<戦いの手引き>


 ここでは、シルバーレインの世界でどのように戦闘が行われているのかを紹介します。
 この内容をよく確認し、依頼に役立ててください。

●能力値について

 キャラクターは、その強さを気魄術式神秘という3つの能力値で表現されます。
 これらの能力値はキャラクター作成時に自動的に決定されます。
 また、ジョブチェンジすると能力値も変化します。
 気魄(きはく)…………気合、魔力、覚悟の強さを表す能力値です。
 術式(じゅつしき)……詠唱の早さや頭の良さを表す能力値です。
 神秘(しんぴ)…………霊感や感受性の高さを表す能力値です。

■イニシアチブ

 イニシアチブが高い能力者は、戦闘で先手を取る可能性が高くなります。
 稀に、他のキャラクターよりもイニシアチブが低いキャラクターが先手を取ることもあります。

●心を合わせて……コンビネーション!
 お互いに感情を『活性化』しているキャラクター同士や、自分の使役ゴーストとは、まれに呼吸のあった『コンビネーション』が発動します。
 コンビネーションが発動したキャラクター達は全員、『発動した中で一番イニシアチブが高いキャラクター』と同じタイミングで、行動することができます。
 コンビネーションが発動する確率は、運次第です。

■キャラクターの行動

 各キャラクターは、先手を取った順に1回づつ行動します。
 なお、1回の行動時間は10秒です。

(1)近接攻撃

・12m程度の距離を移動して、近接武器で攻撃します。
・近接武器の間合いは、「踏み込んで攻撃」できる3m程度の範囲です(ナイフなどの短い武器でも同じです)。
・攻撃が命中するかどうかは、自分と相手の能力値によって決定します。

(2)長射程攻撃

・立ち止まって、「銃による射撃」や「アビリティによる遠距離攻撃」など、遠くに届く攻撃を行います。
(長射程攻撃をしながら移動することはできません)
・長射程攻撃の射程距離は、全て「20m」以内です。
・攻撃が命中するかどうかは、自分と相手の能力値によって決定します。

(3)アビリティの使用

・アビリティを使用した行動を行います。
・アビリティは、予め指定された能力値で使用します。
・アビリティが効果を発揮するかどうかは、自分と相手の能力値によって決まります。

(4)その他の行動

 キャラクターが10秒間に行えると判定できる行動を取る事ができます。穴を掘る・崖を登るなど、実行可能ならばどのような行動を取っても構いません。

(5)時間のかからない行動

 下記のような簡単な行動は、時間をかけずに行動する事が可能です。
【簡単な会話をする・鍵のかかっていない扉を蹴破る・窓ガラスに突っ込む・小窓を潜り抜ける・物陰に隠れる・トラップを回避する】

■3種類の通常攻撃

 アビリティを使わない通常攻撃は、気魄・術式・神秘のどれでも好きな能力値を使用して行うことができます。それぞれの攻撃方法は、使用する能力値からそれぞれ『気魄攻撃』・『術式攻撃』・『神秘攻撃』と呼びます。

(1)気魄攻撃(きはくこうげき)

 真正面からの力強い攻撃を繰り出します。
 攻撃が命中するかどうかは、自分の『気魄』能力値と、相手の『気魄』能力値で決まります。
 気魄攻撃は、能力値『気魄』が高いキャラクターや、重量級の武器を装備したキャラクターに適しています。また、『気魄』の低い敵に対して、有効な打撃を与えることができるでしょう。

(2)術式攻撃(じゅつしきこうげき)

 敵の隙や死角を突いた、素早い攻撃を繰り出します。
 攻撃が成功するかどうかは、自分の『術式』能力値と相手の『術式』能力値で決まります。
 術式攻撃は、能力値『術式』が高いキャラクターや、ナイフや銃などの軽量武器を装備したキャラクターに適しています。また、『術式』の低い敵に対して、有効な打撃を与えることができるでしょう。

(3)神秘攻撃(しんぴこうげき)

 敵1体に衝撃波をぶつけたり、誘導型の特殊な武器を使用した攻撃を繰り出します。
 攻撃が成功するかどうかは、自分の『神秘』能力値と相手の『神秘』能力値で決まります。
 神秘攻撃は、能力値『神秘』が高いキャラクターや、風水盤やギターなどの特殊武器を装備したキャラクターに適しています。また、『神秘』の低い敵に対して、有効な打撃を与えることができるでしょう。

●通常攻撃ボーナス

 武器の中には、通常攻撃の時のみ発生する特殊な効果を持っている物があります。
 これを、通常攻撃ボーナスと呼びます。
 通常攻撃ボーナスの効果には、射撃(20m以内の対象に、どれか1つの能力値を使用して長距離攻撃する)、追撃(連続でダメージを与える)、毒(毒のバッドステータスを与える)などがあります。

■命中判定

 攻撃を行ったら、その攻撃が敵に命中したかどうかを判定します。
 命中判定は、自分が使用した「能力値」と、相手の「攻撃側と同じ能力値」との比較で行います。
 つまり、相手が攻撃をかわす(回避する)際の能力値は、以下の通りです。

 『気魄』で攻撃されたら、『気魄』で回避!

