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◆その者……選択す!

 轟音を立てて崩れ始める城砦、エレナ達が見守る中……1人飛び出してくる影があった。

ギン:転がるように飛び出してくるだよ! オラは2階辺りからジャンプしたって事で(笑)
GM:じゃあゴロゴロとエレナ達の所まで脱出します。
ナー:ギンちゃん!
サクヤ:ペンタゴンはどうした!?
ギン:ペンタゴンは……まだ脱出してないだか!?
ナー:そんな……。
サクヤ:まさか、あいつに限って。
エレナ団長:ペンタゴーーーン! 4振っちゃったのは許してねーーー!(一同爆笑)
ペンタゴン:うおおーーい!!(笑)



 不幸にも倒壊した柱の下敷きになり、その男は崩れ落ちる廊下で身動きができなくなっていた。

ペンタゴン:俺は……死ぬのか……?――柱の下敷きになったまま朦朧とした意識の中で呟こう。
エレナ団長:ごめなさい! あそこで私がもう1つ小さい出目だったら。
サクヤ:それなら全員に責任がある。
ナー:まぁ、一番問題があるのは大黒柱を破壊したペンちゃんですよ〜(笑)
ペンタゴン:うむ、なんか自業自得だな俺(笑)
GM:やがて天井は崩れ、視界は遮られ、音さえも聞こえなくなって行きます。
ペンタゴン:俺は……死ぬんだな……。こんな事なら団長に……いや、エレナに……告白しときゃあ良かったぜ……(笑)
ナー:ペンちゃん……わたしはもっと一緒に冒険したかったです〜。
サクヤ:姫の敵は私が排除する……姫の命は貴様が守護する……そうじゃなかったのか! 愚か者が!!
ギン:戦うって約束、まだ果たしてねーだぁ?
エレナ団長:ペンタゴン……絶対追いつくって言ったじゃない……約束は守ってこその約束だよ……。
GM:しかし、その問いに答える声は無く……――
エレナ団長:ペンタゴーーーーン!!!(一同爆笑)
ペンタゴン:おいおい! 本気で俺が死ぬような台詞を皆して吐くな! 別に無限のファンタジアはHP0ぐらいじゃ死なないだろう?(笑)

○解説25 「死亡」
 HPが0以下になった場合、全ての人間・動物・モンスターは[死亡]します。死亡状態を回復させるアビリティはありません。しかし冒険者(NPCも含む)は例外です。HPが0以下になっても[戦闘不能]状態となります。この状態だと一切の行動が行えませんが死亡したわけではありません。[戦闘不能]状態は特定のアビリティを使用すれば回復する事ができます。ただし、HPが[−最大HP]を超過すると[重症状態]となりHP回復後も5日間は全てのダイスロールの成功レベルが半分になります。そしてさすがの冒険者もHPが[−最大HP×2]を超過すると[死亡]します。

GM:エレナって[戦闘不能]を回復するアビリティは活性化してないですよね?
エレナ団長:あ、確かに。
ペンタゴン:……が、別に[戦闘不能]状態でも重傷を負っていない限り、1日の休息で戦闘不能から回復するんだし――
GM:街に帰れればですよね?
ペンタゴン:…………し、しかしだ、それでもHPのマイナスが最大値の2倍にならない限り――
GM:ペンタゴンは城の下敷きですので、常にダメージが入っていく状態ですよね?
ペンタゴン:………………死んじゃうじゃないか!!!(一同爆笑)
GM:だから言ってるでしょうが! [死亡]しますよって!
ペンタゴン:なんとかしろGM! 俺はこんな所で死にたくないぞ!!
GM:じゃあ仕方ありませんね……キマイラ化しましょうか?(←嬉しそうに)
エレナ団長:キマイラ化?

○解説26 「キマイラ化」

 冒険者からグリモアの加護が失われると、冒険者はモンスターと人間の中間存在[キマイラ]に変異してしまいます。

  (1)幸運度が0になった場合。
  (2)戦闘不能時にキマイラ化を宣言。
  (3)悪徳の限りを尽くす事でグリモアの加護を失い幸運度が0となる。

 の、どれかを満たすと冒険者はキマイラとなります。
 キマイラになると、ダメージやバッドステータスは全て無くなり、全ての判定で振れるd20の数が増大します。
 キマイラへの変身は非常に強力ですが、代わりに幸運度が失われ、肉体の一部がモンスターのような異形に変貌します。
 しかも、HPが0になると完全なモンスター(NPC)と化してしまうのです!

