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第12章
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第13章
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終章
湖畔の街オーシャ。そこは綺麗な湖が隣接する美しい街だった。
通りの屋台には湖で獲れたさまざまな魚が並び、どの街でも共通の活気がみなぎっていた。
そんな大通りを2人の冒険者が歩いている。
1人はリザードマンにしては大柄な武道家の男。
もう1人はまだ年端もいかないエルフの少女だった。
GM:
ではメリアとグリーズの場面です。
グリーズ:
さっきのロムの場面で言っていたが、俺達は結社の任務について知っているのか?
GM:
知っています。簡単に説明すると――
――結社からの任務――
◆湖畔の街オーシャにはナゴー博士という結社の人物がいる。ナゴー博士は世界的な犯罪者である。
◆ナゴー博士は『アビスクリムゾン』という薬を研究・製造中である。
◆任務1:「領主がナゴー博士の情報を得て捕らえようとしているので阻止する。または薬が完成するまで時間稼ぎをする事」
◆任務2:「任務1を行いつつ、この街に冒険者を集めるよう画策・扇動する」
◆任務3:「ナゴー博士と協力して、この街で『アビスクリムゾン』をばら撒く」
グリーズ:
なるほどな。まさに悪の任務だ(苦笑)
メリア:
それで私達はすでにオーシャにいるの?
GM:
2人は今、オーシャの大通りを歩いています――「いらっしゃい、今日はウナギが安いよ!」「ちょっと見てってくれないかい!」――と通りの屋台には活気があります。
メリア:
今はとっても平和なのにね?
グリーズ:
任務は任務だ…割り切るんだな。
メリア:
んもう、そんなの解ってるよ!――とそっぽを向きます。
GM:
ではそこで【心】で判定して下さい。1レベルで良いです。
メリア:
(コロコロ)……成功。
グリーズ:
……成功、このレベル(10レベル)で失敗するわけが無いがな。
GM:
と2人は気が付きます。どうやら街の人々に冒険者は避けられているようですね。
グリーズ:
メリア、気が付いたか?
メリア:
うん、なんでだろう? 別に冒険者って桁外れに一般人よりは強いけど、嫌われる職業じゃないよね?
グリーズ:
……そういう風土の街なのだろうか……。
メリア:
ま、考えてても仕方ないし! 新人君との待ち合わせ場所に行きましょう?
グリーズ:
ああ、そうだな。
GM:
ではロムとの合流です。ロムは今どこにいますか? そこが待ち合わせ場所という事で。
ロム:
じゃあ街外れにポツンと建っているボロ屋にいる。かつて僕が住んでいた家に1人、じっと立っています。
グリーズ:
ではそのボロ屋の壊れたドアのところから――お前か……ロマーリオ・レイズというのは?
ロム:
ロムでいいよ――振り向かないで応える。
メリア:
家の中に勝手に入って行ってロムの顔を見て――ふ〜ん、お兄さん表の世界で生きてきた顔だね?
ロム:
子供!?――と驚く、メリアって12歳だよね?
メリア:
12歳。
グリーズ:
その子はお前よりずっと長く裏の世界で生きてきた。それこそ生まれた時からな。その程度に驚いているようでは裏の世界ではやっていけないぞ。
ロム:
驚いてって……なんなんだよあんた達は! こんな子供が結社に加担している事に何も感じないのか!? おかしいだろう!!――グリーズに振り返って!
グリーズ:
おかしいもおかしくないも関係無い。これが現実だ。重要なのはこれからこの世界でお前がやっていけるかどうかだと思うが?
ロム:
くっ……――チラッとメリアを見て――やってやるさ。それしか僕が取るべき道は無いんだから……。
グリーズ:
先に言っておくぞ。夢や希望は捨てておけ、そのようなものに溺れるようでは死ぬだけだ。現実を見ろ、ここは光の届かぬ闇の世界なのだからな。
ロム:
……ググッと拳を握ります。
メリア:
そろそろ割って入ろうかな――さ! そろそろお仕事の話にしましょう? 私はメリア、宜しくねロム♪
ロム:
あ、ああ…宜しく。
グリーズ:
俺の名はグリーズだ。【竜牙旅団】の団長をしている。今回はこの3人で同じ任務を行う。
ロム:
わかった……ところで、任務をあんた達に聞けって言われたんだが。
グリーズ:
ああ、まず最初の任務だが……この街に潜伏するナゴー博士を――と説明します。
ロム:
その人を守れば良いんだな?
メリア:
もしくは“領主の手配対象から外す”か……だね?
ロム:
それだけでいいのか?
グリーズ:
第二・第三の任務もあるが、それは段階を追って説明する。
ロム:
……わかった。
メリア:
じゃ、まずは情報収集かな? ナゴー博士がどこにいるかは私達は知っているの?
GM:
結社から聞かされていません。もっともナゴー博士は有名な犯罪者なので顔は解っていていいです。ちなみに結社からは接触するなとは言われていません。
グリーズ:
現場の判断に任せる……という事か。では俺とメリアは博士の居場所を探ろう。接触を取っておいた方が後々便利だろうしな。
ロム:
僕はどうすればいい?
グリーズ:
お前はこの街の領主と親しかったらしいな?――知っていていいなGM?
GM:
構いません。
ロム:
そ、それは……。
グリーズ:
うまくやれ。それだけだ。
ロム:
……無理だ。無理だよ! この街に僕の居場所はなかった……僕の事を覚えている人なんて誰もいない……プリスだってきっと……。
グリーズ:
2度は言わん。うまくやれ――去って行きます。
メリア:
ちょっと心配そうに見つめてから……グリーズについて行きます。
ロム:
僕は……――
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第2章
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