<ゴースト>



■ゴーストの特徴

 ゴーストは非日常の世界に属する恐ろしい敵です。
 しかし、彼らは世界結界の影響により自由に動く事はできません。正しい常識を持った多くの人間がいる場所には、ゴーストは活動する事は出来ないのです。
 このため、ゴーストの多くは、人里はなれた山奥やゴーストタウンなどを棲家としています。
 しかし、都会の中といえども、夜の学校や下水道、裏路地のゴミ山の中などには、ゴーストが住みついている事があります。
 大都市で発生する行方不明者の多くは、ゴーストによる被害なのかもしれません。

●ゴーストと通信障害

 また、ゴーストの周囲では通信状況が悪くなる場合があり、携帯電話やテレビ・トランシーバー等の使用が困難になる場合が多いようです。
 これは、ゴーストの存在が何らかの影響を及ぼしているからなのでは、と言われています。

●ゴーストの分類

 ゴーストは「地縛霊・妖獣・リビングデッド・リリス・メガリスゴースト」の5分類に分けられます。
 以降の説明では、それぞれのゴーストの特徴を説明していきます。



■地縛霊

 地縛霊は、強い怨念を残して死んだ生物の残留思念が、シルバーレインの影響によってゴーストとなったものです。
 力の弱い地縛霊の中には、生前の記憶を僅かながら留めている者もいますが、殆どの地縛霊は生前の記憶を持っていません。

 地縛霊は体のどこかから「鎖」が生えた姿をしており、この鎖が示すように、自分のテリトリー外には移動出来ないという欠点を持ちます。
 たとえば、学校で自殺した地縛霊ならば校門から出る事ができず、雪山で遭難した地縛霊ならば、その山から出る事が出来ないのです。
 この欠点を持つ代わりに、地縛霊は自分のテリトリー内、その中でも特に「自分と縁の深い場所」では、強力な力を振るう事が出来ます。

 また、地縛霊の中には、テリトリー内に「ある種の特殊空間」を持っている者がいる事もあります。
 これは、トイレの鏡の裏にある不思議な空間や、2階と3階の間にある謎のフロアなど、本来そこに存在するはずのない特殊な空間の事です。

 地縛霊はこの特殊空間を、中に入った者を捕らえる為の罠や、捕らえた一般人を閉じ込めて隠す為などに使用します。特殊空間を持つ地縛霊が、特殊空間の外に現れる事は極めて稀なため、この特殊空間そのものが、地縛霊との戦いの舞台になる事も多いでしょう。

 一般的な地縛霊は、自分のテリトリーに入り込んだ生物に襲い掛かるという行動を取りますが、

・女子トイレの右から2番目に入った女の子を襲う
・深夜0時に橋の下を通った長い髪の女性を襲う
・森の中で別れ話をしたカップルを襲う
・猛スピードでトンネルに入った赤い車の運転手を襲う

 といった、特定の行動パターンを取るものもいます。
 こういった行動パターンを持つ地縛霊事件を解決するためには、まずは条件を満たして姿を現わさせる必要があります。
 地縛霊の行動パターンは、残留思念が持っていた怨念の性質や、生前の性癖に影響される事が多いので、作戦を立てて挑んでいきましょう。



■妖獣

 妖獣は、多数の動物の残留思念が寄り集まり、シルバーレインの力を得てゴーストとなったものです。
 妖獣はゴーストの中でも特に凶暴で、交渉が成立する事はまずありません。
 妖獣は激しい痛みと共に発生し、存在する限り、常に激痛に苛まれています。
 この激痛が、妖獣の凶暴さの原因です。

 この痛みから逃れる為には、妖獣は残留思念を見つけ出して、喰らい続けなければなりません。
 多くの妖獣は山野を駆け巡り、死んだばかりの獣の残留思念を貪ったり、あるいは、墓場やゴーストタウンのような残留思念が集まる場所を、転々として移動します。
 中には、激痛の為に動く事ができなくなり、近づいた獲物を喰い殺そうと待ち構えている妖獣もいます。
 妖獣は強大になればなるほど、痛みを抑える為に必要となる残留思念が増大するため、強くなりすぎた妖獣は、より凶暴となっていきます。