 キマイラ化したキャラクターはセッション後に獲得するEXPが半分になります。
 元に戻るにはセッション終了時に幸運度が1点でもプラスに入れば全ての形質は隠れて元の姿に戻れます。逆に終了時に幸運度を貰うのを拒否してキマイラ化のまま冒険を続ける事も可能です。

サクヤ:EXP(経験値)半分は痛いな。
エレナ団長:ペンタゴン……死んじゃうの?
ペンタゴン:ふっ……団長を残して死ぬわけにはいかねー……俺はキマイラ化を宣言する!!
GM:OK! ではd20を2回振って下さい。どんな形質が現れるかはダイスを振りましょう。
ナー:選んじゃ駄目なのですか〜?(笑)
GM:どっちでもいいんですが……どうしますペンタゴン?
ペンタゴン:はっはっはっ! もちろんランダムに決める! その方が面白い(笑)
GM:ではダイスをどうぞ。
ペンタゴン:ます1個目が(コロコロ)……10!
GM:もう一回振って下さい。そのまま復活する演出入っていいですよ(笑)
ペンタゴン:よし! 俺のキマイラ化は(コロコロ)……――



 無情にも倒壊していく四天王の城砦……皆の言葉に反応する声は無く、土煙が晴れた後は静寂が辺りを支配する。そして……サクヤがエレナの肩に手をかけ、城砦に背を向かせ歩き出す。
 その時だった。最初に気が付いたのはギンジロウだった。

ギン:オラ? じゃあ……倒壊した城の方を見て――な、なんだぁ!? この強烈なオーラの力は!
ペンタゴン:と、パリパリと空気が振動を始めて、小石とかが宙に浮き出す!(笑)
ナー:お城……? エレナ!!
エレナ団長:え?――振り向こう。
サクヤ:………………。
GM:その瞬間! 崩れた城の残骸が吹き飛ぶ!
ペンタゴン:そしてそこに立っているのは俺! 団長達に背中を向けた後ろ向きで立ってる! そして俺の髪の毛はいつもの赤茶色じゃなくて、金色に染まっているんだ!!!
エレナ団長:あ……ああ……――と口に手を当てて涙ぐみながら。
ペンタゴン:呼んだか、団長?――口元だけ振り返って――ふっ(笑)
エレナ団長:ここは走って行って後ろから抱きしめてあげよう。そういう場面っぽいし(笑)
ペンタゴン:うお(笑)
エレナ団長:良かった……ペンタゴンが生きてて良かった――と泣いてます。
ペンタゴン:心配かけてすまなかったな……俺は団長を置いて死にはしねーよ……だから泣くな。
エレナ団長:う、ううう〜〜。
GM:じゃあエレナに続いて集ってくるメンバー達かな?
ナー:そうですね……ペンちゃん、本当に死んだかと思いましたよ〜。
ギン:オラは嬉しいだでよ!
サクヤ:姫に心配かけさせるとは……ふん――とちょっと嬉しそうに(笑)
ペンタゴン:ああ、悪かった。ぎりぎり助かったよ――と俺は完全に振り向くのですが……そうすると皆が気が付く、金色なのは俺の髪の毛だけじゃなくて顔も全て金色になってる事に!
一同:『……えええええ!?』(一同大爆笑)
※ペンタゴンのキマイラ化第一形状――頭が『ゴールドスタチューの頭部』に変異。
エレナ団長:あ、あ、あ……(笑)
ナー:それはえっと……なんて言うか(笑)
ギン:あっはっはっはっはっは(笑)
サクヤ:お、愚か過ぎる(笑)
ペンタゴン:ん? どうした? 何がおかしいんだよ?――と、自分の顔が変異しているので気が付かない俺(笑)

↑ゴールドスタチュー
エレナ団長:う、う〜〜んと……別にペンタゴンはペンタゴンだから! 私は信じてる!(笑)
ナー:鏡を見せます。どうぞ〜〜?
ペンタゴン:ん? なんか顔についてるのか?……――

 そして、ペンタゴンの絶叫が響き渡ったのは言うまでもなかった。



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