帯刀・圭吾 & 朝比奈・瑞貴
〜愛媛県今治市〜

「瑞貴、これが本家にあった『玉鋼の塗箱』だ」
 長身の男、帯刀・圭吾は、主である『土蜘蛛の女王』朝比奈・瑞貴に、その小箱を差し出した。

「見事なメガリスだね。鋼鉄でありながら柔らかい。そして、何らかの能力があるんだろうけど、そんなものはどうでもいい。圭吾、メガリスの本当の使い方を教えてあげる……」
 そう言うと、瑞貴はメガリスを持つ手に力を込めた。土蜘蛛の凄まじい怪力により、たちまちのうちにメガリスはひしゃげ、破壊される。

「瑞貴、いったい何を……!」
 圭吾が叫ぼうとした刹那、破壊されたメガリスから大量の光が溢れ出る。
 膨大な光に包まれながら、瑞貴が叫ぶ。

「これこそが≪無限繁栄≫! 僕の本当の力!」
 弾ける様に、狂った様に笑う瑞貴。
 遂に全ての準備が整った、その瞬間であった。