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「話を変えて次はランドアース大陸の南にある、ワイルドファイア大陸について話しましょうか」 |
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「夏にランドアース大陸にやってきた大怪獣マリンキングボスさん、物凄い勢いでやってきたんで必死で止めたら身体の中がドラゴンズゲートだったんですよね。ビックリしました」
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「それだけでも驚きなのに正気を取り戻したマリンキングボスが向かった先、それはまだ見ぬ南の大陸ワイルドファイアだった。そこで出会ったのはヒトとノソリンを足して2で割ったような私の理想の種族、ヒトノソリンだったのね」
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「理想って……ああ、ヒトノソリンはノソリンに変身出来るからですか? 先輩は本当にノソリンが好きなんですね」 |
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「ノソリンは良いわよ〜。あの鳴き声、あの仕草……癒されるわ」 |
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「そ、そうですか……それで話し合った結果、ヒトノソリンも同盟の一員になりました! ……ワイルドファイア大陸は以上ですけど、なんだかすごく短いですね」
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「なんの障害もなく仲間になっちゃったからねえ。ワイルドファイアは、大らかでのほほんとしたところみたい」 |
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「あと、色んな物がおっきいのです! きっとケーキとかクッキーもおっきいんでしょうねえ……いいなぁ」 |
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「材料が大きいから出来たお菓子も大きいかもね……ともかく、ワイルドファイアには今も3つのグリモアガードが大陸の調査やらに当たっているわ。今の所は同盟を揺るがすような大事件は起こってないみたい」 |
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「何か起こったら、私が派遣されるのでよろしくですよ〜♪」 |
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「さいはて山脈近くにある護衛士団、パルシアに白い翼を持ったロルカちゃんとミルカちゃんが落っこちてきたのは春の事でしたっけ」
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「そうね。ロルカは原因不明の高熱に悩まされていて、ミルカの方は記憶喪失。一体彼らは何者でどこから来たのか……それを知ろうとしていた護衛士達に立ちはだかったのは異形の怪物だったわ。アンデッドでもモンスターでもない怪物は、死亡したロルカの身体の中から飛び出してきたの」
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「う、うう……私も冒険で色んなシーンに遭遇しましたけど、やっぱり身体を引き裂いて現れる異形はグロテスクです。この時点ではどうやら星型の痣をつけられると異形が出てくる、ぐらいしかわからなかったんですよね」 |
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「それでも粘り強く近くのルシール=クァル神殿を調査していた護衛士達はついに手がかりをつかんだわ。神殿から天へと伸びる槍……ディアスポラの神槍という名の塔を発見したのよ」
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「この塔を上った先にミルカちゃん達、つまり列強種族エンジェルの暮らしていた空の大陸、ホワイトガーデンがあったんです。でもエンジェル達は突然現れたあの異形の怪物、ピルグリムに襲われていたんですね」 |
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「ピルグリムの対象に星型の痣と共に卵を産みつける、という治療法の無い産卵管攻撃の恐怖におびえながらも冒険者達はピルグリムとの戦いを開始した。そして見事にピルグリムの親玉的存在、ピルグリムマザーを撃破する事に成功したのよ」
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「よかったよかった……でも、突然現れたって一体ピルグリムはどこからやってきたんでしょうかねえ?」 |
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「知らん」 |
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「え、ええと……じゃあこことこことここで地上への降下を確認した3体のギガンティックピルグリムやその身体にしがみついていたピルグリム達の行方は」 |
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「それも知らん」 |
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「……なんとかわからないんですか、霊査とかで」 |
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「どうやって霊査しろって言うのよー! 霊査士は万能じゃないのよ!」
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「はうっ、す、すいませんです……」 |
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(「やば、ちょっと怒りすぎちゃったかしら? えーとフォローフォロー……」) |
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「さ、最初の問いはともかく、ギガンティックピルグリムの方は地上に降りたんだからそのうちなんらかの情報が入ってくるかも知れないわね。それにエンジェルも同盟に加入したし、決して悪い事ばかりじゃあないと思うわよ」 |
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「……そうですよね、うん。エンジェルさんと友達になれたのは嬉しいです!」 |
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「おおぅ、これホントにセンパイが……いや、なんでもないです。ふぅむ、この地図の旗はなんですか?」 |
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「それは各国の支配州の数よ、数が多いほど大国だと考えてもらっていいわ。マウサツは同盟の救援部隊が捕らわれていたマウサツのお姫様を救出した後、襲ってきたアルガ国を撃退したの」
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「もともとマウサツってアルガ国の一支配州だったのですね。その戦いに勝利した結果、国になったわけですか……」 |
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「独立国となったマウサツを会議の結果、私達は同盟に迎え入れる事にしたわ。これはマウサツの国を手助けするという意味に他ならなかったのよ」 |
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「なんだか、先輩の口ぶりからするとそれが凄く大変みたいな感じですね。同盟の一員なら助けるのは当然じゃないですか〜」 |
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「プルミーが簡単に言ってるのよ、プルミーが……。いい? 元々セイカグドはジリュウ・トツカサ・アルガの三国が支配州3つずつを所有していた。そこにマウサツがアルガ国から独立、更にジリュウ国がアルガ国から支配州を奪った事でパワーバランスが崩れたの」 |
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「むぅ、勢力図が書き換えられ始めたんですね」 |
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「うん。この前にはマウサツへトツカサの国からアルガ国とジリュウ国に攻め入るから手伝ってくれという要請もあったりしたのよ。そして、激しい戦の末にアルガ国の聖域はマウサツの手に渡ったの」
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「ううむ、楓華列島には国が一杯あってお互いが戦っている上に鬼さんもいるんですよね? 頭の中がこんがらがってきました……」 |
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「だから、それを調べて皆にわかりやすく伝えるのがここでの私達の仕事なのよ。ま、そのうちきっとプルミーには楓華列島に飛んでもらう事になるんじゃないかしら」 |
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「はーい、わかりましたっ!」 |