<来訪者>

■来訪者とは?

 異世界より来訪したとされる、地球の生物とは発生起源の異なる存在。それが≪来訪者≫です。
 遥か古代より中世に至るまで、来訪者は様々な世界よりこの地球に出現し、人類や他の来訪者、ゴースト等と激しい生存競争を繰り広げていました。中には生存の為に他の来訪者や人類と共存する来訪者も存在したといいます。
 しかし、地球本来の種ではない彼等は、13世紀末から14世紀初頭にかけて人間の能力者が形成した≪世界結界≫に力を封じられ、その多くが滅び去りました。
 そして、何らかの手段によって生き延びた来訪者も、近年において世界結界が綻びを見せるまで、長い雌伏の時を余儀なくされていたのです。

●来訪者の目的

 来訪者の目的は、「自らの種の繁栄」や「敵対する者達の殲滅」など、様々です。中には「行動の論理性を失い、憎しみのままに戦う」来訪者や、「平和な暮らしを望む」来訪者がいるかもしれません。
 しかし、殆ど全ての来訪者に共通する行動原理には、以下のようなものがあります。

・メガリスの探索
 ある程度大きな集団を形成した来訪者は、自らの失われた力と勢力を取り戻す為にも、大いなる遺産「メガリス」を熱心に探索し、その力を自分達の為に役立てようとします。

・今は、世界結界の破壊を望んでいない
 来訪者達は、積極的な世界結界の破壊を望みません。
 忘却期を経て、来訪者は過去の力や勢力を失っています。
来訪者:アルバート・ローゼス
 世界結界が消滅すれば、世界結界によって隠されていた全ての来訪者が明るみに出ることとなり、全面戦争が始まってしまいます。
 十分に力を蓄えていない現状では、世界結界の消滅は自滅行為になりかねないのです。
 そのため来訪者達は、必要に駆られて(かつての力を取り戻す為に)世界結界にダメージを与える事はあっても、世界結界の破壊だけを目的に活動する事はありません。

●来訪者ジョブへのジョブチェンジ

 来訪者ジョブとは、土蜘蛛や鋏角衆などの「異世界から来訪したとされる種族」が生まれつき持っているジョブの事をいいます。
 人間など、その種族以外の者が来訪者ジョブを習得する為には、その種族の血液等を自分の体へ移植し、意思と共にその力を直接体内に取り込む必要があります。
 その為、来訪者ジョブにジョブチェンジするには、その来訪者集団から正式に許可されるか、或いは集団そのものを屈服させて力を差し出させる必要があります。

●来訪者との戦い

 今後、銀誓館学園が新たなる来訪者と遭遇することもあるでしょう。
 来訪者が友好的で安全な者達ならば、特に問題はないでしょう。場合によっては仲間にする事もできるかもしれませんし、良き隣人として関わり続ける事ができるかもしれません。

 しかし殆どの場合において、来訪者との遭遇は戦いに発展する事となるでしょう。
 来訪者は世界結界に力を封じられてしまうのですから、それは避けられない宿命のようなものかもしれません。

 戦いはメガリスも駆使した大規模なものとなるでしょう。また、その結果は和平であったり、捕虜を得て教育を施したり、徹底的な殲滅を行ったりと、さまざまなものが考えられるでしょう。
 銀誓館学園の先生達は、学園の能力者が行う来訪者への決断に意見を差し挟むことはありません。最前線で戦う若者達の「意志」こそが最良の判断であると、彼等は知っているからなのです。

※学園による教育
 銀誓館学園では、戦争で降伏してきた来訪者がいた場合は、彼等を一箇所のキャンパスに集め、現代の知識や倫理観を教える為の、「最低でも半年以上」に及ぶ長期の集中講義を行います。
 この集中講義は、銀誓館学園の先生達のうち、世界の真実を知るごく一部の先生達によって行われます。先生達は能力者ではありませんが、熱意と情熱を持って、来訪者達を教育する事でしょう。
 そうして、教育の結果、共に銀誓館の仲間として歩み出せるようになれば、晴れて来訪者達は銀誓館学園の一員となるのです。


■来訪者一覧

 これまでに登場した来訪者の一覧です。

来訪者説明
土蜘蛛  人々を襲い、その力を得て繁栄していた蜘蛛の来訪者。それが土蜘蛛です。
(後日、人々を襲ったのは、土蜘蛛の集団としてのレベルが低かった為であると判明しています)
 「土蜘蛛戦争」によって銀誓館学園に敗北し、来訪者集団としての土蜘蛛は壊滅。生き残りは、銀誓館の仲間として編入されることとなりました。
 また、翌年には東北地方に別の土蜘蛛組織が出現し、新たな戦いを引き起こしています。
 
