を交わして交流を深めた。『龍鱗堂』の品々は、確実にリザードマン領の各地へと運ばれているようだ。 孤独を映す鏡・シルクは、ホアキン商会のバリッチを尋ねた。若き当主に尋ねてみたところ、このところ王都においておかしな品物の流れは見受けられない、とのことだった。 一握の良識・シェルディンはリザードマン領の各地をめぐり、その安定を司るリザードマン護衛士団の本部を尋ねた。どの地においても、闘技大会への参加を表明する者が少なからずおり、団長による選抜などが行われている護衛士団もあるほどだった。国中をあげての大会の成功に向けて、リザードマン護衛士たちの意気も高い。 マルツの領主館を尋ねたのは、久方ぶりとなる難攻不落の渇き・キオウ、そして、初めての訪問となる剛健たる盾の武・リョウのふたり。キオウが持参したスコーンを差しだすと、ルタは拳のように固くなった品にちらりと目をやった後、「あとで温めてからいただきましょう」、と言った。 しばらくの歓談の後、寝室へとさがったルタの背は小さかった――とは、リョウの言葉である。産後にも関わらず、すぐに肉が落ちてしまったのだから、体調はあまりよくないのだろう。 マルツとは多忙のため会えなかった。 月下雪影の寒椿・セレスティアと深林の思索者・カスミ、そして、護衛を買ってでた蒼鴉旋帝・ソロの三名は、王都より離れ、領内各地の調査を行った。住民の大半は折をみての物々交換で暮らしているが、名のある集落では日々品物が移動している。 彼女たちの調べにより、羽振りのよい新興のリザードマン商人なる存在が浮かびあがったのは、領内の東部でのことであった。 東方には、紅の武人・ヴァレリーたちが乗りこみ調査を行っていた。彼はマルツより伝えられた人名を頼りに、不可思議な品の流れを辿った。斑鱗の濡羽色・クナは鍛冶屋をめぐり、不穏な動きを探った。 そんな折、暁の幻影・ネフェルからベベウへと手渡されたひとつの品物があった。それはかつて、『≪勇猛の聖域キシュディム≫気高き悪意――カルロ捕縛』において、悪漢カルロの帽子から落ちた一枚の羽根飾りである。 数名のキシュディム護衛士の手を経て、ベベウの元へと届けられた羽根飾りは、いかな事実を彼らにもたらすのだろうか――。 いつものように、縁・イツキは山と積まれた書類の整理に追われている。執務室にベベウの姿は見られない。慌てた様子での会釈だけを残して、王府へと駆けていってしまった。羽根ペンをとった彼女は報告書の作成に取りかかった。『覇道の宮』において黒水王がしでかした破壊活動については、ルタへと届ける文書に記さずにおくつもりだった。 なお、ベベウより、今月も【青】ならびに【赤】の護衛士による通常任務を、前半と後半の二部構成ではなく、これより月末までの一期としてほしい旨の連絡がなされている。 ●王都の様子 (先月比) 【農 業】718/??? +7 【商 業】582/??? +10 【貢献度】432/999 +312(−500) 【治 安】100/100 +20 ――砦工房―― 【兵訓練】 90/100 +9 【製 造】573/??? +9 数値は、国の象徴たる王都のものです。領内の状況を王都の様子から概観することができるというわけです。ですが、数字に置き換えられぬ部分も多々あり、すべてを把握できるものではけっしてありません。 この数値化は、キシュディムを担当するMSである水原が、独自に管理しているものです。通常任務などの効果が反映されますので、護衛士としての活動の目安としてください。 毎月、一度の更新となります。 ●護衛士の任務 ――通常任務【青】―――――― ・訓練所で兵士たちを鍛える ・治安の維持 ・国境哨戒 ・アイザックの護衛 ・リザードマンGGとの修好 ――通常任務【赤】―――――― ・砦工房の運営 ・農業の発展 ・商業の発展 ・公共事業への協力 ・リザードマンGGとの修好 ――【重点業務】――――――― ・その時点での最も重要な課題 ・食糧問題 キシュディムでは、所属する護衛士たちが【青】と【赤】の班に別れています。それぞれが、担当する領域は上記の通り。ですが、他班の活動に参加することに規制はなく、むしろ、自由な行き来を奨励しています。 ●施設の紹介 【グリモアガード(GG)本部内の施設】 ・聖域前広場 :丘の上。宿舎とノソリン小屋がある。 ・護衛士詰め所 :塔の二階と三階。 武器庫、書庫、くつろぐための居間がある。 ・グリモアの間 :丘の内部に広がる、湿原のような地下空間。 ・ベベウの執務室:霊査士が控える。隣はその寝室。 【リザードマン王国首都】 ・首都市街地 :武骨な建築物が立ち並ぶ、国家の中枢。 ・訓練場 :市街地と郊外の境にある施設。 【砦工房と新村】 ・砦工房 :王都の南東、主要街道に面する施設。 200名のリザードマン兵士が常駐する。 24基の炉が設けられ、精鉄の技能を高めている。 クワやスキ、刀剣や盾、装身具など生産可能。 10匹のノソリンが配備されている。 ・農地 :新しい農業を国内へ頒布させるためのモデルである。 ・街道 :王都から砦工房へと伸び、さらに各地と進む主要な道。 花咲く季節となれば、金木犀などが縁を彩る。 ごくごく限られた区域のみ石の舗装が成されているが、 多くは人の足で踏み固められただけの隘路である。 なお、 リドマーシュへと伸びる西方への道、 リベンティーナから届いた南方よりの道、 ならびに、 チキンレッグ領へと向かう北方の道が開通している。 【北方拠点】 ・本部 :7本の柱からなる堅固な建物。 たくさんのベッドが連なる寝所を持つ。 大きな丸いテーブルは、会議や親睦の場。 小さな隠し部屋が地下にあるが、用途は不明。 チリひとつなくきれい。 窓辺には風鈴が下げられている。 ・物見櫓 :高さ5メートルほどの石の塔。 狼煙を装備。 ・石垣 :堅牢な護り。上部には通路が設けられている。 ・側溝 :石垣に沿って掘られている。 今のところ穴だけだが、ほぼ垂直で登りにくい。 ・医療施設 :清潔な病床を持ち、調理施設も備えている。 屋内に井戸を持つ。 ・避難地 :泥濘んだ土地のため、たまに水が漏れだす。 避難民の粗末な家が並ぶ。 農地や、鍛冶のための炉が築かれている。 【西方街道】 ・天幕本部 :数十のテントからなる。 リザードマン護衛士と工兵が滞在中。 以上、これらの場所で、護衛士の皆さんは活動を行えます。 国土は広大ですから、他にも農地や河川、湖、都市や村々といったものが多数あります。地形の特徴は、沼地が多いものの平坦な場所が多いようです。 ●NPC人物紹介 ・アイザック :愚直な戦士として未だに多くの信望を集める王。 最近は領内の探訪にご執心。 ・ルタ :影の宰相と目される有能な文官。 現在は王都を離れ、マルツの元に身を寄せる。 彼との間に生まれた子は男児であった。 現在、体調を崩している。 ・マルツ :南部の若き領主。 ルタとは深い絆で結ばれている。 ・バルマン卿 :その館は焼け落ち、行方知れずに……。 旧体制派の首領と断定された。 ・カルロ :バルマンの子息。危険な旧体制の信奉者。 現在、その身分はマルツに預けられている。 ・ザマー :リザードマン護衛士団で団長を務める重騎士。 ルタとは友人であるらしい。名はモニカ。 ・ミラスラス :ザマーの元で副団長を務める、切れ者。 丸顔で童顔だが、人の間に立つことが上手い医術士。 ・バリッチ :亡き友の名を冠する、ホアキン商会の若き当主。 チキンレッグ領との交易路を切り開いた有能な人物。 ●リザードマングリモアガード 複数の護衛士団が、国内に点在している。所属するのは、いずれもリザードマンの冒険者のみ。 体制の転換期に、自ら引退した冒険者も少なくなく、規模は50名程度の護衛士によって構成される程度となっている。 反体制派に与し、離脱する者が続発した結果、さらにその勢力は弱められてしまった。 ●MSより ・護衛士シナリオは、すべての皆さんが目を通しているとの前提で、今後、展開を広げていきます。名前付きのNPCの性質や、彼らとの関係が、ゆくゆくは王国の政情にも絡んでくる……やもしれません。 ・ついでに、評価もしてやっていただけると、根が単純な水原がものの見事に喜びますので見物です。 ・いちばん上のスレッドには、重要な内容を記載するようにします。 ・基本的に、雑談や護衛士シナリオに関する相談のスレッドは、自由に立てていただいてかまいません。 ・各スレッドは、50を越えたあたりを目安に、適宜、有志が立て直すようにしてください。 (総合案内に、追加したい事柄がある場合のみ、このスレッドへの書き込みを許可します。皆で、使いやすく、わかりやすい案内にしていきましょう) |