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エレナとナーは急いで4人組が建てさせたという建造物の前まで来ていた。唯一かかっている橋ではグドンが数体倒れている。城門は開きっぱなしになっており、すでに3人が暴れまわったのは火を見るより明らかだった。
場内へ突入し、思い出したように現れたグドンをグリモアエフェクトで瞬殺しながら進むと――
GM:
では廊下の先に階段があり、その前で休憩しているサクヤとギンがいます。
エレナ団長:
サクヤ! ギンジロウ!
サクヤ:
……姫。
ギン:
オラ、すでに気絶してる事にするだ(笑)
ナー:
いったい何が……。
エレナ団長:
≪癒しの水滴・改≫を2人に(コロコロ)……20点ずつ回復です。負傷HPからは出ました?
サクヤ:
姫……申し訳ありませんでした――HPはもう大丈夫です。
ギン:
オ、オラ……と起きる。もう大丈夫だ。
エレナ団長:
よかった2人とも……。
ナー:
ところで何があったのですかぁ〜? ここに弓持った人が倒れていますけど……。
サクヤ:
実は――と説明する。
ナー:
はぁ〜なるほどです〜。
エレナ団長:
ねぇペンタゴンは? ペンタゴンはどうしたの?
ギン:
あいつなら、1人で先に行っちまっただよ?
エレナ団長:
1人で?
ギン:
止めたんだども……俺がやるって言ってぇ聞かなかったんだぁ。
エレナ団長:
そんな――
サクヤ:
姫、そんな事より他の村の情報はどうでしたか?
ペンタゴン:
そんな事かよ!(笑)
エレナ団長:
だいたいガーシ村と同じ情報だった。ただ……グドン達を使って悪さしている4人組は、今この城にいるだろうって。
サクヤ:
ファントム四天王……そう、自分達の事を奴等は呼称していました。
ナー:
四天王ですかぁ〜? 1人がここに倒れている牙狩人だとすると……あと3人残っていますね〜。
エレナ団長:
急ぎましょう! ペンタゴン1人じゃいくらなんでも無茶過ぎよ!
2階へと進むと、そこは大きな部屋になっていた。その中心には豪華な椅子が置いてあり、そこに過激な衣装を着たセイレーンの女性が座っていた。
GM:
もちろん顔には仮面をつけています。その椅子の後ろには3階へと続く階段が見えます――「あら、またお客さんかしら?」
エレナ団長:
私達はエンドレスピース旅団! ここに私達の仲間の重騎士が来たはずよ!
GM:
「重騎士? ああ、ペンちゃんの事ね」
エレナ団長:
ペンちゃん!?
GM:
「ええ、ペンちゃん……可愛がってあげたわよ♪ ねぇ〜ペンちゃん?」
ペンタゴン:
では出てこよう、適当な物陰から――その通りでございます。
エレナ団長:
ペンタゴン!?
ペンタゴン:
ペンタゴン? 違うな……我こそはファントム四天王の新しい1人なり!――俺は顔にファントムの仮面をつけているのです(笑)
GM:
あ、セイレーンの四天王はリリーって名前です。
ペンタゴン:
我こそはリリー様の盾、貴様らのような無法者は即刻立ち去るが良い!
※リプレイではカットされていますが、1人で2階へ突っ込んだペンタゴンは、あっさりリリーの術に嵌り誘惑されたのである。
サクヤ:
ペンタゴンでは無いのか?
エレナ団長:
ペンタゴン! あなたペンタゴンでしょう?
ペンタゴン:
なんだ貴様ら……我の事を知っているのか?
GM:
リリーはペンタゴンにしな垂れかかったりして。
エレナ団長:
む。
GM:
「この子は仮面をつけたせいで記憶を封印されているのよ? ふふふ……」
エレナ団長:
そんな……! 本当に? 本当に何も覚えていないの!? 私の……私のことも!
ペンタゴン:
団長か……じゃあ突然頭抱えて――う゛う゛!!!(一同爆笑)
ナー:
頭の悪い演出です〜(笑)
エレナ団長:
私達は出会って、みんなを助ける為に最強の力を手に入れるって……そう2人で誓い合ったじゃない!
ペンタゴン:
そうなの?
エレナ団長:
サクヤと出会う前は、私とペンタゴンの2人旅団だったのです。
ペンタゴン:
う゛うう゛……――と頭を(笑)
エレナ団長:
思い出して!
GM:
「さぁペンちゃん、目の前の女を殺してあげなさい」
ペンタゴン:
う゛…うう゛……――と苦しみながらも武器を構えて団長に近づく。
エレナ団長:
気をしっかり! あなたが私を倒せるはずが無い! 私はあなたを信じてる!!
