|
|
●まったく白紙でおいでになった方へおっと、戦わせるといっても、勝敗があるわけでもないし、誰かに参りましたといわせるのが目的でもありません。 お互いが、どれだけ「面白い」物語をつむぎだせるか。それを競わせるのがテーブルトーク・ロールプレイング・ゲームです。 別の言い方をすれば、みんなで力を合わせて、一つの物語を、ドラマを、疑似体験するのが目的です。 スポーツの試合が「筋書きのないドラマ」と言われるように、一定のルールにのっとったバトルも行われます。現実には不可能な、生きるか死ぬかのぎりぎりを潜り抜け、知恵をしぼってナゾを解き、あるいは互いにかっこいいシーンを描写しあったり、感動をかきたてあうこともできます。 ロールプレイングは「役目を果たす」とか「役柄を演技する」といった意味です。それを会話(テーブルトーク)で進行させてゆくゲームなのです。 ゲームは、ゲームマスター(GM)と呼ばれる進行役が、状況を説明し、他のプレイヤーが、自分の分身として作りあげたキャラクターを動かします。 日常にはありえない事件に遭遇し、そういったとき、作ったキャラクターはその能力を生かし、性格に応じてどう活動するかを考えて、物語をみんなで考えてゆくのです。 会話のやりとりを書き写すと、こんな感じになります。
GM:きみたちは、真夜中、廃病院に入りこんだ。足元には、ゴミが散乱してる。気をつけながら進んでゆくと、行く手の、角を曲がって向こうから青白い明かりが洩れている。
プレイヤーA:よし、いた! 突撃だ! プレイヤーB:こらーっ。いきなり襲いかかる人がありますかっ! プレイヤーA:こんな廃病院にいるんだ。噂の化け物に決まってるぜ。 プレイヤーC:あはは、夜中にここにいるのが化け物なら、わたしたち、みんなモンスターですよぅ。 プレイヤーA:おお、なるほど。お前が敵かーっ! プレイヤーB:んわけあるかっ! まずは、こっそり近づいて偵察すればいいんじゃないの? といった具合です。まあ、普通はもうちょっと全体に落ち着いた会話になりますが。 もっと、キャラクターになりきって、演技するタイプの人もたくさんいます。 しかし、ただ会話だけで、全てを進めてゆくわけではありません。 たとえば、このやりとりの最後で「こっそり近づく」と言っていますね? じつは角を曲がった向こうには、殺人鬼のモンスターがひそんでいます。 うまく気づかれずに近づければ不意をつけるかもしれませんが、失敗すればプレイヤーたちが操る主人公たちが、逆に襲われるかもしれません。 プレイヤーたちは、かっこよく成功したいでしょう。でもGMは、ここで失敗して危機におちいったほうが、お話が盛り上がると考えています。 ただ会話だけで進めるのだと「できた」「できない」の言い争いになりますね。楽しくありません。 そこで、主人公たち(プレイヤーがあやつるキャラクターなので、略してPCといいます)が成功したかどうかを、客観的に判断する「ルール」や、判断の基準になる「設定」が決まっています。 そういったことが書かれているルールブックを参照しながら遊ぶわけです。 TRPGには色々な種類がありますが、この『シルバーレインRPG』でそういった判定をどうするのかは「シルバーレインの判定システムって?」を読んでみてください。 また、どういった世界で、どんな主人公たちが、どういう冒険をするのかは「シルバーレインの世界とは?」を読んでみてください。 ●PBW版「シルバーレイン」からおいでになったみなさんへみなさんは、PBW版シルバーレインで、教室の『依頼』をこなしてこられたと思います。あるいは、ゴーストタウンの探索に赴いてきましたよね? TRPGは、それをネットを経由してではなく、何人もの仲間が集まって、一緒に顔をあわせて遊ぶためのものです。 MSさんのように、オープニングを作り、判定をするGMという役目が必要ですが、お話そのものは、みなさんで作ってゆくことになります。 新しい楽しみを味わってください! ●グループSNEファンの方へもし、あなたがグループSNEが関わっている、という興味からこのサイトにおいでになったのなら……。TRPGという言葉が初耳、ということは少ないですよね? グループSNEに所属する(あるいは元所属していた)作家の、小説やTCGなどを読んで興味を持ってくださったなら、その作家や作品につながるTRPGもあると思います。よろしければ、それを手に取ってみてくださいね。 |
|
●シルバーレインしかし、「常識」を覆す程に急激な文明の発達によって、世界結界に綻びが生じてしまいます。これにより、この世から追放されたはずの詠唱銀が、常人には見ることすらかなわぬ、いえ、能力者たちの多くでさえも気づかぬうちに、銀色に輝く雨となって、この世にふりそそいだのです。この雨こそが、タイトルにもなっている《シルバーレイン》です。詠唱銀の雨は、いまもふりそそいでいます。特に、日本列島は最も多くのシルバーレイン降雨量を記録しています。ただし、シルバーレインがふったとしても、それに気がつけるのは、ごく一部の人々だけです。 ●『能力者連続殺人事件』と銀誓館学園の設立詠唱銀の帰還によって、七百年前にいなくなったはずの超常存在が、ふたたび活動をはじめました。一方は人間を害する存在。人間の憎悪や恨みといった残留思念から生まれる怪物、《ゴースト》です。 そしてもう一方は、人間を守るものたち。魔法や超能力などに目覚めた人間、《能力者》です。 また、人間でもゴーストでもない超常の存在も、詠唱銀とともにこの世界に介入をはじめました。異世界からやってきて、一度は世界結界によって追放された、吸血鬼や人狼といった《来訪者》たちです。 