 強大になりすぎ、痛みに狂った妖獣の中には、街中に現れて手当たり次第人を殺し、その残留思念を喰らおうとするものもいます。
 この状態になった妖獣は、遠からず世界結界によって滅びる事になりますが、それまでに発生する被害が大きい為、素早い対策が必要な危険な敵となります。

 妖獣達は、自ら望んで凶行を繰り返している訳ではありません。
 彼らを早急に滅ぼして、痛みから解放することこそ、能力者達の役目になるのかもしれません。



■リビングデッド

 リビングデッドは肉体を持つゴーストで、動く死体ともいえる存在です。
 リビングデッドとなったゴーストは、肉体の持っていた知識を利用して、あたかも、その生物が『死んでいなかった』かのように行動します。
 そうする事によって、リビングデッドは世界結界の影響を受けずに、活動する事が可能なのです。

 リビングデッドとなった死体は、時間と共にゆっくりと腐敗していきます。
 腐敗したリビングデッドは、世界結界の影響を受けないという特殊能力が失われてしまう為、墓場をさまようゾンビや、スケルトンのような存在になり果てるでしょう。
 しかし、リビングデッドには『自分に愛情を示してくれる人』の血肉を喰らう事で、腐敗を食い止めるという能力があるため、長期にわたり、正体を隠し続けるリビングデッドも存在します。

 リビングデッドの目的は、正体を隠しながら、人々の怨念や残留思念などを取り込んで、より強大な力を得る事です。
 強力な力を得たリビングデッドは、能力者がイグニッションするように戦闘形態に変形したり、強力な特殊能力を発揮する場合もあるようです。



■リリス

 リリスは、激しい快楽と恍惚の内に死んだ女性の残留思念が、シルバーレインの力を得てゴースト化したものです。
 彼女達の全身は、常に絶え間ない快楽に包まれています。多くのリリスは快楽の為に理性を失っていますが、高い知性を持つリリスも少なくありません。

 リリスの目的は、強い快楽を得続ける事です。
 そして、全てのリリスは、その快楽を得る為には能力者を殺し、その血肉を貪らねばならない事を知っています。

 リリスは能力者や、能力者の素質を持つ一般人を見抜く特殊能力を持つ為、それを活用して能力者を見つけ出し、快楽を得るために殺そうとします。
 快楽の為に能力者を狙い、その血肉を啜るリリスは、能力者にとって恐ろしい敵となります。
 ですが、それ以上に、能力者としての素質を持ちながらも高齢の為に充分な力を発揮できない者や、自分が能力者だと気付いていない者達にとって、リリスは危険な存在といえるでしょう。

 リリスの中には、一般人のフリをして日常に入り込み、能力者の素質を持つ者を探しているリリスも多数います。
 未来の仲間達の命を救うには、一刻も早くリリスを探し出し、滅ぼさなければならないでしょう。



■メガリスゴースト

 メガリスゴーストは、メガリスの「修復期間」中に発生するゴーストです参照)。
 メガリスのパワーは稀に、誤って「元のメガリスに似た形状の、いわくつきの(残留思念の篭った)物品」に吸収されてしまう事があります。そして、パワーを吸収した物品は、恐るべき無機物のゴースト、『メガリスゴースト』へと変貌してしまうのです。

 メガリスゴーストは、それを手にした対象を「支配」しようとします。支配が成功すれば、対象はメガリスゴーストの意のままに操られてしまいます(殆どのメガリスゴーストは自分で動けない形状の為、この能力を使って、支配した対象に自分を運ばせています)。

