探検隊発足以前に現れた、恐るべき怪物や陰謀
 伝説のドラゴン、そしてノスフェラトゥについて

ヒトの霊査士・リゼル 「ここではランドアース大陸に登場した恐るべきモンスターや、大陸に渦巻いた陰謀の歴史を纏めます」
はじまりは・プルミエール 「せんぱ〜い。モンスターはともかく、陰謀って簡単に纏められるものなんですか?」
ヒトの霊査士・リゼル 「……なんか言った?」
はじまりは・プルミエール 「な、なんでもないです……」
ヒトの霊査士・リゼル 「どうやら気のせいだったみたいね。それじゃ、ちゃっちゃと行ってみましょうか!」


■希望より湧き出し混沌

ヒトの霊査士・リゼル 「プルミーはインフィニティゲートって覚えてる?」
はじまりは・プルミエール 「はい、希望のグリモア聖域の地下にあったドラゴンズゲートですよね。私は今でも時々潜って、たまーにボスを倒して帰還してきます!」
ヒトの霊査士・リゼル (「つまり、大抵やられてるのね……」)
はじまりは・プルミエール 「なんというか、不思議なドラゴンズゲートでしたね。一面水晶で、キラキラしてて綺麗でした」
ヒトの霊査士・リゼル 「そんなインフィニティゲートから雪解けの季節の頃、いきなりフォビアっていうモンスターが大量発生したの。しかもインフィニティゲートだけじゃなくて各地のドラゴンズゲートからも。フォビア達はその数と恐るべき強さで希望のグリモア聖域を瞬く間に占拠しちゃったのね」
はじまりは・プルミエール 「フォビア……んっと、このモンスターですね!」(懐からモンスターカード取り出し)
はじまりは・プルミエール 「うねうねしてて、しかも大きいし、何度見ても気持ち悪いです〜。こんなのが何十匹も出てきたんですよね」
ヒトの霊査士・リゼル 「そう、だから冒険者達も慌ててフォビアの討伐に乗り出したの。4日にも渡る長い戦いの結果、死者や多数の重傷者を出したもののなんとか希望のグリモア聖域を保守する事が出来たのよ」
はじまりは・プルミエール 「ひとまずは良かったですけど……一体なんでフォビアは大量発生して聖域を占拠したんでしょう?」
ヒトの霊査士・リゼル 「その謎を解明する為に冒険者達はインフィニティゲートに潜ってみたわ。すると今まで最奥部だと思われていた場所から、更に奥へと続く道が発見されたの。その奥にいた物は……ドラゴンだった」
はじまりは・プルミエール 「ドラゴン……おとぎ話でしか聞いたことのないような竜の眷属が本当にいたんですね」
ヒトの霊査士・リゼル 「ワートゥール、ストームゲイザー、カダスフィア。この3体の竜がインフィニティゲートの転移装置を利用してフォビアを転移させていたの。同盟の冒険者は力を合わせてこのフォビア以上に強大な敵に戦いを挑み、多大な犠牲を払いながらも討伐に見号成功したのよ」
はじまりは・プルミエール 「これ以降、インフィニティゲートから転移装置を使って各地ドラゴンズゲートへの瞬間移動が出来るようになったんですよね。全く、便利な世の中になりましたねぇ……」
ヒトの霊査士・リゼル 「しみじみとババ臭いこと言わないの、若いんだから。さて、次は旧リザードマン領北部にある『モンスター地域』に話を移すからね」