かくして、力に目覚めぬ一般人たちが認識さえできぬところで、ふたたび戦いがはじまりました。 しかし、いにしえの時代に比べて、現代の戦いでは、能力者たちが圧倒的に不利でした。目覚めたばかりの能力者たちは、互いの存在や己の力の意味を知ることもなく、孤立していたからです。 しかも、世界結界の重要な担い手である、強い「常識」の力を持った年長者たちが能力者に覚醒した場合、彼らは「見えざる狂気」という状態に陥って、はなはだしい場合は、人間を害する側にまわることさえありました。 目覚めた力を受け入れて使いこなせたのは、「常識」にとらわれない柔軟な心を持った、少年少女だけだったのです。 しかし、そんな少年少女たちは、独りきりのところをゴーストに襲われ殺されていきました。世界は今、人知れず滅亡の淵にあったのです。 早急に彼らを集め保護すると同時に、超常の脅威に立ち向かう戦力としなくてはならない。その目的の為に設立されたのが、鎌倉にある小中高一貫の学校《銀誓館学園》です。時若き銀誓館学園の学生たちだけが、世界の脅威から人々を守る、唯一の存在なのです! ●ゲームの概要
●詳しくは……より詳しい内容は、原作であるPBW版『シルバーレイン』のサイトをご覧ください。プレイヤーの行動によって現在進行形で変化する壮大な物語に、あなたも今すぐ参加することができます。 →原作:PBW版『シルバーレイン』 また、エンターブレインより刊行の「シルバーレインガイドブック」と「シルバーレインRPGルールブック」でも、より詳しい情報を得ることができます。 →ラインナップ |
|
シルバーレインTRPGは、一風変わった判定システムを使っています。 多くのTRPGは、ダイス(サイコロ)を使います。いくつかふったのを合計して大きな目を出したほうがいいとか、小さい目を出すと成功、といった具合です。 TRPGの中には、トランプを使ったり、オリジナルのカードとサイコロを併用するものもありました。 このシルバーレインRPGでは、このゲームのためにデザインされた、オリジナルのカードだけを使います。このカードは、ロールカードと言われます。 あなたのキャラクターが、普通じゃできないよね、ということにチャレンジする時に、このシステムを使って、行為判定を行うのです。 ●判定方法プレイヤーは、手札として決まった枚数のロールカードを持っています。ロールカードは、このゲームで主人公となる〈能力者〉たちが持つ三つの〔能力値〕に対応しています。
何かものごとを試みるときは、プレイヤーが、自分のキャラクターのどの能力値を使って判定するかをGMに申告します。 GMはそれに対して「目標値」を決めます。決まった目標値によっては、使う能力値で判定するか変更してかまいません。 目標値が決まったら、誰が判定するのかを宣言します。その場面の主役です。そのキャラクターと、キャラを操っているプレイヤーを、メイン判定者と呼びます。 メイン判定者は、手もとのロールカードから、判定に使う能力値と一致したカードを2枚まで出せます。 能力値には、それぞれ対応した〔判定値〕があります(能力値の10の位です。ゲーム中には、ほぼこの判定値しか使いません)。 ロールカードの左上には、カードパワーという1〜3の数字が記されています。使ったカードに記されたカードパワーと、判定値を合計します。これを達成値といい、目標値以上なら、その行為は成功したことになります。
例)
廃墟を探索中のPCたちは、角を曲がった先から、怪しい光が洩れているのを見つけます。こっそり廊下の角まで行って、その先をのぞきこみたい……と考えたプレイヤーは《術式》での判定を提案します。 廃墟の足元には、壊れやすいものも散乱しています。しかもまわりは暗く、かなり難しい行為です。こっそり動くには機転と動きの正確さが重要なので《術式》での判定はふさわしいものです。 GMは、目標値を7と決めます。 最も《術式》が高い、敏捷なキャラクターがメイン判定者になりました。彼女の《術式》判定値は4です。カードパワー1と2のロールカードを手札から捨てて、4+1+2で合計7になります。目標値以上なので、静かに近づいて、角の先をのぞきこむことができました。 ●アシスト
●チェック判定とは別に、受動的な行為が成功したかどうか決めるのに使います。指定された種類のカードを出せれば成功です。代表的なものに「幸運度チェック」があります。●アクトワードロールカードには三種類の単語と、台詞が一つ書かれています。これを〔アクトワード〕と呼びます。判定やアシスト、チェックを行った時に、キャラクターがどんな風に行動したかを、このアクトワードを利用して描写すると、〔運命の糸〕というポイントを得ることができます。 うまい演出を思いつけなかった時は、ただ台詞を読みあげるだけでかまいません。 ●運命の糸このポイントを、判定前に消費して、ロールカードを引いてくることができます。1点消費するごとに一枚追加できます。最大で、3点まで使えます。判定に必要なロールカードがないときは惜しまず使いましょう。 ●エフェクトロールカードの下部には「エフェクト」と呼ばれる特殊な効果が記されています。これは判定の制限枚数とは別に使い、さまざまな効果を得ることができます。●リードカードプレイヤーにロールカードがあるように、GMはリードカードを使って、さまざまなことを決められます。以上が、おおまかな判定システムです。この、シルバーレインTRPG独特のカードを使ったシステムには、まだ名前がついていません。もし、いい名前を思いついたら、推薦してくださいね。 |