<長とのお話。今後の方針>

 タロスの長との会談を行い、ランドアース大陸の状況を説明しました。
 この会談を通じて、タロスとの協力関係を確立することが出来ましたわ。


長とのお話。今後の方針

エルフの霊査士・マデリン(a90181)
場所:掲示板(連絡事項掲載)   2008年04月01日 10時   発言数:1
 冒険者達は互いに話し合い、皆の意見をまとめあげた。総勢21人それぞれの意志や意向もある。それをこの様な短期間にまとめるのは大変なことであったかもしれない。けれど彼等は共に同じ船に乗り、共に同じ夢を追い……困難を力を合わせて乗り越えてきた仲間達であった。

 ランドアースという異邦からの客人達に対しタロス達はとても親切であった。彼等に割り当てられた『家』は広さも充分であり、必要そうな物は言えば何でも揃えて貰えた。その『家』にタロスの長とデュンエンが入ってきたのはもう夕餉が終わり、見張りの者以外は眠りに就こうとする頃であった。冒険者達は全員集まっていて、2人のタロスを出迎える。簡単にここでの生活の礼を言ったあと、本題に入った。
「何か言っておかなければならないことがあるのだと、このデュンエンから知らされてきた。先ずはこの身とデュンエンが聞き、内容によっては皆にも話すこととしたい……よろしいか?」
 タロスの長は白熊の敷物の上に腰を下ろし、その背後にデュンエンが立つ。ドライザムは視線をマデリンへと向ける。マデリンが小さくうなずくのを見ると目を閉じ……すぐにう開いて長に向き直った。
「我々はタロスの方々と『対ドラゴンとの共闘』を行いたいと考えている。また、同意が頂けるのであれば、母国全体として共闘を行う事を母国に提案する事も考えている」
 暫しの沈黙。
「なるほど」
 短く長が返し先を促す。
「まず、これからの具体策を提案する。その後、これまでの経緯や背景についてお話をしたい。それを聞けば我々が行う提案は非常に虫が良いなどのお怒りになるかもしれない。
それでもお話するのが共に戦おうする相手への信義であり、相互の信頼を深める為に必要だと考える。個人的に付け加えるならば。我々が出会ったこの縁を大切に感じている。良き隣人、叶うならば家族ともいえる関係を築きたいと願い、その様に努めていきたいと思っている」
「それはこちらも同じ事。長くタロスの一族には伝承というあやふやな形でしか過去の事も、世界の事も、神々の事さえも伝わってはいない。この世界にタロスではない隣人が居たこと、その隣人と仲良く手を携えて行くことが出来るならば、こんなに嬉しいことはないと考えている」
「……ありがとう」
 ドライザムの言葉はこの場にいる冒険者全員の思いでもあった。

 冒険者達は『魂の石』を奪取し、それをドラゴン達に奪い返されないようランドアースへと持ち帰りたいのだと伝えた。その際、出来ることならばドラゴンズゲートを発見しそこから帰還したい。ただ、それにはドラゴンズゲートを発見すること。そしてタロスのグリモアを儀式により同盟に帰属させなければならない。

「なるほど。ドラゴンの小さき眷属……ドラグナー達が集まっている遺跡にその『魂の石』というものがあり、それをドラゴン達の手に渡してしまえば彼等は更に強力になるというのだな。そういうことであれば、タロスは……全てのタロスは協力を惜しまない。この居住区に住まう1000人のタロスの助力をあてにして欲しい」
「いえ、お待ち下さいませ。それはとても嬉しいのですけれど、わたくしたちの事を何もお話しておりませんわ」
 マデリンは困惑気味に言った。長に決断をして貰う前に色々と話しておかなくてはならないことがある。
「それはおいおいお聞きしよう。だが、この決断は揺るがない。我がタロスの事をさほど深く知らずとも共闘を申し出てくれたその心に応えるには、今の話で充分だ……そうだろう」
 長の最後の言葉は背後に立つデュンエンへと向けられたものであった。
「はい、私もその様に感じます」
「そういうことだ。これからよろしく頼む」
 長は笑って(多分笑っていたのだろう)そう言った。

 その後、冒険者達はかわるがわる2人のタロス達に同盟諸国の事を話した。彼等が奉じる『希望のグリモア』の事。ゲート転送、ドラゴン達の事。それから彼等に対抗しうる手段としてドラゴンウォリアーの事や霊査についても話した。同盟がこれまで歩んできた出来事を語る際には、ザウス大神との悲しい出来事……そしてフォーナ神やランララ神降臨の話もした。
「有意義な時間であったと思う」
 去り際、長はそう言って冒険者達の『家』を出ていった。

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