■死の国からの呼び声

はじまりは・プルミエール 「『モンスター地域』っていうからには、モンスターが一杯いる地域なんですよね?」
ヒトの霊査士・リゼル 「そのはずなんだけど……リザードマンの王だったバグウォッシュを追って同盟が初めてこの地域に足を踏み入れた時、多数のアンデッドの存在も確認したの」
はじまりは・プルミエール 「うーん、モンスターだけでも危険なのにアンデッドも一杯いるなんて……危険な地域ですね」
ヒトの霊査士・リゼル 「なのよね。だから同盟はこのモンスター地域を解放して人の住める、安全な地域にしようとしたわ。その結果、全てとは言えないけれど過半数のモンスター地域を解放する事に成功したのよ」
はじまりは・プルミエール 「私もあの戦いには参加していましたけど……アンデッド達の動きが統率されていたのを良く覚えています。アンデッドって知性とか無いって図書館で読んだ記憶があったんだけどなぁ」
ヒトの霊査士・リゼル 「そう、アンデッドは普通目の前の生命体を闇雲に攻撃するだけなの。調べてみると、どうもリザードマン軍の中にアンデッドを操って統率していた者がいたという事がわかったわ。我々は捕らえたバグウォッシュを審問してその者……パンドラの事を聞きだしたわ」
はじまりは・プルミエール 「バグウォッシュさんにはちょっと気の毒でしたね。でもパンドラさん……リザードマン王国からは既に逃げちゃってたみたいですけど、一体どこにいったんでしょう?」
ヒトの霊査士・リゼル 「パンドラの行方はわからなかったけれど、パンドラ以外にも各地でアンデッドを操って暗躍をしはじめる謎の存在が明るみになりはじめたわ。彼らは後々、ノスフェラトゥという列強種族だという事がわかったのだけど」
はじまりは・プルミエール 「ええ、リザードマン王国のパンドラさん以外にも似たような事をしているノスフェラトゥがいたんですか?!」
ヒトの霊査士・リゼル 「プルミー……まさか本気で知らなかったの?」
はじまりは・プルミエール 「わ、私はグリモアガードに入っていないもので……あはは」
ヒトの霊査士・リゼル 「それじゃ説明するけど、代表的なのはカーネルとノルグランドに現れたノスフェラトゥよ。カーネルに現れた黒衣の男は服を着せたヒトの死体を使ってチキンレッグの一般市民を殺害させていたの、奉仕種族が同盟の冒険者に嗾けられて暴動を起こしているように見せかけながらね。結局、名前も名乗らぬまま倒されたようだけど」
はじまりは・プルミエール 「ふーむ、チキンレッグと同盟を仲違いさせるのが目的だったのですね……」
ヒトの霊査士・リゼル 「ノルグランドに現れたイーゲルというノスフェラトゥの場合はソルレオン領の悪徳商人と手を組んだの。悪徳商人を捕縛して尋問した結果、カーネルの件と同様に死体を操ってソルレオンと同盟の感情を悪くしようとしていたみたい。結果、反同盟運動が起こったりシェロ君が襲われたりしたのよ」
はじまりは・プルミエール 「シェロ君……確か、残った『モンスター地域』を開放、平定している時に保護したソルレオンの男の子でしたね」
ヒトの霊査士・リゼル 「シェロ君は同盟にとって貴重な情報を与えてくれたわ。彼の口から語られた内容、それは『死の国に地獄へとつながる大穴がある』というものだった」
はじまりは・プルミエール 「『死の国』っていうと、ランドアース大陸中央にあるアンデッド地域ですね。そういえば図書館の世界地図、真ん中に穴が開いてましたけど、アレって本当にあるんですか……」
ヒトの霊査士・リゼル 「事実を確認する為に同盟の護衛士が『死の国』へ調査に向かったんだけど、そこで護衛士達は死者の祭壇とパンドラに出会う事になるの」
はじまりは・プルミエール 「死者の祭壇、壊せないと思ったらドラゴンズゲートだったんですよね」
ヒトの霊査士・リゼル 「そしてその死者の祭壇、アンサラーの護衛士団が調査してたんだけど……ある日いきなり事態が急展開を迎えるのよね」
はじまりは・プルミエール 「アンサラーがゾンビジャイアントの大群に襲われて壊滅した事件ですね……」
ヒトの霊査士・リゼル 「そう、死者の祭壇は地獄門の向こうよりやってきたノスフェラトゥがアンデッドの軍勢を率いて同盟を攻撃してきたのね。
勿論同盟はこれを迎え撃って撃退したのだけど……」
はじまりは・プルミエール 「最後にはザンギャバス殿下という謎の人……なのかな? とにかく凄いのが現れたんですよね……うーん、一体この先どうなるんでしょうね……」

はじまりは・プルミエール 「モンスター地域はわりと平定されましたけど、『死の国』についてはまだまだ解らない事が多いんですね。ランドアース大陸には危険が一杯です!」
ヒトの霊査士・リゼル 「そうねえ。目先の列強種族とだけ戦っていれば良い訳じゃない上にホワイトガーデンとか楓華列島とか、新大陸もあるし……」
はじまりは・プルミエール 「せ〜んぱい! それは別の号で話す内容ですよ!」
ヒトの霊査士・リゼル 「あ、そうだっけ。ごめんごめん。以上、モンスターと陰謀号でした!」