 メガリスゴーストと支配された対象は、魔法的な能力により「一体化」しています。ただ物品を持っているだけのように見えても、両者を引き離すことはできません。その代わり、支配された対象はメガリスゴーストにより魔法的に守護されており、メガリスゴーストが倒されるまで殆どダメージを受けません(メガリスゴーストがダメージを引き受けます)。その為、メガリスゴーストを倒すと、意識を失った対象と物品が残されます。

 メガリスゴーストが支配できる対象は、主に支配が容易な「一般人」や「機械」などです。また、強力なメガリスゴーストならば、能力者やゴーストを支配する事も、ひょっとしたら可能かもしれません。

 メガリスゴーストの目的は、元となったメガリスの性質に沿った「願い」を成就することです。
 多くの場合、その行動は人々に危険な被害を及ぼします。

●「大帝の剣」のメガリスゴースト
 多くの残留思念を纏った『刀剣』に憑依する、メガリスゴーストです。
 剣の力量があるものは、この刀剣を見ると手に取りたくなってしまいます。
 このメガリスゴーストの願いは「100人の強者を斬り殺すこと」です。
 もしこれが達成されれば、メガリスゴーストは消滅し、使い手と破壊された刀剣だけが残ります。

●「さまよえる舵輪」のメガリスゴースト
 多くの残留思念を纏った『廃棄された乗り物』に憑依するメガリスゴーストです。
 メガリスゴーストに憑依された乗り物は、自律的に移動することが可能となります。
 このメガリスゴーストの願いは「廃棄された乗り物を元の持ち主の所へ運ぶこと」です。
 ですが、ほとんどの場合、さまよえる舵輪の呪いによってその願いはかなわず、さまよい続ける
だけの存在と化してしまいます。

●「天女の羽衣」のメガリスゴースト
 多くの残留思念を纏った『女性用の衣装』に憑依するメガリスゴーストです。
 この衣装を身に着けた女性は、メガリスゴーストの導くまま、男性に過剰な罰を与えて回る様になります。この罰は非常に過激なもので、受けた男性は大抵の場合、命を落としてしまいます。
 このメガリスゴーストの願いは「100人の男性に罰を与える」ことです。
 もしこれが達成されれば、メガリスゴーストは消滅し、元の服装に戻った女性と破れた衣装だけが残ります。

●「ヤヌスの鏡」のメガリスゴースト
 多くの残留思念を纏った『鏡』に憑依するメガリスゴーストです。
 メガリスゴーストに憑依された鏡は、昆虫のような手足を生やした手鏡の姿を取ります。
 そして、鏡に映った人や使役ゴーストにそっくりな外見と能力を持つ『写し身』を作り出し、本物に襲いかからせるのです。
 このメガリスゴーストの願いは「100体の分身を作り出す」ことです。
 もしこれが達成されれば、メガリスゴーストは消滅し、元に戻った鏡だけが残ります。

●「黄金の林檎」のメガリスゴースト
 多くの残留思念を纏った『大型の動物の剥製』に憑依するメガリスゴーストです。
 メガリスゴーストに憑依された剥製は、体毛や肌が黄金色になり、さらに戦うための力を得て、自由に動けるようになります。
 このメガリスゴーストの願いは「野生の生活に戻る」ことです。
 ですが、どうすれば野生の生活に戻れるか考える知能が無い為、ただ単に暴れるだけの存在になってしまいます。

●「竜宮の玉手箱」のメガリスゴースト
 多くの残留思念をまとった『箱状の物体』に憑依するメガリスゴーストです。
 メガリスゴーストに憑依された箱はじっとその場で待機し、箱を開けた人を中に吸い込み、喰らいます。このメガリスゴーストは、そうして喰らった人をリビングデッドとして配下にし、さらに被害を拡大していくのです。
 このメガリスゴーストの願いは「100人分の命と残留思念を箱の中に収める」ことです。この願いが達成されれば、メガリスゴーストは消滅し、壊れた箱だけが残ります。