探検隊発足以前の戦乱
 ドリアッド・リザードマン・ソルレオン

ヒトの霊査士・リゼル 「ここではランドアース大陸にて起こった列強種族との戦いの歴史を纏めるわよ」
はじまりは・プルミエール 「リザードマンさんとかソルレオンさんですね。皆さん強そうです……」
ヒトの霊査士・リゼル 「なーに、強さなんて外見だけで決まるもんじゃないから気にしない! それじゃ順を追って紹介していきましょ」


■やってきた、森の護り手

ヒトの霊査士・リゼル 「同盟が動く最初のきっかけとなった事件が、これ!」
はじまりは・プルミエール 「それまでは同盟って大陸の端っこだったから、わりとのーんびり暮らしてたんですけどね」
ヒトの霊査士・リゼル 「ここだもんねぇ」(地図を取り出しながら)
ヒトの霊査士・リゼル 「そんな同盟に隣国であるドリアッドの森から助けを求めてベルフラウさんがやって来ました。彼女曰くリザードマン達が攻め込んできた、と」
はじまりは・プルミエール 「同盟も『城塞都市レグルス』って都市をリザードマンさんに攻め落とされちゃってたんで、ドリアッドさん達と協力してリザードマンさん達を追い返す事にした……で良かったですよね?」
ヒトの霊査士・リゼル 「大まかに言えばそうよ。リザードマンの遠征軍とドリアッドの森で激突してこれを撃破、更に遠征隊を指揮していた第2王子である黒水王・アイザックを捕縛する事にも成功したの」
はじまりは・プルミエール 「そして一緒に戦ってくれたドリアッドさんも同盟に加入してくれる事になったんです。グリモアガードっていう護衛士団が出来たり、ドラゴンズゲートが見つかったりしたのもこの頃だったそうですし……同盟にとって本当に大事な期間だったんですね」
ヒトの霊査士・リゼル 「ただ、この時点でリザードマンは私達やドリアッドの領地から撤退しただけ。彼らの本国は健在……むしろここからが本番だったのよ。次はその辺りを説明するわね」


■鱗持つものとの決戦

はじまりは・プルミエール 「リザードマンさんを追い返した同盟の冒険者達が初めにした事、それはリザードマン王国内の調査だったんですね」
ヒトの霊査士・リゼル 「そう、その調査の結果得られたリザードマン王国内の内情は惨憺たるものだったわ。リザードマン社会は数々の問題や不公平に満ちていたの」
はじまりは・プルミエール 「貧富の差が激しかったりもしたんですよね。お菓子が食べられない生活……私には考えられないですっ」
ヒトの霊査士・リゼル 「あ、あのねぇ……とにかくその情報と、捕らえた黒水王・アイザックとの会談の結果、同盟はリザードマン領を襲撃する事にしたの」
はじまりは・プルミエール 「あのリザードマン聖域への電撃戦ですね。私が情報局を担当していたので良く覚えてますよ〜!」
ヒトの霊査士・リゼル 「うん、同盟内でも電撃戦を展開するかしないかで随分揉めたんだけど。電撃戦はリザードマン王国の王である青鱗の大沼王・バグウォッシュを取り逃したものの、私達同盟の勝利に終わってリザードマンの聖域を制圧する事に成功しました」
はじまりは・プルミエール 「バグウォッシュさんはとても想像と違っててビックリしました。圧政を敷いてる国の王だからどんな悪者かと思ったら、お花や庭いじりの好きな、優しいリザードマンさんでした」
ヒトの霊査士・リゼル 「優しくて、人を疑う事を知らなくて、見た目にとらわれずどんな人にも分け隔てのない人だったから、自分に寄って来る悪い奴らにも気付かなかったんでしょうね。とてもいい王様にもなれた筈だけど、列強グリモアを守護する王には向いてなかったのかな」
はじまりは・プルミエール 「列強グリモアを取られちゃったら、その種族はおしまいですからね……私達の『希望のグリモア』は、かならずしも相手を滅ぼさなくていいのが、良いところですよね」
ヒトの霊査士・リゼル 「でもそのせいで、一部のリザードマン達は抗戦を続けたの。それでも、通産3度に渡る戦後処理で撃破していった同盟の冒険者達は、旧リザードマン領北部の『モンスター地域解放戦』においてついにバグウォッシュを捕縛出来たのよね」
はじまりは・プルミエール 「その間にリザードマンさんも私達同盟に加わって、同盟にとっては領土も増えたし仲間も増えたし言う事なし! でしたね」
ヒトの霊査士・リゼル 「ところがそうでもないのよ」
はじまりは・プルミエール 「え、そ、そうなんですか?」
ヒトの霊査士・リゼル 「リザードマン領を領土とした事で同盟は新たな種族と隣国になってしまったのよ……ランドアース大陸の覇者とも言われる列強種族、ソルレオンと」


■西に立つ、誇り高き獅子

はじまりは・プルミエール 「えっと、ソルレオンさんには友好使節を派遣してたんじゃなかったですか?」
ヒトの霊査士・リゼル 「確かにそうよ。実際にソルレオン領へ赴いた友好使節団はソルレオン国の情報を得る事が出来たわ。でも、肝心の友好関係を築く事は出来なかったの。その後、ソルレオン領との国境沿いに作られた新しいグリモアガード、ノルグランドの護衛士達が得られた情報等を元に国境付近を調査したりしてたんだけど……」
はじまりは・プルミエール 「……あの夏になりかけの暑い頃の事でしたね。ソルレオンさん達が私達同盟の旧リザードマン領へ攻め込んで来たのは」
ヒトの霊査士・リゼル 「我々同盟も会議の結果ソルレオンを迎え撃つ事にしました。押し寄せるソルレオン達を罠にはめる事でこの戦いはなんとか同盟の勝利に終わったけど、同盟とソルレオンが本格的に対立するきっかけになったとも言えるわね」
はじまりは・プルミエール 「出来ることなら皆と仲良くしたいんだけどなぁ……」
ヒトの霊査士・リゼル 「ソルレオンは頑固者だから、一度敵と決めたらなかなか考えを曲げないのよねぇ。ソルレオン国との交渉は2005年2月現在もノルグランド護衛士達により続けられているわ」
はじまりは・プルミエールエリーゼ団長さんが捕らわれてしまったりと厳しい状況ですけど、護衛士の皆さん頑張って下さいです!」

ヒトの霊査士・リゼル 「ま、ランドアース大陸での列強種族との戦いの歴史はこんなものかしら」
はじまりは・プルミエール 「こうしてまとめて見ると、長いようで短いようで……やっぱり長いですねっ!」
ヒトの霊査士・リゼル 「どっちなのよプルミー……ともかく、ランドアース大陸を希望のグリモアで繋げられるように頑張って行きましょ!」
はじまりは・プルミエール 「私もがんばりまーす!」