 ⇒⇒⇒土蜘蛛関連シナリオ
ナイトメア  人々に悪夢をもたらす、黒い馬の姿をした来訪者。それがナイトメアです。
 ナイトメアは「夢の世界」の中にしか存在できませんが、「眠っている人の夢を支配し、悪夢を見せて徐々に衰弱させる」という能力を持っています。
 悪夢に囚われた人を助け出すには、ナイトメアの悪夢に打ち勝つしか方法はありません。
 その後、邪悪な人間と融合し、「ナイトメアビースト」となる事で現実へと侵出した彼らはジャック・マキシマムを王として銀誓館学園に決戦を挑みましたが、彼の死と共に組織は崩壊しました。
 
 ⇒⇒⇒ナイトメア関連シナリオ
 ⇒⇒⇒ナイトメアビースト関連シナリオ

吸血鬼  欧州より現れた、影の城に住まう来訪者。それが吸血鬼です。
 彼らのうち、銀誓館学園と友好的な関係を保った穏健派組織は「人工島の戦い」においては銀誓館学園に協力して共に戦いました。
 従属種ヴァンパイア達を銀誓館学園に転校させるなど、より親密な関係を築いてきた吸血鬼達は、ヨーロッパ人狼戦線1の終了後、銀誓館の仲間入りを果たしました。
 その後、「吸血鬼艦隊」「吸血鬼株式会社」との戦いを経て、ついに自ら日本に乗り込んで来た吸血鬼の首魁、『伯爵』との決戦によって、吸血鬼は戦力を大幅に喪失。さらに『伯爵』が単身、妖狐の庇護下に入ったことによって組織としては壊滅しました。
 ですが残った『情熱』のブリュンヒルデ異形に与し、銀誓館学園に敵対しています。
 
 ⇒⇒⇒吸血鬼関連シナリオ
 ⇒⇒⇒原初の吸血鬼関連シナリオ
クルースニク  魂に眠る「魔狼」の殺戮衝動を駆使する来訪者、それがクルースニクです。
 吸血鬼を追って日本に現れたクルースニクの先遣部隊は、「人工島の戦い」において銀誓館学園に敗北します。
 しかし、彼らの吸血鬼への敵意は夢の中に施された洗脳が原因と判明。
 洗脳を解かれた彼らは、銀誓館の仲間として共に歩むこととなりました。
 その後も大多数は清廉騎士カリストが持つメガリス「ニーベルングの指輪」によって洗脳されていましたが、ヨーロッパ人狼戦線3において、本拠地ビャウォヴィエジャの森に集結していた全戦力が銀誓館学園を中心とした能力者連合に敗北。
 クルースニクを支配していた『異形』達が逃亡し、『ニーベルングの指輪』が銀誓館学園のものとなったことで、洗脳は解除されていっています。ですが人狼十騎士の大半を失った影響は大きく、ヨーロッパ最大級の組織としての実力を完全に取り戻すには時間を要するでしょう。
 
 ⇒⇒⇒クルースニク関連シナリオ
雪女  氷雪を操り、どんな極寒の地でも活動できる来訪者の男女が雪女です。
 雪女は忘却期を「封印の眠り」につくことで乗り越えましたが、世界結界に綻びが生じた影響で、この現代で封印の眠りから目覚めたのです。
 彼らは、ふとしたきっかけで交友を持った銀誓館学園の生徒からの誘いを受け入れ、銀誓館学園の仲間に加わることとなりました。
 
妖狐  狐の如き耳や尻尾を生やし、妖しの力を振るう来訪者。それが妖狐です。
 女王『金毛九尾』のもと、最強の将「七星将」、ゴーストの軍勢「百鬼夜行」といった強大な戦力を抱えています。
 妖狐には穏健派の『日本妖狐』と、無数のゴーストを操る『大陸妖狐』が存在しており、『日本妖狐』は銀誓館学園の仲間になったものの、『大陸妖狐』は「狂気戦争」での初遭遇以来、銀誓館学園と激しく敵対していましたが、抗体ゴースト撲滅に向けた協力の要請を経て、一縷樹休戦条約の締結によって、休戦。銀誓館学園と共に、対異形に向けた体制を強めています。
  
 ⇒⇒⇒妖狐関連シナリオ
 ⇒⇒⇒封神台関連シナリオ
 ⇒⇒⇒抗体ゴースト撲滅に向けた協力の要請
ファンガス  太古の地球に訪れた『地衣類(菌類)』の来訪者。それがファンガスです。
 ある銀誓館学園の能力者達と強い運命の糸で結ばれたファンガスは、彼らの冒険の末、銀誓館学園と人類の味方となりました。
 単体では弱く、世界結界の作用で死んでしまうため、銀誓館学園の能力者が『ファンガス共生者』となる事で、世界結界の影響を免れています。
 
ルナエンプレス  月から現れた来訪者の男女。それがルナエンプレス(月帝姫)です。
 かつての月を治めた強い力を持つルナエンプレスは、荒廃した月で封印の眠りについていましたが、自らもルナエンプレスである銀誓館学園理事長、矛城・晴恋菜の説得に応じ、銀誓館学園に加わることとなりました。
 その後は地球上でも、ルナエンプレスの力に目覚める者が現れ始めています。
 なお、矛城・晴恋菜が己の力に目覚めた背景には、90年代の戦いが深く関与していると言われています。