突然の訪問を許されよ。
我が名は巡礼士ランドルフ。諸君の言う「詠唱銀強奪犯」のひとりだ。
諸君ら日本のカード使いに、メダリオンを戴く者のひとりとして、人質解放の交渉に伺った。
我等巡礼士は、古よりの職務を果たす為に、大量の詠唱銀を必要としている。
我等は戒律により、たとえ同胞である人類に対しても、詠唱銀を必要とする理由や、目的を語ることは無い。我等の職務を考えれば、それは絶対に必要な規範である。
しかし、幾たびか諸君と刃を交え、分かったことがある。
諸君は、甘い。
十分な強さを持ちながら、理不尽な敵さえも赦し、理解しようとする。
それは、世界結界の最前線で戦う者達には、根本的に生まれ得無い筈の精神。
だからこそ私は、戒律を越え、諸君に我等が目的を明かしたいと考えている。
我等が古より受け継いできた職務は、おそらく諸君にとっても有益な筈だ。
ついては、諸君が捕虜としている128名の巡礼士の開放を要求する。
それが為されれば、我等も、諸君との協力関係についての検討を進めることができるだろう。
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