洪・文曲
 妖狐の文曲ですよー。みなさん、夏休みを満喫してますか?
 そういえばみなさん、皆既日食は見れました?
 むかしは不吉の象徴と呼んでいたそうですが、今はちょっとしたお祭り騒ぎで、楽しかったですね。

 ところで何の用かって? えっと、その、あのですね……。
 今からすごく怪しいお話をしますが、よろしければ聞いてください。
 お話は、私達妖狐の本当の尻尾についてです。

 みなさん、陰陽都市計画で生み出された「鬼」の事を覚えてらっしゃいますか?
 私達妖狐は、ああいった人造ゴーストを、「他のゴーストを集める核として」用いる為に作ります。
 人造ゴーストを核として集まった援護ゴースト達は、長い行列を作り徘徊します。
 そして100匹程度の行列になった所で、私達はそれを自分の「尾」として率いるのです。
 力ある妖狐は、何本もの「尾」を持っています。中には、数千〜数万体のゴーストからなる「尾」を
複数持つ、強大な妖狐も存在します。

 むかしの人達は、私達の「尾」を指して、「狐の嫁入り」、もしくは……。
 「百鬼夜行」と、呼んでいたそうです。

 なぜ私がこんな話をしたのかは、みなさんのご想像にお任せします。
 ひょっとしたら、この怪しい話には私の企みがあるのかもしれません。
 でも、私が話したことによって、みなさんの運命の糸は「百鬼夜行」と繋がりました。
 今すぐ、教室に向かわれた方が良いのでは?

 それからこれは、あくまで私の独り言なのですが……。
 最近、私達の力を借りず自力で人造ゴーストを生み出した、人間さんの集団があるとか。
 妖狐はそんな優秀な人材を、放って置くことはないでしょうね。