生と死を分かつもの
〜???〜

「……生と死を分かつものよ、我々はここまでだ」
「ムシュ、その通り。我々は全てを失敗しました。もはや、この姿でできることはありませぬ」
「しかし、お前は強いが、同時に我々の弱点でもある」
「ワタシとカリストを≪裁き≫なさい。ワタシ達は、アナタを守る路傍の石になりましょう」

 円卓より遙かに大きいその異形は、清廉騎士カリストと水晶剣ルルモードの訴えを聞いた後、
自らの腕を静かに振り下ろす。
 二体はたちまちのうちに砕かれ、潰れ飛び散り消滅した。
 同時に、再変換のエネルギーは円卓を破壊し、またたくまに周囲を満たしてゆく。
 破壊された空間に響く何者かの雄叫び。それは、一切の智恵や知性を失い根源に回帰した、
失われし者の虚無なる雄叫び。

 ≪裁き≫を終えた「生と死を分かつもの」は、全てを見届ける。
 そして新たに生まれた「道具」をトゥルダク達に回収させ、静かに去るのであった。