 『術式』で攻撃されたら、『術式』で回避!

 『神秘』で攻撃されたら、『神秘』で回避!

 命中判定の結果は、『命中』『ガード』『回避』のいずれかで表現されます。

●命中

 攻撃が上手く成功した場合を、『命中』と呼びます。
 ダメージ・バッドステータスの効果をそのまま相手に与えます。

●ガード

 自分の攻撃を、相手が武器をかざしてすんでの所で受け止めた場合を、『ガード』と呼びます。
 ガードされた場合は、『攻撃された側の攻撃力』の分だけ、与えるダメージが減少します。
 また、ガードは全てのバッドステータス(毒やマヒなど)を無効化します。

●回避

 攻撃が命中せず、ガードもされなかった場合は、攻撃が『回避』された事になります。
 一切のダメージ・バッドステータスを与えることができません。

■ダメージ

 攻撃が『命中』『ガード』した場合、相手にダメージやバッドステータスを与えます。

●3種類の攻撃力

 武器の攻撃力には、『気魄攻撃力』『術式攻撃力』『神秘攻撃力』の3種類の攻撃力があります。
 以下のダメージ決定では、使用した能力値に対応した攻撃力で、ダメージ量を判定します。

(例)『気魄』能力値で攻撃した場合、相手は『気魄』で回避します。攻撃が命中したら、『気魄攻撃力』を元にしてダメージを与えます。

●ダメージ

 攻撃が命中・ガードしたら、『攻撃したキャラクターの武器攻撃力+アビリティの効果による修正値』によるダメージを与えます。
 ただし、下記の「ジャストアタック」「クリティカルアタック」によってダメージ量が増加したり、「ガード」によって減少する場合もあります。

●ジャストアタック

 稀に、タイミングよく攻撃が強打する場合があります。
 これをジャストアタックと呼び、『攻撃したキャラクターの武器攻撃力+アビリティの効果による修正値+イニシアチブ』のダメージを与えます。
 なお、攻撃だけでなく、回復を行った場合などにもジャストアタックは発生します(その場合はHP回復量が通常より増加します)。

●クリティカルアタック

 ジャストアタックよりも更に稀な確率で、会心の一撃をお見舞いする場合があります。
 これをクリティカルアタックと呼び、『ジャストアタックの2倍』のダメージを与えます。
 なお、攻撃だけでなく、回復を行った場合などにもクリティカルアタックは発生します(その場合はHP回復量が通常より増加します)。

●バッドステータス

 攻撃の種類によっては、命中すると相手にバッドステータスが与える場合があります。
 バッドステータスは様々な悪影響を及ぼしますが、ある程度時間が経つと自然に無効化されます。
 無効化率にはキャラクターの「幸運度」が影響していると言われています。
 ※バッドステータスは、『ガード』の場合には発生しません(ガードの説明参照)。

■HPが0になった場合

 一般人やゴーストは、HPが0になった時点で『死亡』します。
 ですが能力者は、HPが0になっても『戦闘不能』となるだけで、一切の行動ができない状態になるものの、死ぬ訳ではありません。
 その上能力者は、HPが0になった瞬間、稀にその魂が肉体を凌駕し、僅かなHPと共に再び立ち上がる可能性さえも秘めてるのです! この『魂が肉体を凌駕する』現象は常に発生する訳ではありませんが、発生率にはキャラクターの『幸運度』が影響していると言われています。

 戦闘不能の状態で、更にひどい打撃を受けると、重傷・死亡になる可能性があります。

 また、「使役ゴースト」はHPが0になると消滅しますが、能力者が一晩休息すると復活します。


■ダメージの回復

●「防具HP」は、10分で全回復!

 能力者の受けたダメージが防具HP以下の場合は、10分休息する事でHPが完全に回復します。
 これは、キャラクターが装備している『防具型詠唱兵器』には、能力者が放出する微量な力を使って、自動的に修復する機能があるからです。
 しかし、ダメージが防具HPを越えた場合は、防具がボロボロになってしまい、この自動修復機能が働きません。
 このような場合は、アビリティ等によってHPを回復し、ダメージ量を防具HP以下に減らせば、また自動修復機能が働くようになります。

●一晩休息すれば全回復!

