<巻頭特集>

■ザンギャバス包囲網2


はじまりは・プルミエール 「………2、ですか?」
ヒトの霊査士・リゼル 「そうよ、2よ」
はじまりは・プルミエール 「……私が知らない間に2回戦目が始まってたのですか?」
ヒトの霊査士・リゼル 「ちがわい! 同盟がノスフェラトゥに敗北した事を重大に受けとめて、今月は巻頭特集2コーナー分を使って特集していくのよ!」
はじまりは・プルミエール 「おおっ、なんだか特集っぽいのです!?」
ヒトの霊査士・リゼル 「ザンギャバス包囲網2では『なぜザンギャバス包囲網が行われたのか? そこにいたるまでの経緯』を説明するわ」
はじまりは・プルミエール 「おさらい、って感じなのですね」
ヒトの霊査士・リゼル 「そう、色々とノスフェラトゥ事情も難しいからね。この辺りで復習するようにしなくちゃ」
はじまりは・プルミエール 「はーい、勉強、頑張るのです!」

(1)リザードマンとの関連
ヒトの霊査士・リゼル 「それじゃあ早速だけど……ノスフェラトゥは陰謀や策略を張り巡らせるのが好きなのかしらね、色々な工作をランドアースに仕掛けてきたわ。最初の工作はなんだったか覚えてる?」
はじまりは・プルミエール 「覚えてるのですよ、リザードマンさんを操って同盟諸国へ攻撃を仕掛けてきたのです!(えっへん)」
ヒトの霊査士・リゼル 「ん〜おしい! それは『同盟諸国』への工作であって『ランドアース』への工作じゃないわ。ノスフェラトゥの冒険者、パンドラが謎の女邪竜導士としてリザードマン王国に現れたのはそれより前なのよ」
はじまりは・プルミエール 「それじゃあ、えーと……なんでしょう?」
ヒトの霊査士・リゼル 「まず最初にバグウォッシュをそそのかしてリザードマン王国の北の国、東方ソルレオン王国を滅ぼしたのよ。この辺りの事はかつてアイザックバグウォッシュが明らかにしているわね」
はじまりは・プルミエール 「そそのかす……ああ、騙すってことですね。難しい言葉なのです!」
ヒトの霊査士・リゼル 「ご、ごめんね、難しい言葉使って……東方ソルレオンを滅ぼした、実質パンドラが率いるリザードマン王国軍は、次は東方ドリアッド領に進行してきたの」
はじまりは・プルミエール 「これがさっきの私が言ってた戦いですね」
ヒトの霊査士・リゼル 「そう、リザードマン王国は東方ドリアッドの援軍に駆けつけた同盟諸国に返り討ちにあった。その後パンドラはリザードマン聖域電撃戦モンスター地域解放戦で行方をくらまして以来、しばらく表舞台からは姿を消したわ」

(2)各地での暗躍
ヒトの霊査士・リゼル 「そのあと、影から同盟諸国に工作を仕掛けてきたのよね。ここらへん準備号でも話したけど」
はじまりは・プルミエール 「はいなのです。喋るアンデッドを作ってソルレオンに嘘を吹き込んだりとか、カーネルで反同盟活動をしたりとか」
ヒトの霊査士・リゼル 「そうこうしているうちに東方ソルレオンの生き残りであるシェロ君が保護されたわ。ここでパンドラ達ノスフェラトゥが死の国の大穴の向こう、地獄からやってきてる事がわかったのよ」
はじまりは・プルミエール 「死の国へ向かった私達はパンドラがいた死者の祭壇を攻略して、そこにアンサラー護衛士団を置いたんですよね……でも」
ヒトの霊査士・リゼル 「ええ、ゾンビジャイアントの集団とパンドラが現れてアンサラーを襲撃、アンサラー団長のロウさんはノスフェラトゥに囚われてしまったわ」
はじまりは・プルミエール 「同盟諸国も負けてられないのです! すぐさま同盟諸国もノスフェラトゥ戦役でノスフェラトゥを追い返したのですよ!」

(3)地獄
ヒトの霊査士・リゼル 「そうね、そして地獄、終着の地エルヴォーグへ拠点を移したアンサラー護衛士団は意外な人物の訪問を受けたのよね」
はじまりは・プルミエール 「パンドラさんですね……ロウさんを返してやるからエルヴォーグからとっとと出てってくれって言ってきたんですよ」
ヒトの霊査士・リゼル 「かなり簡単に言ったわね……まるで駄目オヤジを家から追い出す肝っ玉母ちゃんみたいな……」
はじまりは・プルミエール 「で、結局アンサラーはエルヴォーグから撤退、帰ってきたロウさんが色んな事を教えてくれました。地獄は階層に別れてて第一階層はリゥドゥラ王子さんが、第二階層はリゥドゥラ王子さんのお兄さん、あのザンギャバス王子さんが治めてるとか」
ヒトの霊査士・リゼル 「ザンギャバス……あんなのが王子なのよね、現実は厳しいわね……」
はじまりは・プルミエール 「なんでセンパイは泣いているんですか?」
ヒトの霊査士・リゼル (「玉の輿の事を考えていたとは言えないわね……」)
はじまりは・プルミエール 「……ま、いいや。そしてロウさんが帰ってきて、アンサラーがエルヴォーグから引き上げようと思ったら、またパンドラさんがやってきたんですよね。ザンギャバスが来るから早く逃げろって。結局素直には逃げずに死者の祭壇で迎撃したわけですけど……なんでパンドラさんはそんなに親切なんでしょう?」
ヒトの霊査士・リゼル 「んーとねえ、プルミーは人が良すぎるわよ。パンドラは過去に同盟諸国へ数々の工作を仕掛けてたのよ?」
はじまりは・プルミエール 「でも、我らエルヴォーグ軍と共にザンギャバスさんを包囲して退治しようって提案してくれたんですよ?」
ヒトの霊査士・リゼル 「それはつまり、親切にならざるを得ないほど、リゥドゥラ率いるエルヴォーグ軍にとってザンギャバスが邪魔だったから……って考えられないかしら」
はじまりは・プルミエール 「えー、ザンギャバスさんとリゥドゥラさんは兄弟なんですよ、邪魔なんて思わないじゃないですか」
ヒトの霊査士・リゼル 「王族で兄弟の争いなんてよくあるじゃないの、バグウォッシュとアイザックとか……」
はじまりは・プルミエール 「うーん、そっかぁ。そう考えると、本当にエルヴォーグの皆さんは裏切ってザンギャバス包囲網に参加してくれるつもりだったのかもですね」
ヒトの霊査士・リゼル 「今回はザンギャバスが勝ちそうだったから有利な方についたのかもね」
はじまりは・プルミエール 「……と、まあこんな経緯で、ザンギャバス包囲網が行われたんですっ!」
ヒトの霊査士・リゼル 「こうしてみると、私らはノスフェラトゥと長い付き合いなのねー……」