〜鎌倉市郊外〜

「メガリス・アクティブ?」
 銀誓館学園からやってきたひとりの卒業生が、目の前の老人に聞き返す。
 老人はゆっくりとうなずき、言葉を続ける。

「メガリス・アクティブは能力者ではありません。運命予報士のように、後天的に身につけた力でもありません。それは、本人の才能や修練とは関係の無い、ただの『相性』と呼べるものです」
「だから、竜宮城はあそこまで大きくなったという事なんですか?」
「僕がメガリスを手にした時の感触を説明するならば、それが結論です」
「メガリス・アクティブに何か共通点のようなものはあるのですか?」
「それは分かりません。僕は、僕以外のメガリス・アクティブを見たことはありませんから……。ただ、あくまで『相性』である以上、本人には何の特徴も無いでしょう。ただ、メガリスの力を引き出すことができる。それだけの人間です」

 その老人……かつてメガリス「竜宮の玉手箱」の所持者であり、今は反動で年老いてしまった
近江・永都氏は、そう言って話を締めくくった。