 また、能力者は、一晩休息する事でもHPが完全に回復します。
 戦闘不能に陥ったり、自分の「使役ゴースト」がHP0になって消滅してしまっても、一晩休息すれば全て回復・復活します。

●重傷と死亡

 重傷は5日間回復せず、その間は全ての能力値が半減します。
 なお、死亡したキャラクターは、いかなる手段を用いても蘇生することはできません。

※一般人の場合
 当然ながら、一般人がダメージを受けた場合は、しかるべき医療措置を受けるなどの必要があり、治癒には長い時間が掛かります。また、一般人にはアビリティのHP回復効果も効きません。


■アビリティ使用回数の回復

 アビリティを使用すると、使用回数が1ずつ減ります。回数が0になると、使用する事はできません。
 冒険中は減った使用回数が回復する事はありません。冒険から帰り、自宅や学園などでゆったりとした充分な休養を取ることで、アビリティ全ての使用回数が上限まで回復します。

■その他のルール


●武器の長さ・大きさ・音

 武器の長さや重さ、武器から発生する音量などの違いによって、判定が有利になったり、不利になったりすることはありません。これらの要素は、判定に一切影響を与えません。詠唱兵器なので、状況に合わせて適切に使用することができます。
(狭い場所で器用に大型武器を扱う、チェーンソー剣の音を一時的に絞るなど)

●部位を狙った攻撃

 全力で戦闘を行っている場合は、相手の隙ができた場所を攻撃するのが普通ですので、特定の部位を狙って攻撃する事はできません。
 特定の部位を狙って攻撃した場合は、攻撃の命中率が大きく下がってしまいます。また、必ずしも狙った場所に命中する訳ではありません。

※部位を狙った攻撃の例
 通常ならば80%で命中する攻撃を、相手の右腕を狙って行った場合を例とします。


通常攻撃部位狙い
攻撃の命中率80%40%
命中した攻撃が、右腕に当たる確率10%50%

※確率は大体の目安です。相手の体勢や状況によっても変動します。

 普通の攻撃によって、偶然右腕に命中する可能性は、『命中率80%×右腕に当たる確率10%』=8%です。また、右腕以外に命中してダメージを与える可能性は72%です。攻撃が失敗する確率は20%しかありません。
 それに比べて、右腕を狙って攻撃した場合は、狙い通り右腕に命中する可能性は『命中率40%×右腕に当たる確率50%』=20%ですが、右腕以外に命中する可能性は20%しか無く、60%の確率で攻撃が失敗してしまいます。
 よほどのことがない限り、部位を狙った攻撃は『効率の悪い攻撃』と言えるでしょう。

●時間を掛けて準備した部位攻撃

 全く動かない対象に対して、充分に準備して狙う事ができれば、部位狙いの成功率は上昇します。
 つまり、充分に準備する事ができれば、遠くの小さな的に矢を当てる可能性は上がるのです。
 ただし、相手が能力者やゴーストの場合は、たとえ意識が無かったとしても無意識に急所を避ける場合があります。
 つまり、無抵抗な状態の相手の心臓を一突きにしたとしても、レベルの高い能力者やゴーストはHPが高いので、即死するような事はありません。

●戦闘中のアイテム使用

 なんらかの毒薬や特殊なアイテム・詠唱兵器でない飛び道具などの効果は、戦闘判定に大きな影響を与える事はありません。
 よって、毒を敵に無理やり飲ませたり、警官から奪った銃を撃つといった行為は、行ってもあまり意味がありません。
 また、直接の戦闘行為ではなくても、敵を行動不能にしたり、完全に無力化して撃退できるような便利なアイテムは存在しません。

※補足
 ただし、優れた作戦を立てて効果的に使用した場合は、多少の有利な効果が発生する場合もありえます。

●騎乗しながらの攻撃

 バイクや自動車等に騎乗しながらの攻撃は、ほぼ成功する事がありません。
 一般人には有効な事もあるでしょうが、能力者やゴーストには、攻撃する者の腕前がいかに優れていても、簡単に回避されてしまいます。ですので、能力者やゴーストの戦いでは、『騎乗したままの攻撃』には全く意味がありません。
 攻撃には、近接攻撃・射撃・アビリティの使用・バイクで轢くなどの全てを含みます。

※補足
 ただし、高速で動く乗り物から、同じ速度で同じ方向に動く乗り物にいる相手に攻撃する場合(電車の中、ジェットコースターの上、2台のバイクが同じ速度で同じ方向に疾走している時など)は、この限りではありません。