妖狐七星将・廉貞
〜佐白山・天主台〜

「廉貞(れんちょう)様! 敵軍、佐白山を回避し、奥の宮に戦力を集中する模様!」
 妖狐の伝令に答えて、廉貞が口を開く。
「試練を己が牙で砕きし者のみ、七星将が一に相応しい。武曲に真の将たる器あらば、魯陽の戈と相対するにせよ敗北の道理なし。されど蜘蛛の糸を我自らが断つ事は無し」

 妖狐の精鋭が揃った天主台が、静寂に包まれる。

「……ムカデ王と龍脈による支援は続けますが、武曲が負けたら撤退します」
 再度の廉貞の言葉に、妖狐達は了承の頷きで答え、戦後処理についての計画立案と、撤退準備を始めるのであった。