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「楓華列島はよくわかりません、てへ☆」 |
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「第一声がそれはどうなの……可愛い子ぶってごまかそうとしても駄目よ」 |
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「うーん……じゃあセンパイに聞きますけど、なんでマウサツはトツカサの要請を受ける事にしたんですか?」 |
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「親書には『この申し出を受けないのなら、今後マウサツは一切セイカグドの戦乱に関与しないものとみなす』って感じの事も書かれてたのよ。戦乱を指くわえて見てるか、それともその戦乱に飛び込んでいくのかの選択を迫られたのね」 |
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「むむむ? なぜマウサツの方針をトツカサが決められるのですか? トツカサは何様なのです、酷いのです!」 |
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「それはね、以前マウサツに天子様―――楓華列島のとにかく偉い人ね、その人から命令を受けてリョクバの使者がやってきたのよ」 |
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「えーと……質問ばっかりですいませんけど、それはまたなんでですか?」 |
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「使者達は異国人である我々同盟諸国の冒険者を鬼ではないかと疑ってたのね。場合によってはマウサツは鬼の支配する土地としてリョクバから攻め込まれてたのかもしれないの」 |
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「はわー、そんな事があったんですか。で、でも、攻め込まれて無いって事は大丈夫だったんですよね?」 |
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「マウサツのツバキ姫の口添えもあってなんとかね。でも全面的にマウサツを信じるまでもいかなかったから、リョクバの使者は『マウサツの仕置きを会談の行われた地、トツカサに預ける』として帰っていったの。その『仕置き』の答えとなるのが、この親書だったのよ」 |
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「なるほど、リョクバの使者さんがそう言ったのですか。むう……やっぱり一体何様なのですか!」 |
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「そりゃ天子様の使者様よ」 |
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「あ、そっか、偉い人の使者だったんでしたっけ。それじゃ仕方ないですね」 |
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「そういう事。一応言っとくけど、楓華列島において天子様は絶対的な存在だから、プルミーも楓華列島に行った時は充分に注意すること。いつもの癖で『天子さん』とか言うんじゃないわよ?」 |
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「うう、わ、わかりましたぁ〜。『楓華の風カザクラ』もリョクバ地方へと向かうことですし、その辺り気をつけないといけませんね」 |
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「そうね、セイカグドの事は『門出の国マウサツ』に一任する事になるけど、元アルガ王トキタダ公の行方やジリュウの出方とかまだまだわからない事は多いわ。楓華列島も大変だけど、護衛士の皆さんの頑張りに期待しましょう」 |