GM:
そこまで言うならボーナスを上げます。単語程度なら思い出して構いません。
ペンタゴン:
単語? なんかあったっけ……ペチャパイ?(一同爆笑)
エレナ団長:
………………ピキッ。
ペンタゴン:
思い出した……確かお前はペチャパイと呼ばれていた(一同爆笑)
エレナ団長:
(プチン)――みんなぁ〜? 力の限り戦いましょうか♪ 目の前にはファントム四天王が2人もいるしね〜――ニコやかに言います。
サクヤ:
ギンジロウ、ナーシサス、先に言っておくが……手加減したら後で巻き沿いをくらうぞ(笑)
ギン:
わ、わかっただよ(笑)
ナー:
女の子としてエッちゃんの気持ちは解るよ〜(笑)
GM:
では戦闘に入ります! リリーとペンタゴンまでの距離は10mで2人とも前衛と扱います。
◇ イニシアチブ ◇
[1]サクヤ(35)
[2]リリー(25)
[3]エレナ(23)
[4]ギン(21)
[5]ペンタゴン、ナー(16)
ナー:
ペンタゴンと同じ16なのですが、どっちが先に動けば良いのですか〜?
GM:
もう一度ペンタゴンとナーで1d20を振って、出目の高かった方が先に行動します。
ペンタゴン:
(コロコロ)……――
ナー:
(コロコロ)……ペンタゴンの方が先です〜。
ペンタゴン:
[戦略ポイント]は?
エレナ団長:
う〜〜ん、こっちは「士気高揚」の+2…でもペンタゴンが敵側にいたから「驚き、混乱している」で−4……NPC側に+2点かな。
GM:
そうですね。今回はそれで行きます。ではサクヤから。
サクヤ:
リリーに≪飛燕刃・改≫(コロコロ)……1レベル成功、17点ダメージ!
GM:
(コロコロ)……[ガード]発生。でも痛いな……リリーは服をはだけさせながら竪琴を弾き――「あなた達は、もっと思ったままに行動するべきだわ」≪放蕩の宴≫(コロコロ)……2レベル成功! 全員【心】の目標値レベル2で判定をどうぞ。
エレナ団長:
(コロコロ)……成功!
エレナ以外:『……失敗』
GM:
失敗した人は理性が効かなくなります。特に男性であるギン、キミはこのリリーを見てどう思う?
ギン:
服をはだけさせたりだあ? んだらオラはドッキドキだ(笑)
GM:
ではギンは<感情:リリーへの好意>を得て下さい。
ギン:
(書き書き……)
エレナ団長:
次は私! ペンタゴン……私はまだあなたの事信じてるからね――と【心】攻撃(コロコロ)……2レベル成功で16点ダメージをペンタゴンに(一同爆笑)
ペンタゴン:
台詞と攻撃対象が違うじゃないか!(笑)
エレナ団長:
もしかしたら負傷HPになれば記憶が戻るかもしれないし……それに私だって少しはあるもん。
サクヤ:
言い訳と思っている事が矛盾しています姫。
ペンタゴン:
(コロコロ)……成功すらしねぇ、心攻撃はキツイなぁ。
ギン:
次はオラだ!――<好意>を得たし……――まいっちまうだよ、リリーもオラに惚れてるだぁ(笑)
ナー:
あ〜ギンちゃんは節操が無いです〜(笑)
ギン:
でもこれとそれとは別問題だで…悪く思わんでよ――『紋章閃!≪エンブレムシュート・改≫』(コロコロ)……1レベル成功の21ダメージ!
ペンタゴン:
それは戦略ポイント使ってリリーを[かばう]!――リリー様……ご無事で。
GM:
「ええ、ありがとうペンちゃん♪」
ギン:
参っただな。
エレナ団長:
私達の仲間を盾にするなんて酷い!
GM:
「違うわね、私の美しさと色香が彼を自然とそうさせてしまうのよ? わかるかしら胸の無いお嬢さん?」
エレナ団長:
ううううっ! さっきから人が気にしている事をーー!!
ナー:
まぁ殆ど言っていたのはペンちゃんだったりしますけど〜(笑)
ペンタゴン:
貴様! 余計な事を言うな!!(笑)――ナーに【体】で攻撃(コロコロ)……1レベル成功。
ナー:
それは私怨です〜攻撃対象はランダムに決めるべきです〜!(コロコロ)……0レベルで失敗。
ペンタゴン:
ダメージは8点!――だったら黙って[裕福度]を返さんか!
ナー:
やっぱり記憶残ってるんじゃないですか〜!?(一同爆笑)
――2ターン目
サクヤ:
リリーを≪飛燕刃・改≫で攻撃します――グリモアエフェクト使用!(コロコロ)……3!
ペンタゴン:
させるかー!――リリーを「かばう」ぜ!
