「巨獣が来るぞ、門を守れ! 騎士団の誇りを見せろ!!」 〜城塞騎士団の部隊長・セドリック、吹き飛ばされる直前に〜 |
マスカレイドを抜きにしても、世界には数え切れぬ程の驚異と脅威が存在します。
広大な世界で、人類が支配するのは都市国家だけ。
しかも、その都市国家の中でさえ、危険な放棄領域(ダンジョン)には多くの危険な怪物が巣食っています。
世界は未だ、圧倒的な未知のヴェールに覆われているのです。
14/09/01……「(10)デモン」を追加しました!
■生態系
世界に住まう生物は、大きく6つの「類」に分かれます。それに妄念や動く物体、動く死体を加えた「9分類」が、生態系の最も有名な分類方法として、広く人々に知られています。
(1)人類
この世界に生きる人間や、それに類する種族です。都市国家のひとつ、『永遠の森エルフヘイム』には伝説の妖精騎士の血を受け継ぐ種族『エルフ』が住んでいますが、こうした種族も人類に含まれます。
エンドブレイカーと敵対する主な存在としては、強盗や殺人鬼といった犯罪者、賞金首などが挙げられます。
場合によっては、都市国家の軍隊などと戦わねばならない時もあるかも知れません。
また、人類を敵とした依頼では、相手との知恵比べになる場合も多いでしょう。
(2)バルバ類
人間と獣を融合したような姿を持つ生物を、総称してバルバと呼びます。知能はあまり高くありませんが、殆どのバルバは人語を解する事ができます。ジャガーの頭部に鳥の脚、恐竜の尻尾を備えた凶悪な『ジャグランツ』に、『クワガタ人』など、数多くの種族が存在します。
総じて人類には敵対的で、町や村を頻繁に襲撃し、食料を強奪し人間を攫います。
(3)ピュアリィ類
発生源の分かっていない、女性だけしか存在しない半人半獣の種族達を、総称してピュアリィと呼びます。ピュアリィもバルバと同程度の知能を有し、殆どが人語を解します。下半身がヘビになった『ラミア』や、兎の耳と脚を持つ『ラビシャン』など、ピュアリィにも数多くの種族が存在します。
ピュアリィは人間ともバルバとも繁殖することができ、しばしば人間を攫います。凶暴な性格のピュアリィも多く、人里を襲うことも珍しくありません。
(4)イマージュ
イマージュとは、何らかの要因によって、人間や動物などの頭の中にある「妄想」が、現実の肉体を与えられた存在です。自然界で目撃することは極めて稀で、『意志を持つ竜巻』や『生きている津波』のような極少数の例が存在するだけで、めったに遭遇することはありません。
ただし、マスカレイドとしては話が別です。
『棘(ソーン)』はしばしば、妄想そのものにも憑依します。これによって、マスカレイドになった少女の横に『白馬の王子様のマスカレイド』が付き従っていたり、妄想狂の男マスカレイドが『悪夢の如く歪んだ幽鬼マスカレイド』を引き連れていたり、大鼠のマスカレイドが『美しい銀細工の鳥のマスカレイド』を連れていたりします。
イマージュに知能はありません。
(5)動物類
鼠や蛇などの小動物から始まって、牛や馬などの家畜、狼やライオン等の獣、大カエルや鋼鉄カブトムシ、大ナメクジ、溶岩タイガーやイマージュを操る獏など、『巨獣』を除く動物、昆虫、両生類などは、全て動物類に分類されます。知能は動物並で、凶暴性はまちまちです。
街で飼っている動物と、ダンジョンに住まう怪物では恐ろしさが違いますが、マスカレイドになれば一様に危険な存在となります。
(6)植物類
いわゆる植物です。都市国家内にもごく普通に生えている木や草はもちろんのこと、肉食植物『ローパー』や歩きサボテンのような、木や草の特徴を持つ怪物も含まれます。
ごく普通の植物の場合、マスカレイドにならない限り、危険はありません。
ですがダンジョンや辺境には、強力な戦闘能力を有し、人を襲う危険な植物も存在します。
(7)巨獣類
巨大な動植物を総称して、巨獣と呼びます。陸上を歩き回るクジラ『ランドホエール』、小山のような巨大陸亀
『マウンテンタートル』、巨大植物『ネビュラプラント』など、体高が7mを越えるような巨大動植物は、全てここに分類します。
一種の天災のような存在であり、都市に襲来した場合は、討伐部隊が編成されることも多いようです。
(8)ゴーレム
生贄を用いた、いにしえの邪悪な星霊建築によって創造された動く物体を総称して、ゴーレムと呼びます。岩で出来た人型の『ロックゴーレム』、他の物体に擬態する能力を持つ『イミテーター』、翼を持つ怪物型の『ガーゴイル』、流動体の『スライム』などは、全てゴーレムに含まれます。
生贄を用いなければ創造できないことから、この都市国家時代ではゴーレムを創造する技術は廃れています。
そのため、邪悪な意図を持った者でもなければ、その創造方法を知ろうとすることもありません。
ゴーレムは生存の為の食事や睡眠を必要としないため、ダンジョン内で番人として発見される場合が多いようです。
(9)アンデッド
何らかの原因で動き出した死体を、アンデッドと呼びます。腐敗した動く死体『ゾンビ』、動く白骨死体『スケルトン』などが、代表的な存在です。
アンデッドは、命ある者全てを憎むかのように、周囲の者に襲い掛かります。知性も感情も無く、食事や睡眠も必要なく、ただひたすらに生者を攻撃するのです。
アンデッドは充分なダメージを与えると、元の死体に戻ります。
また、アンデッドは光を嫌い、暗がりを好むため、夜に活動する事が多いようです。ただし、光を浴びたからといって、力が弱まるということはありません。
(10)デモン
世界創世の時より存在する侵略知性体。それがデモンです。デモンは世界創世の時から、「夜」として世界の半分を支配してきましたが、通常の光から生まれるデモンは知性も力も持ちません。
力あるデモンは、強大なる魔力の暴走や気高き人間の抱く憎悪といった、『太陽よりも強い光が産み出す夜』から生まれるのです。
特に、世界に光が届かなくなった時に現れる原初の獣「燦然天使ゼルフォニア」の光から生ずる「完全なる夜」は、最初の『マスターデモン』を生みました。
力あるデモン達は「完全なる夜」を目指し、世界を夜に覆うべく活動します。もしそれが実現したならば、ゼルフォニアの光が産み出す夜は、多くの『マスターデモン』を生み出すでしょう。