エレナ団長:
(コロコロ)……15です。
ナー:
……11。
ギン:
13だゾ。
ペンタゴン:
15……って、何で俺まで!?(笑)
GM:
そう思うなら振らなくてもよかったのですよ? グリモアエフェクトは強制じゃないので振らないという判断もありです。
ペンタゴン:
そうか……でもここは振る――頼むサクヤ、俺にかまわず敵を斬れ!――って感じで(笑)
サクヤ:
とりあえず――信じられるのは己のみ!――4レベル成功の20点ダメージ!
ペンタゴン:
14点来た……いってーな。おい!
GM:
ではリリーの番です。今度はギン単体に向かって(コロコロ)……≪誘惑の歌≫です。リリーに対して好意的な感情を持っていた場合に、誘惑されます。
ギン:
(コロコロ)……無理だー! 敵になる! オラもリリー様の為に戦うだよ!(笑)
サクヤ:
そういうコンボか。
ペンタゴン:
俺も同じ手で洗脳された(笑)
○おまけ解説 「誘惑の歌?」
本来、誘惑の歌は恋愛感情を与えるものなので、戦闘中に敵に寝返る程の撃的な効果は、普通望めないでしょう。敵に使っても無駄ですよ(恋愛感情を得ても、仲間を忘れるわけでは無いので)。
でも今回は、ペンタゴンもギンジロウもワザとかかっているようなフシがあるなので、まぁいいかなという感じです。
エレナ団長:
許さない……人の心を弄んで――【心】攻撃(コロコロ)……2レベル成功のダメージ16点!
ペンタゴン:
リリー様!――とかばう……が、もうポイントが無いので無理(笑)
ギン:
リリー様はオラがかばうだ! ペンタゴンは邪魔だでよ!
ペンタゴン:
と、押し合いへし合いしていてかばえない(笑)
GM:
くっかなり痛い……――「何やっているの2人とも! しっかり私を守りなさい!」
ナー:
と、そこにわたしが≪スピードラッシュ・改≫! グリモアエフェクトみんなお願いです〜(コロコロ)……自分は4!
全員:『(コロコロ)……』
ギン:
オラも4で一番低いだよ?
GM:
ではナーは自分とギンの2人に<感情>です。
ナー:
そして2人まとめてだから成功レベルが倍……技の4レベル成功が8レベル成功に、28点!
ペンタゴン:
俺が守るんだ! ギンはどいてろ!(笑)
ギン:
そうはいかねーだ! オラがリリー様を守るんだで!(笑)
GM:
でリリーが直撃……駄目です。倒れました。それと共にギンもペンタゴンも元に戻ります。もっとも感情<リリーへの好意>は消えませんがね。
ペンタゴン:
俺の仮面はどうなる?
サクヤ:
じゃあ壊した。
GM:
壊されました。ペンタゴンは1人で2階へ来て、1人でリリーと戦っていたはずなのに、気が付くと回りには全員います。
ペンタゴン:
ファントム時の記憶は無いのか(笑)
エレナ団長:
そんなペンタゴンに……なんで……平和に導こうって誓いあったじゃないですか……どうして……こんな事を……――と苦しそうに言う私――どんな誘惑にも負けないと思っていたのに……。
ペンタゴン:
いや……俺には何がなんだか?(笑)
ギン:
団長泣かしたら駄目だでよ?
エレナ団長:
う、ううう〜〜(泣)
ペンタゴン:
え!? 何? 俺、何かしたのか!?
ナー:
敵に操られていたんですよ〜? その間にそれはもう酷いことを団長に〜(笑)
ペンタゴン:
ガーン!! 団長に嫌われるような事を俺が……俺が……もう駄目だー……全て終った……。
ナー:
笑いを堪えてます〜(笑)
ギン:
酷いぞナッちゃん、ペンタゴン困ってるだよ(笑)
ペンタゴン:
サクヤ、冷静なお前に聞きたい。俺はいったい何をしたんだ?
サクヤ:
自分の“胸”に手を当てて考えてみなさい。
ペンタゴン:
自分の胸に手を当てて考えてみる。
ナー:
すると心臓の音が聞こえなかった(一同爆笑)
ペンタゴン:
おい!!(笑)
ナー:
冗談ですよ〜(笑) ペンちゃんはエッちゃんにペチャパイって言ったんです〜(一同爆笑)
ペンタゴン:
うお、それは事実だ(笑)――本当か?――とサクヤの方を。
サクヤ:
頷く。
ペンタゴン:
団長……気にするな。たとえ胸が無くても――
エレナ団長:
心攻撃の衝撃波でお腹に一撃。
ペンタゴン:
げはッ!
エレナ団長:
行きましょう! 泣いてた私が馬鹿みたい!
ペンタゴン:
な、何がナンやら……ガクッ(笑)
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第11幕 仲間の想いを拳に込めて
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